不登校の子が1年後、海外留学する未来もあると思う。

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「うちの子、韓国へ短期留学に行ってきます」

連絡を受けたとき、ここまで来たのかと思い、嬉しくなった。

講座を受ける前、「うちの子、やる気がなくて、ずっと動画を見てダラダラしています……」と悩んでいたお母さん。

「学校行かなくてもいいから、とにかく勉強だけはして欲しいのです」と言っていたのに、1年も経たないうちに、子どもは将来やりたいことを見つけた。

なにも言わずとも、勉強もみずからするようになった。

「言われことを忠実にやっていったら、子どもがどんどん成長しました」と。
不登校の連続講座を始めて2年。

4回の開催で、延べ83名の参加者がいた。

「東京でも開催して欲しい」ということで、連続講座のミニ版もおこなった。

 

今でこそ京都新聞で連載を持ったり、メディアに取材されることも多くなったけれど、初めからこんなに人気が出来ると思っていなかったし、自信を持って始めたわけでもなかった。

京都新聞の連載 よし笛

 

フリースクールをはじめたキッカケ

 

時間は、2017年にまでさかのぼる。

当時、「自信を取り戻す教室」を中高生向けにおこなっていた。

すると、不登校の子が来るようになり、みんなが成長していった。その評判を聞きつけた人が、「不登校の子を見てくれると聞きました」と言って、相談に来た。

僕たちは、不登校の子向けに教室をやっていたわけではなく、たまたま、不登校の子が生徒として来た。

そして、その子たちがどんどん成長していった。

そんなとき、保護者の人から相談を受けた。

「子どもが昼、行く場所がなくて困っています。つくってくれませんか?」と。

正直言って、自信がなかった。

僕たちは、たまたまうまくいっているだけで、不登校の子への関わり方などのノウハウはない。

知識もあまりなく、専門家でもない。

不登校支援をやろうと思ったわけでもないし、出来ると思ったこともない。

だから、断った。

「ごめんなさい。自信がないです」と言って。

しかし、同じ時期、他にも3人の保護者さんから「ぜひ、つくってください」と懇願された。

「必要なのです」と切実に言われ、「これは、やるしかないのか……」と思い、フリースクールを始めた。

当時、僕たちが始めた教室が”フリースクール”ということすら知らないくらい、不登校に関しては無知だった。

そこから手探りでの教室運営が始まった。

居場所といっても、なにをすればいいのか?
どんなカリキュラムをつくればいいのか?

分からないので、来てくれた生徒に相談しながら、作っていった。

すると、あれよあれよと言う間に生徒が増えていった。

ほとんど宣伝もしていないのに、生徒は10人を超え、週1回が週2回になり、週3回するようになった。

3年目を迎えた今年、ついに教室はパンパンになり、生徒募集を止めるくらいに。
教室をやっていくと、これまでと同じように子どもたちがどんどん成長していった。

なにも言っていないのに学校へ行くようになる子も出てきた。

勉強も進んでするようになり、志望校へ進学出来る子がどんどん出てきた。
僕たちは、ずっと自尊感情(自己肯定感とも言う)を育む関わり方を研究してきており、それを冊子にまとめるなどしてきた。

 

そこで学び、身につけた方法が、不登校の子たちに、バッチリはまった。

僕たちがやっている方法をすると、子どもたちは自信も持てるし、前をむける。そして、それはたとえ不登校の子であっても通用するぞ! と、自分たちの自信を深めた。

 

不登校の情報がない

不登校について学ぼうと思い、Webや本を探したとき、驚愕することがあった。

全然情報がないのだ。

「このように関わったらいいですよ」という分かりやすいものがなく、ただ「見守りましょう」「好きにさせてあげましょう」という抽象的なことを言っているものばかりだった。

なんだこれ……。

不登校はどんどん増えてきていて、困っている保護者さんはたくさんいる。

なのに、まったくといっていいほど情報がない。

実際、学校の先生ですら不登校をよく分かっておらず、みんなが困っている状況。

イベントや教室の保護者に聞いてみると、「そうなんです。だから、検索とかでずーーーっと見て、情報を探していました」と言うではないか。

まぢか……と思った。

料理人がいないから、仕方なしに美味しくない料理を食べているような感じだ。

そこで、もっと情報を伝えていこうと思って始めたのが、この連続講座だった。

僕たちがやっていること、考えていること、大事にしていることをすべてあますことなく伝えようと思い、この講座をつくった。

正直言って、参加するハードルは高い。

6回もあるし、1回の講義時間は3時間だ。

ワークなどがあってずっと聞いておくだけではないといってもなかなか大変。

講座のために時間をつくるのも大変。

企画を作ったとき、「これは誰が参加するのだろう?」と思った。

もっと、簡単な企画でも良かっただろう。

連続にしないで1回限りにする。時間を短くする。

もうちょっと参加しやすくすることも出来た。

でも、敢えてこのような少しハードルの高い講座にした。

なぜか?

この講座ですべてを伝えようと思ったからだ。

6回 × 3時間の計18時間

これだけの時間があれば、保護者の人たちが自分自身で取り組んでいけると思った。

逆に言うと、これくらいの時間がないと、すべてを伝えきれなかったのだ。

表面的なことだけを伝えても、結局うまくいかない。

もしかしたら、もっと短い、参加しやすい講座をしたほうが参加者は集まるかもしれない。参加費も多くいただくことが出来るかもしれない。

でも、僕は参加する人たちの変化に重きを置きたかった。

敢えて、この18時間のタフな講座をおこなうことを決めた。

 

決意の募集開始


募集を始めたとき、「ほんとうに参加者は集まるのだろうか?」と不安だった。

ハードルを高くしなければ良かったんじゃないかと、ネガティブが考えが頭をよぎる。

それでも、蓋を開けてみれば、参加者は33名にものぼった。

不安な気持ちは、杞憂に終わった。

全6回を終わったとき、僕は確かな手応えを感じた。

講座の感想を書くアンケート用紙には、文字がぎっしり書き詰められていた。

「楽しかったです」「終わるのがさびしいです」

前向きなコメントがたくさん書かれていた。

中でも、自分自身の成長、子どもとの関わりの変化を見ることができた。

講座を受ける前には、「子どもとの関わり方が分からない」「見守るってどうすればいいんでしょう?」と言っていたかたたちが、「子どもとの会話が増えました」「親子で笑顔が増えました」という。

自分自身がダメだから、子どももこんなふうになってしまったと自分を責めていたかたが、自分が出来ることを見つけ、意欲的に子どもに関わるようになった。

「思春期の息子となにを話していいか分からない……」と悩んでいたかたは、子どもと一緒に滋賀から東京まで、2人で一緒に旅行をするくらいになった。

わすが3ヶ月。

けれど、参加したかたには、たくさんの変化が起きている。

もっと自分を大切にしようと思い、新しい習い事を始めたかた。

不登校はダメなことだと思い、我が子を責めていた人が、我が子の良さに気づき、親子での笑顔が増えたかた。

自分が変わろうと決意して、前向きにチャレンジするようになったお父さん。

などなど。

そして、子どもにもたくさんの変化が起きた。

まず、親子の会話が増えた家庭が多い。

思春期だから会話は減るものだと思うかたも多いけれど、そうではない。

不登校の子にとって、ちゃんとした話し相手は家族しかいない。

話したいとこ、聞いて欲しいことはたくさんある。

でも、なにかを言うと、否定されるのではないだろうか、ちゃんと聞いてくれないんじゃないだろうかと恐れて、なかなか自分のことを話せない。

親としても、なにか言ったら傷つけてしまうのではと思い、声をかけずらくなっていく。

結果、親子の会話が減る。

けれど、講座で子どもへの関わり方を学び、会話の仕方をすることにより、親子での会話は増える。

笑顔で話せるようになり、親子での笑顔が増える。

子どもが明るくなっていくと、親子ともに前向きになっていく。

子どもは、勉強を始めたり、学校へ思い切って行くようになる。

親としては、自分を責めることがなくなり、落ち込むことが減る。そして、自分の人生を生きようと思い、やりたかったことにチャレンジできる。

 

「ラクになりました」という声

もちろん、子どもの状況によっては、そんな簡単にいかないこともある。スグに変化しないこともある。

でも、気持ちの持ちようは変わる。

講座へ参加して、皆さん口を揃えて言うのが、「ラクになりました」だ。

今まで、親としてどうすればいいのか迷い、悩んでいた。

自分のせいで不登校になったのではなく、自分を責めている人も少なくないだろう。

しかし、講座に参加することで、なぜ不登校になるのか。不登校の特徴とはなにかを知ることで、「あっ、自分に責任はないのか」と分かるようになる。

そして、「ただ、見守る」というあいまいな表現でなにをしていいか分からなかったことが、具体的になにをすればいいのかが分かることで、迷いは立ち消える。

たとえうまくいかないことでも、なにをすればいいのか。どうしてうまくいかないのか。原因や課題が明確になっていると、前を向ける。

どんどん出来ることが増えていくと楽しくなってきて、気分も高まる。

そうやって好循環を生んでいるのが、この講座だ。
やっぱり、これだけ詰め込んだ講座をやって良かったと思う。

これが計3回だったら、きっとこのような結果にはなっていないだろう。

6回で、18時間もあるからこそ、ここまでの大きな変化があったのだと思う。
このボリュームを見て、戸惑うかたもいるだろう。

「ちょっとしんどそう……」と。

でも、安心して欲しい。

3時間ずっと講義を聞きっぱなしではない。

途中にワークもある。

みんなでおしゃべりする時間がある。

講義も堅苦しいものではなく、楽しく進んでいく。

僕は、元芸人だ。

まるで大学教授のような難しい話はしない。

授業は、楽しく、笑いが絶えない。

「あっという間だった」と多くの参加者が言う。

「不登校講座だと思えないほど、いつも笑いが絶えない楽しい講座でした」というほどに。

すべてに参加できなくても問題ない。

講義はすべて録画しているので、休んだ回は動画で見ることができる。

もちろん、参加したかたも、復習でビデオを見ることができる。

動画は何度でも見返すことができる。そして、期限もない。

講座に参加してたかたが、1年後に「また見返していると新たな気づきがあっておもしろいです」という声もいただく。

 

不登校について話せるママ友ができる

 

そして、この講座の大きな特徴は、仲間ができること。

みんな不登校のことで悩んでいる人たちだ。

ママ友やPTA、地域の人たちには言えないこと、ホンネで語れないこともあるだろう。

でも、ここではみんな仲間だ。

不安な気持ち、心配な思いを共有することができる。

学年も地域も違うことで、お互いに参考にできることもある。

有意義な情報交換ができる。

ここまで4期までやってきたけれど、毎回、参加者のかたがたがすごく仲良くなる。

「仲間が出来ただけでも、この講座に来てよかった」とみんながいうほど。

子育ては不安になるし、自信が持てなくなることも多い。

不登校は、時間がかかるし、どうしたらいいのか分からなくなって鬱々とすることもある。

そんなとき、ここにいる仲間がチカラになってくれる。

「あぁ、分かる」
「私もそうだよ」

そうやって声をかけてくれるだけで気持ちは晴れる。
また、笑顔で子どもと向き合うことができる。

もし今、お子さんが不登校でどうしたらいいか分からない。
子どもにどのように接していいか分からない。
自信が持てず、落ち込んでいる。

など、不登校で悩んでいるかたには、きっと良いキッカケになるだろう。

今、学校にも行かず、まったく勉強もしていない。
そんな子が、1年後、もしかしたら海外に留学しているかもしれない。
自主的に勉強しているかもしれない。

明るい未来に、この講座はきっと良いキッカケになると、僕は信じている。

不登校連続講座 in 大阪

 

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田中 洋輔

田中 洋輔

1984年 大阪生まれ 立命館大学文学部卒 中学時代は、部活に打ち込み、勉強では学年で常にトップ10以内。 しかし、中学3年生のときから学校がしんどくなり、誰とも話さなくなる。 野球選手を目指し、大阪の野球強豪校へ行ったものの、自信を失い退部。そこから学校へ行かず、河川敷で過ごす毎日をおくる。 浪人して立命館大学へ入学したものの、なにをしたいかが分からなくなり、行く意味を失う。1回生の夏から1年ほど、京都の下宿で引きこもる。 友人の支えもあり、復活。政治家の秘書やテレビ制作などのインターンをおこない、期間限定のカフェも開く。「自分のようにつらい思いをさせたくない」と思い、D.Liveを立ち上げる。 フリースクールや自信を取り戻す教室を運営。不登校に関する講演や講座もおこなっている。 京都新聞にして子育てコラムを連載中。 詳しいプロフィールはコチラから