自分が「敏感すぎる特質」で良かった―「HSPと天職」に関するインタビューを受けてきました

自分のやってる仕事が天職かそれに近い!ってHSPさん、いらっしゃいませんか?

ある日Twitterでこんなツイートを見かけて、思わず手を挙げました。

もう、このブログを通して何度もカミングアウトしていますが、僕は極度の過度に敏感な特性「HSP」です。たとえ自分に向けられていなくても、誰かが怒っていたり怒鳴り声を聞く場面が耐えられない、その性格が中学校からの不登校につながったことは先週も書きました

いまでも誰かが怒っている状況や怒鳴り声は本当に苦手です。意識してその場を1回離脱することもよくあります。しかしながら、いま就いているこのD.Liveのスタッフ、そして通信制高校の教員という肩書きでは、ハッキリ言ってものすごく楽しく仕事させてもらっています。

様々な仕事を経験しているわけではないので「天職」かどうかまでは判断できませんが、「楽しく仕事をしている」という意味ならば自分にも答えられるのではないか、と思い、5月半ばにインタビューを受けてきました。

正直、ここまで「HSP」という特質が日の目を見るとは、思ってもいませんでした。

最近はたびたびYahoo!ニュースにも掲載されていますし、これまでもこのブログで何度かHSPという特質があること、僕自身がその当事者であること、そしてその敏感さを時に活かしながら働いていること、を何度か書いてきました。そのたびにたくさんの反響をいただきました。

実はこのことに誰よりも救われたのは、ほかならぬ僕自身なのです。

子どものころの僕は、怒ったら怖い先生の授業をサボるために保健室で仮病を使っていました。「ハイ、熱ないんだから授業行きなさい」と半ば追い出されるような形で促され、結局授業へ行ったら案の定「お前何やってんだ」とふざけた生徒を叱る先生の怒鳴り声を聞くハメになる。

自分がハッキリと気づいていなかったということもありますが、仮に気づいていたとしても、きっと誰にも「怒鳴り声が耐えられない」とは人に言えなかったと思います。多分、誰も何も動いてくれなかったんじゃないか、とあのころの学校の様子を思い返して感じるからです。

インタビューでも話しましたが、僕が子どものころはHSPの「エ」の字も聞いたことがありませんでした。それが5年前にふと知り、本を買って「これ自分のことじゃないか」とHSPを自覚してから、たとえば「風船が苦手」「クラクションにびっくりする」ということを徐々に声に出し始めました。

すると、思った以上に周囲に「自分もダメです」という声が多いことに気付きました。そして、「怒鳴り声が耐えられない」という自分の実体験を書くと、一気に「うちの子も同じで・・・」「その気持ち、すごくわかります」という賛同の声が増えたのです。

びっくりしました。これ、自分だけじゃなかったんだ、って。

おまけに、食事中、「今日の弁当の味が変だ」と蓋を閉じて食事を強制終了したり、弊団体のフリースクール「昼TRY部」に見学に来られた大人の方に騒がしくてごめんなさい、と謝る生徒など、HSPを知ってから子どもたちの敏感な一面に気づくことも格段に増えました。

いまでは、自分がHSP、つまり敏感すぎる特質で良かったと思うほどです。

だからこそ、自分がもっともっと「敏感さ」ということを前面に打ち出していけば、いまあらゆる物事や状況に敏感「すぎる」ことで悩む人たちになにかヒントを与えられるのではないか、と思って、今回のインタビューに臨みました。

結果、公開されるとなんと6000文字にも及ぶかなり長い記事となっていました。

先述しましたが、今回のインタビューのテーマは「HSPと天職」。いままで大してアルバイトの経験もないのでこれが天職かどうかはわからないのですが、いま就いているこのD.Liveのスタッフ、そして通信制高校の教員という肩書きでは、ハッキリ言ってものすごく楽しく仕事させてもらっています。

たとえば高校の出勤日の前日ともなれば、「明日あの子がいたらこの話をしよう」ということをかなり綿密に想像しながら床に就きます。生徒と他愛もない話をするのはいまや仕事どころか習慣と化しているので、逆に生徒に会えないと寂しい思いすらするほどです。

今回のインタビューでは「仕事観」というものをかなり詳細にお話しました。もちろんいままでの人生でこんなにも自分の仕事観についてお話し、それをまとめてもらったことはありません。そういう意味ではかなり貴重な記事になっています。

それもこれも、自分の実体験やこうした仕事観を話すことで、誰かひとりでもHSP、敏感すぎる特質で悩む人の助けになれば良いな、と思ったからです。実際、僕の仕事観、そして「週5~6日、同じ場所で働くのがしんどい」という特性はTwitterでものすごく共感してもらえました。

ちなみに、記事をまとめてもらった「なおさん」によると、「HSPと天職」というテーマでほかにインタビューに応じたHSPの人たちは、いまのところ全員「非正規雇用」、かつ仕事を掛け持ちしている人たちばかりだったそうです(参考)。

僕はこの話を聞けただけでも、今回のインタビューを受けてよかったと思いました。

ここまで僕自身がHSPのこと、そしてさっきも書いたように仕事観についてお話したのは生まれて初めてです。正直いまの仕事はすごく楽しいのですが、安定を考えるといつかどこかで必ずこの働き方を捨てなければならない日が来ることを覚悟しています。

しかしこのインタビューが発信されたことでほかのHSPの方と出会ったりして、それまで周囲にいなかった同年代のHSPの人の生き方を参考にする、という選択肢が増えました。そして僕自身のこのインタビューを通して、誰かがどこかで自分の生き方を参考にしてくだされば、こんなに嬉しいことはありません。

そして、今後も自分の生き方、HSPのことを、こうしてたくさんの人に広めていきたいと思っています。

自分だけのポジションで生きる、子ども目線の愛され先生Shunさん|HSPの移住女子ライフ

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この記事を書いた人

子どものころより人一倍敏感な特性を持ち、中学3年間を不登校で過ごす。大学卒業後、不登校ボランティアを経て2014年よりD.Liveに参画し、現在は通信制高校教員を両立しながらTRY部や不登校講演事業を中心に担当。HSP(Highly Sensitive Person)特有の繊細さを活かし、今を生きる子どもたちの先生でも友達でもない「ナナメの関係」になることを目指しています。

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