それでもまだ続く、「学校頼み」の不登校支援―平成30年度「児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査」から:その2

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10月17日に公表された「児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査」平成30年度版のデータからいまの不登校を探る記事、今回はその2です。

その1では、小中学生の不登校の子どもたちが前年よりも2万人も増えたこと、高校生をあわせた不登校児童生徒数が20万人以上にのぼることを明るみにしてきました。今回は、不登校の子どもたちが受けている支援を通して、学校の側からも不登校を考えていきます。

まだまだ、学校頼みの不登校支援

こちらのグラフは、不登校の小中学生の子どもたちがどこで誰の支援を受けたのか集計したものです。複数回答可の設問ですので、たとえば「教育支援センター」の支援を受けながら「養護教諭」のサポートも受けている、という子どものデータも反映されています。

弊団体など、フリースクール関連は「民間団体、民間施設」の分類となっていますが、毎年利用者数は増えているものの(一昨年よりも倍以上の人数にはなっています)それでも全体の2.8%にしかすぎません。まだまだ、民間の「不登校の子どもの居場所」が浸透していない証だとも言えます。

一方で、「養護教諭」「スクールカウンセラー、相談員等」といった学校内での不登校支援に、まだまだ頼り切りな状況がなお続いています。そして、今年のデータを見ると、「上記による相談を受けていない」人数が昨年と比べて1万人以上増加している、というのも少し気になるデータです。

たしかに「学校に通えない」ということが最初に起こったとき、すぐに対応・相談できるのは養護教諭であったりスクールカウンセラーなのは理解できます。しかし、養護教諭もスクールカウンセラーも、「不登校の子どもたちだけを相手にしているわけではない」ことがポイントです。

養護教諭はいわゆる「保健室の先生」であり、傷病の治療や場合によっては病院への付き添い、健康診断などといった業務も大事なものです。スクールカウンセラーも、不登校の子どもたちだけの相談対応をしていればいいわけではありません。登校する生徒の心のサポートも担っています。

それを踏まえた上で、ここでもうひとつ、こちらのグラフをごらんください。

これは、不登校児童生徒が在籍している学校数を表したものです。とくに中学校に関してはほぼ9割の学校に不登校の子どもたちが在籍している、というデータが明らかになりました。小学校中学校とも、昨年度に比べて在籍学校数は増えています。

もちろん、このデータだけではそれぞれの学校に何人の不登校児童生徒がいるかどうかまではわかりませんが、ひとつ確実に言えるのは「不登校生徒がひとりもいない学校のほうが珍しい」ということです。

しかも、前編でも触れたように、この調査では年間欠席日数が30日以下だけど、学校が楽しくない「不登校傾向」の子どもたちの人数は一切反映されていません。こうした子どもたちの中には頻繁にスクールカウンセラーや保健室の先生、場合によっては担任などほかの先生に相談している子どももいるはずです。

不登校児童生徒が在籍していない学校にも、このような不登校傾向の子どもたちが在籍している可能性は十分考えられます。そして、僕も教員ですので、こうした子どもたちの悩みや相談を受け止めるということがとても大事なのはたいへんよくわかっています。

しかしこの2つのデータを見ていて、強く思うことがひとつあります。

学校のどこに「不登校支援」をしていく余力があるのだろう?

正直、僕はもう限界に近いところまで来ている気がしています。

いや、学校として不登校の子どもたちの様子に常に気を配る必要があるということは理解できます。子どもの様子がわからない、というのは、学校現場において一番不安視されることでもあります。しかし、だからといって、全部を全部学校でやろうとするのは、もう限界だとも思うのです。

ただでさえ日本の学校の先生は世界で一番忙しい、なんて言われています。Twitterを見れば学校の労働環境や管理職の先生、その仕組みなどにとめどなく愚痴をこぼす教員を名乗るアカウントもあります。こんな状況下で、「学校に行きたくない」子どもと真摯に向き合える先生はごく少数だと思います。

中学校で言えば、毎日の授業はもちろんクラス担任、部活指導、生徒指導、事務作業、校務分掌、行事、研修、などなど、いまこうして書き出しただけでも本当に多種多様の仕事が教員を待ち受けています。まだあるはずです。「こんなこともやらなきゃいけないの?」と思う仕事だってあります。

さらにTwitterを見ていると、管理職やベテランの教員に対しての愚痴が止まらない教員を名乗るアカウントも本当によく見受けられます。実際のところ不登校についてまだまだ理解が足りていないと言わざるを得ない先生方がおられるのも確かです。

そんななかで、果たして学校の先生はきちんと不登校の子どもたちに向き合えるのだろうか?

同じ教員という立場でありながらも、僕はそう感じざるを得ません。

平成29年度の「児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査」で出たデータをもとに書いた記事の結びに、僕はこんなことを書きました。

僕はこういう「先生への支援」も、これから先とても大事になってくると思っています。

学校、いや、先生を異常なほどまで敵視して、どう関わればいいのかほとほと困っている。部活や授業準備に大わらわで、なかなか学校に来れない生徒に対応する時間がとれない。日々かなり追い詰められているそんな先生方への助け舟も、絶対に必要です。

引用:増え続ける不登校の子どもたちに、何が必要なのか―平成29年度「児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査」から – D.Live

今回、平成30年度のデータは、小中学生の不登校の子どもたちが2万人も増加するというものになっていました。中学校のほぼ9割に不登校の子どもたちが在籍している、というデータもあります。つまり学校の先生である以上は、不登校について正しい理解を持っておく必要性があると思っています。

少し関わりかたを失敗しただけで子どもや保護者の心が学校から急速に離れていくことだってあります。僕が不登校だった時期にもありました。それくらい不登校支援というのはシビアで繊細なものなのです。

ただでさえ忙しく、メンタルが落ち込んだり疲労度が濃い中で不登校の子どもたちの対応をすることは決して容易ではありません。だからこそ、不登校の子どもたちへの支援は大前提として、養護教諭、スクールカウンセラーをも含めた「学校の先生」への支援も、絶対に必要になるでしょう。

不登校の子どもたちは、今後も増え続けると予想しています。つい4日ほど前には、文部科学省がフリースクールに通う子どもたちに関して学校の出席扱いにしやすくなるよう全国の教育委員会に通知を出しました。これもまた一種の「追い風」となることは間違いありません。

そんな子どもたちへ、どんな支援が必要なのか。そして、「上記による相談を受けていない」人数が昨年と比べて1万人以上増加している、というこの事実について、また次回以降考えていきたいと思います。

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山本 駿

山本 駿

子どものころより人一倍敏感な特性を持ち、中学3年間を不登校で過ごす。大学卒業後、不登校ボランティアを経て2014年よりD.Liveに参画し、現在は通信制高校教員を両立しながらTRY部や不登校講演事業を中心に担当。HSP(Highly Sensitive Person)特有の繊細さを活かし、今を生きる子どもたちの先生でも友達でもない「ナナメの関係」になることを目指しています。