不登校を生きる君たちへ ー話すことで初めて自分の考えに気づけるー

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はじめまして。

ぼくは、滋賀県でフリースクール昼TRY部という教室をしている、得津といいます。

この文章を目にとめてくれてありがとう。

 

 

フリースクールは学校の代わりに通う教室のことで、何がフリーかというと、料金じゃなくてカリキュラムのことだ。学校みたいにやることが決まっているんじゃなくて、それぞれのフリースクールが何をするか決めている。

 

昼TRY部では、水曜を勉強デーにして、残りの曜日は遊んで過ごすことが多い。

 

 

 

 

この間はマインクラフト大会をしたし、近々みんなでチョコフォンデュをする予定だ。

仕事柄、不登校の子たちと面談することが多いんだけど、先日驚くべきことが起こった。

 

初めて面談した子が、数日後に学校に戻ることになったんだ。

あらかじめ言っておくと、ぼくは学校に行くように薦めたわけじゃない。したことといえば、昼TRY部の教室について説明したくらいだ。他にしたことといえば話を聞くこと。

 

とにかく面談に来てくれたその子の話を聞くことに徹していた。

もしその子が学校に戻ることを決めたのなら、聞くことが影響していたとぼくは思う。

今からそのことについて説明するから、ちょっと聞いてほしい。

(説明を聞いたり、教室を見たりして「ここに通うくらいなら・・」と思われた可能性もあるけれど、まあそこは置いといて聞いてほしい。)

 

 

人は、自分の気持ちを言葉にすることで初めて本当の自分の気持ちを知る。

ぼくは経験的にも理屈からも、このように思っている。

 

例えばカウンセラーは相談に来る人との面談で何をしているか知っているかな?

カウンセラーは、悩み相談を受けているわけじゃない。いや、受けているんだけど、近所の世話焼きおばさんや居酒屋にいるおじさんみたいに、1つの相談に対してあれやこれやとアドバイスはしない。

アドバイスをせず質問することで、相手が思っていることの整理や、相手が考えてもいなかったことを引き出すことをしている。

 

 

みなさんにも、誰かとの会話の中で「自分がこんなことを考えていたなんて初めて知った!」という経験はないだろうか。

 

モンストが好きだと思っていたけれど気づけばパズドラの方がスラスラと魅力を話せたり、脳内シミュレーションで考えた口説き文句と違った言葉が告白の場面で出たり。「あれ、こんなこと言うつもりじゃなかったのに」だとか、思わず言葉が口をついて出るとか、そういうことはないかな。

 

もしピンと来なかったら、『かぐや様は告らせたい〜天才たちの恋愛頭脳戦〜』というマンガの、ウルトラロマンティックから普通のロマンティックあたりが最近だと分かりやすい例なので読んでみてほしい。

 

 

少し話がずれたけど、このように会話の中で自分の気持ちや考えに改めて気づくことはとても大事なことだ。古今東西、どんな物語にも主人公の気持ちが描写されない話なんてない。自分の頭の中だけでグルグルと考えていても何も動かないし、頭が疲れるだけだ。

 

そう、大事なのは気持ちを言葉にすることだ。

人は不思議なもので、

1、頭の中で考える

2、言葉に出す

3、自分の言葉を耳で聞く

4、耳から入った自分の言葉で、さらに考える

こういうことができる生き物なんだ。

 

自分で考えるだけなら、1番だけでいいと思うかも知れないけれど、どうやらそれでは上手くいかないみたいだ。頭の中で考えてもまとまらなかったこと、君にもあるんじゃないかな?

 

だから、ぼくが面談した子も学校について考えていることを口にする中で、(あぁ、少しだけ学校に行ってみてもいいかもな)と思えるようになり、学校に戻ることを決めた。そして昼TRY部には来なかった。大丈夫。寂しくなんかない。学校に通うことを決めて、チャレンジすることは素晴らしい。

 

もし、この文章を読んでいる君が今、まとまらない気持ちを持っているなら誰かに話した方がいい。話す相手は誰でもいい。お家の人でも、学校の先生でも、カウンセラーでも、友だちでも、誰でもいい。

そりゃあ、1話したら10返すような人よりも、ただただ話を聞いてくれる相手の方が良い。それはその通りだ。けれど、一番大事なのは自分のまとまらない気持ちや考えを吐き出し、自分で自分の言葉を耳にすること。これが一番大事だ。相手のアドバイスは二の次でいい。

 

自分から気持ちを打ち明けるのは、勇気がいる。まとまらないまま話すのも怖いし、話すことで何かが変わるのも怖い。薄々気づいているかもしれないけれど、自分の気持ちを打ち明けると、今の状態に変化があるだろう。

転校を考えるかもしれない。塾に行くかもしれない。ぼくがやってるようなフリースクールに行くかもしれないし、学校に戻るかもしれない。

具体的な形は分からないけれど、何かは変わる。もしかしたら、このことを無意識のうちに知っているから学校の先生やお家の人に何も話さないという人もいるかもね。話すことで何かが変わるなら、黙ってて今の状態を保ちたいという人もいるだろう。それも1つの考えだ。

 

現状維持バイアスと言って、人は変化を恐れる性質がある。

 

「このボタンを押せば、必ず一億円が手に入ります!」

そんなボタンがあったとしたら、君は押すかな?

 

実は一定数、押さない人がいるんだ。どれだけポジティブな変化であっても、その変化を拒む性質が多かれ少なかれ人には備わっている。

 

 

自分の気持ちを知るために、気持ちを口にすることが大事だ。ぼくはそう言ってきた。

これが勇気のいる行動なのも、もちろん分かっている。

 

すぐにはできないかもしれない。相手も選ぶだろう。望む結果とは違う結果になる可能性もある。

しかし、気持ちを口にしたこと、それ自体が素晴らしいことだ。今までにない、価値ある行動だ。

 

今はオンラインで相談もできる時代になった。きみの周りに、話したいと思える人がいなかったら、オンラインで受け付けてくれる人を探すのも手だ。オンラインを使うならSNSにはアヤシイ感じの人もいるから、できればちゃんとした窓口の方が安全だと思う。

 

ぼくがいる昼TRY部に連絡をくれてもいい。

「もう学校とかいいや。」

「自分は落ちこぼれだし、働いても使えないだろうから、働かない。」

どんな気持ちでもいい。今まで話せなかったことを話すだけで、諦めてたものが戻ってくる。

もう一度チャレンジできるようになる。

 

 

昼TRY部HPはこちら

 

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得津 秀頼

得津 秀頼

D.Live副理事/元小学校教員 自分に自信が持てない、自分を好きになれない、そんな人が自分を好きになり前向きにチャレンジできる社会を創るためにD.Liveを立ち上げた。 自尊感情に関心が高く、D.Live内では主に自尊感情に関する事業を担当。