29歳が、16歳と14歳の姉妹に「不登校のホンネ」を教えてもらった【不登校のおはなし会#21 レポート】

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フリースクール事業をスタートさせたのを契機に、D.Liveが「不登校支援」を売り出しはじめて2年半ほど経ちます。実は、今年から僕はD.Liveの「渉外」として、たとえばフリースクール同士の交流の場に参加したり、各イベントへのブース出展などを時間の許す限り担当してきました。

目的は、フリースクール同士の「横のつながり」を作ること。D.Liveは滋賀県でフリースクールを運営していますが、たまに県外、たとえば大阪などからの問い合わせが来ます。

もちろんそれでもD.Liveさんのフリースクールで、というケースもありますが、こういうときに大阪近隣のフリースクールと関係を作っておいて、相互に不登校の子どもたちを支援できるネットワークが必要だな、と、不登校支援に携わりはじめて痛感しています。

そんななかで、今年のはじめ、とあるフリースクールと出会いました。

大阪唯一の村、千早赤阪村にあるデモクラティックスクール「ASOVIVA!」。

ひょんなきっかけで交流がはじまり、GWにはいっしょにキャンプをしたり、僕が千早赤阪村まで遊びに行ってASOVIVA!さんを訪問したこともありました。そのうちに、ASOVIVA!のメンバーの魅力に触れて、この場所や携わるメンバーのことを、僕はみなさんに紹介したくなってきました。

そんな折、「16歳と14歳の姉妹と、気軽なお話会をしませんか?」と、ASOVIVA!さん自らが呼びかけているFacebookの投稿を目にしたのです。

「これだ」。

僕は即座にオファーを出しました。

そして、トントン拍子に事が決まり、11月10日、弊団体の「不登校のおはなし会」にて、念願だったASOVIVA!さんとのコラボが決まったのでした。

実は当初、おはなし会の「話題提供」には、姉妹のお母さんを想定していました。

なぜなら、これまで弊団体の「不登校のおはなし会」のゲストにお招きしたのはは主に保護者や不登校を支援している側の人が多く、不登校を経験した学生さんに経験談を話してもらったことはあれど現在進行系で不登校当事者の子どもが話した例はなかったからです。

しかし、蓋を開けると、当日話題提供として前に立ってもらったのは、その「16歳と14歳の姉妹」でした。もちろん、不登校のおはなし会史上最年少のゲストです。

開始前、緊張を隠せない姉妹に「なんかあったらオレが拾うから大丈夫!」とサムズアップで返答したものの、実は僕も楽しみでありちょっぴり不安でした。今回のおはなし会は「彼女たちの生の声を聞きたい」という参加者の方が多かったからです。なんと姉妹と同年代の参加者もおられました。

果たして参加者のみなさんが「聞きたい」話を引き出せるのだろうか?

いろんなことを考えましたが、もうシンプルに「僕が聞きたいこと」を彼女たちにぶつけることにして、おはなし会の幕を開けることにしました。

話していて、僕はあることに気が付きました。

16歳の姉「ちあちゃん」は、小学生のときから「いま、こういう人を先生は求めてるんだな」ということがすくわかってしまう。優等生だったと自己分析する彼女は怒る状況が苦手で、人一倍敏感な特性を持つ「HSC」であるといいます。

そんな彼女は小学校に入ったころから「あ、ここ、ムリ」と学校が合わなかったいっぽうで、14歳の妹「しあちゃん」は小学校6年間を「めっちゃ楽しかった」と総括しています。つまり、こと小学校に関してまったく正反対の捉え方、過ごし方をしていたのです。

学校が合わないちあちゃんと、学校楽しい!と思っていたしあちゃん。

「お互いのこと、どう思ってたの?」

本当にごくごく自然な疑問として2人にぶつけてみました。

小学校のとき楽しかった妹は、姉のことを「行かれへんのがかわいそう」「こうならないようにしよう」と下に見ていた。それが中学校のとき、自分も学校に行かない選択肢を取るようになってからは「かわいそう」という気持ちが消えていった。

一方で、姉はそんな小学校を楽しんでいる妹を「ああ、楽しいんや~」と思っていた。姉は、「自分は自分、妹は妹」「自分は自分で楽しんでいた」と言います。

話を展開しながら、僕が2人の年代のころにそんなことを思っていただろうか?とふと考えました。

たしかに僕が不登校だった15年くらい前は、こうして当事者が人前に立って不登校の経験を話す機会なんてほとんどなかったような記憶があります。現に僕も不登校当事者だったころはこんなおはなし会になんて参加したことはありません。

その差はもちろんありますが、今年から「学校に行かない」選択肢を取った14歳のしあちゃんも、アドラー心理学で言う「課題の分離」をしっかりと意識している16歳のちあちゃんも、こうしてこの場で臆することなく発言しているということがとても頼もしかったのは、まぎれもない事実です。

少し話からそれますが、「ASOVIVA!」メンバーを見ていると、「みんなで『子どもを育てる』」ということの大事さ、大切さに気付かされます。

どれだけ小さな子でもひとりひとりが尊重され、それがたとえ我が子でなくともまるで本当の親子のような関わり方をしているその姿にはいつも感心させられます。それが、僕が「ASOVIVA!」のメンバーに魅力を感じる大きな要因のひとつです。

きっと彼女たちはこの「ASOVIVA!」メンバーとともに過ごし、ときに自分より年少の子どもたちとも関わる中で、「自分」というものを見つけ出したのかもしれない、と(上から目線で申し訳ありませんが)感じています。僕ともひとりの「仲間」として接してくれる、その気持ちが嬉しかったりもします。

だからこそ、僕は「ASOVIVA!」のメンバーを、みなさんに紹介したかったのです。

この日は、僕の「仲間」を紹介するような、そんな気持ちで1日進行をしていました。

会が終わってから連絡先を交換したり、Facebookでつながる姿を見て、この日を企画して本当に良かったなと思いました。こうした素敵な教育をしている場所がある、そんな中で育った子どもたちがいるということを、僕たちはもっと知っていくべきなのだろうと思います。

遠路はるばる来てくださった「ASOVIVA!」のしあちゃん、ちあちゃん、お母さんのかおりんさん、本当にありがとうございました!

↓座談会の様子はこちらから↓

お知らせ:今週末に「子どもの自信探求フォーラム’19」を開催します

自己肯定感について考え、子どもとの関わりのヒントを得られるようなフォーラムを企画しました。今週末、11月23日(土)開催です。

・子どもにネガティブな言葉が増えてきた
・子どもの自己肯定感を育てるってどうすればいいの?
・自信が育つクラスづくりって?

このような、子どもの自信や自己肯定感に関するギモンに答えるフォーラムが11月23日(土)に京都にて開催されます。
先生や思春期の子どもを子育て中のママさんなど、3名の多様なゲストが来られます。ゲストのお話や実践は、きっとあなたが子どもと関わる上でのヒントになります!

子どもの自信探求フォーラム’19
11月23日(土)13:30〜16:30
場所:ウイングス京都
定員:40名

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山本 駿

山本 駿

子どものころより人一倍敏感な特性を持ち、中学3年間を不登校で過ごす。大学卒業後、不登校ボランティアを経て2014年よりD.Liveに参画し、現在は通信制高校教員を両立しながらTRY部や不登校講演事業を中心に担当。HSP(Highly Sensitive Person)特有の繊細さを活かし、今を生きる子どもたちの先生でも友達でもない「ナナメの関係」になることを目指しています。