空飛ぶドローンを見上げて、不登校支援における卒業をデザインすることの大切さを感じた

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先日、京都の学習塾 tera schoolさんのご好意で、tera schoolさんが主催されたプログラミング体験会に、昼TRY部の生徒をご招待いただいた。

 

体験会の当日、私は参加を希望した生徒を連れて体験会に行った。

体験会ではドローンを使った学習プログラムが組まれていた。

 

前半はスマホをコントローラーにして、手動で操作をするドローンレース。

後半では、同じコースを今度は自動でドローンに通ってもらうためのプログラミング体験。

 

前半の、ドローンレースのためのコース作りや、自分でドローンを動かす楽しさが、後半のプログラミング体験に生かされていて、昼TRY部の生徒だけじゃなく、会場にいた他の参加者もすごく楽しそうにしていた。

 

見ているだけで自分にも楽しさが伝わってきて、上手に活動が組み立てられているなぁと感心した。

体験会の帰りも生徒たちは興奮冷めやらぬ様子で、ドローンを飛ばしたときのことや、どんな風にドローンのプログラムを組んだかを話してくれた。

 

その様子を見て、私はふと思った。

フリースクールからの卒業というと、進学が中心だけれど、こういう形で次に居場所につないでいくのも卒業の1つの形じゃないだろうか。

 

 

私が運営するフリースクール昼TRY部は小5〜高3までを対象にしている。

生徒たちは、年度が変わったのをきっかけに学校に戻ったり、中学校や高校に上がるタイミングで卒業したりすることが多い。おそらく、全国のフリースクールも似たようなものじゃないだろうか。

 

 

いや、もしかしたら違うかもしれない。

この文章を書きながら、全国のフリースクールは独自に多様な卒業の形をつくっていて、私がそれを知らないだけなのではという焦りが生まれてきたので、「フリースクール 卒業」でグーグル検索してみた。

 

5ページ分ほど見てみたけれど、フリースクールで学校の卒業資格は取れるのかという疑問に答えるページや、フリースクールを運営しているサイトが出しているフリースクール卒業後の進路情報、そういったものが多かった。

 

どのようにフリースクールを卒業し、次の居場所や進学先につなげていくのかを書いたページは少ない。

これは、意図的に情報を載せないとか、フリースクール運営者が卒業の仕方について何も考えていないとか、そういうことではなく、いかにして不登校の子どもや家庭が、フリースクールと出会うかに注力した結果だろう。

 

 

実は国の統計から概算すると、全国の不登校にある小・中学生のうち10%強の子どもたちしか、学校以外の場所に通えていない。だから、不登校支援においては支援のきっかけを作ることが喫緊の課題となっている。

 

カウンセラーさんに話を聞いてもらったり、ソーシャルワーカーさんに学校以外の場所につないでもらったり、先生が家庭訪問を通して関係を作ったり。それぞれのやり方で支援の入り口やきっかけを作っている。

 

それは民間でも同じだ。

例えばわたしの運営するフリースクール昼TRY部では、不登校や思春期に関する記事(ちょうどこの記事のような)を書いたり、代表がメインでyoutubeを使った動画配信をしたりして、まずは保護者が不登校について検索したときに見つけてもらえるよう工夫している。

 

ありがたいことに、教育委員会やPTAに呼ばれて講演をすることもあるので、講演から不登校支援につながったこともある。

 

福祉業界では、従来のどこかしらの施設やサービスに来てもらう支援から、伺う・訪問する支援(アウトリーチ)に舵を切ろうとしている。不登校支援も同じく、なんとかして保護者や子どもを望まぬ孤立から防ぐために、それぞれが支援の糸口を作る努力をしているのが現状だ。

 

 

これらの取り組みや努力は素晴らしいことだし、ニーズも尽きないので、これからも社会として不登校支援の入り口を作る動きは広がっていって欲しいと思う。

 

ただ、それだけではなく、不登校支援の出口。つまり、フリースクールの卒業の仕方やカウンセリングの終わり方についても議論し、もっと多様な方法や選択肢がデザインされても良いんじゃないだろうか。

 

というのも、フリースクール在学中に進学先を決めて、年度が変わったら卒業という形が、子どもにとって十分ではないと思うことがあるからだ。

 

進学先の学校についていけるだけの学力をつけることはもちろん。バイトをしたい子には最初のエントリーの仕方を教えることや、専門学校や大学進学を想定したときの子どもの興味や関心を見つけること。そもそも進学や復学を機に、子どもと支援者がプツンと関係が切れてしまうことへの功罪など、子どもに合った卒業の仕方も考え出したらキリがない。

 

恋愛において別れ方が大事なように、フリースクールもまた卒業の仕方が大事だとわたしは思う。

「不登校→フリースクール→進学」という流れだけでなく、「不登校→フリースクール→学習塾→進学」があってもいいし、「不登校→フリースクール→プログラミング教室→進学」があってもいい。

 

 

「不登校→フリースクール→地域の将棋サークルに入る→進学」という形もあっていい。

なんだったら、「不登校→プログラミング教室→学習塾→進学」みたいに、フリースクールをはさまなくてもいい。

ただ、フリースクールを経由しない支援にまで話を広げるとこの記事だけではスペースが足りないので、フリースクールからの卒業について話を戻してまとめとしたい。

 

「フリースクール→進学」、この「→」には子どもの様々なニーズが詰まっている。

そして、このニーズは私のようなフリースクールを運営する人や、専門性を持った人だけでなく、民間企業や地域の人たちでも応えることができると私は思う。

 

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得津 秀頼

得津 秀頼

D.Live副理事/元小学校教員 自分に自信が持てない、自分を好きになれない、そんな人が自分を好きになり前向きにチャレンジできる社会を創るためにD.Liveを立ち上げた。 自尊感情に関心が高く、D.Live内では主に自尊感情に関する事業を担当。