不登校の子が成長して、再び会いに来てくれる秘密

先日のこと。教室を卒業した生徒から久しぶりに連絡があった。

「来週、教室へ行っていいですか?」

もちろんと返事をして、どうしたんだろうと思った。

だいたい久しぶりに連絡をしてくる子は、なにかで悩んでいて、相談に来ることが多い。

彼は、中学のときに不登校だった。寡黙でおとなしい男の子。
自己紹介も照れて、「パス……」と言って、あまり自分から話すことはなかった。
やりたいことを聞くと、「なにもない」と言っていた。けれど、次第に「こんなことがしたい」と言うようになり、少しずつ成長をする姿を見せてくれた。

高校へ入り、勉強は楽しくないものの、クラスの友達とは楽しくやっており、毎週のようにカラオケへ行っていた。

そんな彼も、気がつけばもう高校三年生。

中学生のときに見えた幼さはなくなり、キリッとした男前になっている。

やぁ、と挨拶をして、近況について話をする。

と、言っても半年に一度くらいは会っているので、それほど久しぶりというわけでもない。

それでも、また身長が伸びたようで、どんどん大人になっている。

「さて、今日はどうした?」と、本題に入る。

「実は……」と言って、話し始めた。

「今度、体育祭と文化祭をおこなう上での全学年の代表になったんです」

お? と思った。

ん?

もう少し詳しく聞いてみる。

「いやぁ、立候補して、○○(彼も元生徒!)と争って、投票で2票差で僕が勝って代表になったんです」

「立候補して?」

「はいっ!!」
びっくりした。
人は、こんなに成長するのかと思った。

中学生のとき、自己紹介で自分の名前すら恥ずかしがって話さなかった彼が、今は200名もの生徒がいる代表を務めるというではないか。

しかも、みずからの立候補で!!

わぁお。

「200名が仲良くなってもらえたらと思って、どんなことをしようかと相談に来ました」とのこと。

 

かつて不登校だったけれど、こうやって成長する姿を見せてくれる子がたくさんいる。

ある子は、中学のときに先生と揉めて、なかなか学校へ行けなかった。

でも、今は高校3年生になり、僕たちのように「先生とは違った教育に関わる仕事がしたい」と言って、受験勉強をガンバっている。

「俺、あほやねん」と中学のときに散々言っていて、あまり勉強しなかった彼が、「頑張りたい」と言っている。

いやぁ、ほんとに子どもたちは、しばらくみないうちに成長する。

中学生のとき不登校だった子は、今年から大学生になり、山梨県で一人暮らしを始めた。高校でもたまに休むこともあったけれど、現役で大学合格をはたした。今は自分の夢に向かって、大学生活を楽しく過ごしている。

小学5年生のときにうちに来た女の子は、今では中学生。

漢字ドリルを開いただけで「やだー」と言って逃げる少女だった。

でも、今では毎日のように学校へ行き、フリースクールへ来ても、自分からテスト勉強を始めるようになった。

僕たちには、子どもたちがどんどん成長しているストーリーがたくさんある。

不登校で、「この先、どうなるんでしょうか……」と言っていた保護者さんが、「いやぁ、うちの子、見間違えましたよねー」と言うまでになっている。

そんなことをいろいろ話していると、「どうすれば、そんなに子どもが変わるんですか?」「どうすればいいんですか?」「どんなことをやっているんですか?」と聞かれるようになった。

講演でも話していたのだけど、「もっと聞きたい」という声をいただき、不登校連続講座というものを始めた。

僕たちは、別に特別なことをしているわけじゃない。

ただ、愚直に子どもたちに向き合い、接してきただけだ。

そこまで難しいことをしているという感覚はない。

慣れない人は、出来るようになるまで少し時間はかかるかもしれないけれど、決して難しいわけじゃない。

1つ1つできるようになっていけば、確実に子どもは変わっていく。

そう思ったので、2週間に1回のペースの講座を始めたのだ。

子どもによって成長のスピードは違うので、一概には言えないけれど、講座に参加したご家庭では、たくさんの変化が起きている。

思春期の男子と東京まで遊びに行ったお母さん。
「通訳になりたい」と言い出した子。
「子どもとの会話が増えました」という保護者さん。

子どもがグイグイ変化をしている。

では、どうしてそんなことが出来るのか?

答えは、僕たちがずっと”自信を取り戻す教室”を運営しているから、だ。

自信を持てない。
今の自分が好きになれない。

そんな子どもたちを対象に、2014年より教室を運営してきた。

NHKでも取材された教室では、どうすれば子どもたちの自信が高まっていくのだろうかを考え、日々、授業づくりをしてきた。

子どもたちと向き合い、「なにができる?」と自問自答をしていった。

つまり、僕たち自身が、子どもになにをすれば変化が起きるのか、どんな要素があれば心に響くのかを実体験として学んでいったのだ。

そこで培ったノウハウを講座ではお伝えしている。

だから、実践的なのだ。

自信を取り戻す教室であるTRY部をしていると、次第に不登校の生徒が増えてきた。

「ここへ来ると不登校の子が元気になるって聞いたのです」という口コミだった。

そして、「昼の居場所も作ってください」と言われて、フリースクールも始めた。

はじめは出来るか不安だった。しかし、これまでのノウハウを活用すると、案外簡単に出来た。

フリースクールは生徒が集まりにくいなんて言われている中、1年で20名近くの生徒が集まるようになった。

「え? 学校で一言も話さない彼がこんなふうに笑っているんですか?」と先生が話すくらい、子どもたちは楽しんでくれている。

これもすべては、僕たちが培ってきた経験とノウハウのおかげだった。

その経験やノウハウをすべて入れたのが6月からおこなう不登校連続講座だ。

これまで3回おこない72名ものかたにご参加いただいた。

「もう一度受けたいです」とリピーターの人がいるほどだ。

「関東でもぜひやってください」ということで、普段は関西でしかおこなっていない講座を東京でもおこなった。

千葉や茨城、栃木などいろんな都道府県からの参加があった。

3時間の講座を計6回と、なかなかしんどい講座ではある。

けれど、楽しいワークなどもあるので、時間は一瞬で過ぎる。

「いつもあっという間なのです〜」という声が多数ある。

「田中さんの話は、おもしろいので、寝る暇もありません」

なんて声もある。

まぁ、僕は元々お笑い芸人もやっていたので、そりゃそうだろうとも思う。

おもしろくない話は、一切ない。

抽象的な話もゼロだ。

実際に子どもたちの例を紹介しながら、とにかく実践で使える内容になっている。

動画受講もできるので、行けない日があっても大丈夫。

家族で動画を共有することもできるので、旦那さんに見せて、一緒に学ぶこともできる。

僕たちが苦しみ、もがきながら得たものを簡単に教えてしまうのは惜しい気もするけれど、それでたくさんの親子が笑顔になるならば、悔いはない。

たくさんの子育て講座や不登校の講演会があるけれど、決定的に違う点がある。

僕たちは、毎日のように子どもたちと会っている。教室を持っている。

カウンセラーは、だいたい子どもとは月に1回くらいしか会わないだろう。
(それが悪いわけではなく、カウンセリングとはそういうもの)

しかし、僕たちは毎週のように生徒と会う。

長い子は、5年以上の付き合いになってる子もいる。

そうやって目の前の子どもに寄り添い、実際にどうするかを考え、取り組んでいる。

教育系の本を読むと、抽象的な話が多いことがある。それは、そこまで子どもと近くで関わっていないから。

別にカウンセラーの人や子育て理論を話す人を批判したいわけじゃない。

考え方や方法を知ることはとても大事だし、僕も参考にさせていただいている部分もたくさんある。

ただ、僕たちは実践度ではどこにも負けていない。

そんな言わば秘伝のタレのような知識をすべて公開してしまうのが、この講座だ。

そりゃあ、満足度は高いだろうと思う。

だって、僕たちがいろーんな方法に取り組んでうまくいったことや考え方だけを伝えるのだから。

講座終了後のアンケートには、A4用紙2枚に皆さんぎっしり感想を書いてくださる。

ここのページに記載しているのは、ほんの一部で、文章もだいぶカットしている。

さらに、この講座は生きている。

僕たちは、毎日のように子どもと接する。

すると、日々、新しい発見があるのだ。

「あれ? これするとうまくいくんじゃないのか?」ってことに。

そんな最新情報も講座ではいち早くお伝えする。

「ちょっと高いかなぁと始めは思っていましたが、参加したら、安いって思いました。思い切って参加して良かったです」という声があるくらいお得だと思う。

換算すると、1時間 1,000円 。1が月 6,000円だ。

カウンセリングだと、1時間 10,000円くらいするだろう。

しかも、終わったあとで個別の相談も時間が許す限りできるのだ。

正直、「ちょっと安すぎるのじゃないか……」とも思ってしまう。

それくらい僕は、この講座に自信を持っている。

おもしろいし、実践的。

先日、去年講座に参加したかたからメールが届いた。

「ずっと子どもと向き合っていて、やっと今、あのとき田中さんがおっしゃっていたことが分かってきました。また、動画を見返しています」と。

スグにはすべてを実践できないかもしれない。

でも大丈夫。

いつだって、1年後だって、見たいときに動画を見返すことができる。

質問があれば、たとえ過去の参加者でも受け付けている。

講座の参加者たちは、みんな仲良くなって、講座が終わっても定期的にやりとりをしている人たちが多い。

「自分の境遇と似ている人がやっと見つかりました」「同じ気持ちを共有出来る人がいるっていいですね」と言うように、実は、この講座の1つの大きなポイントは仲間が見つかることでもある。

1回きりの講座では、ここまで仲良くなれない。

けれど、6回も講座を受けていると、だんだんお互いが分かってくる。

自分よりも少し前を走っている人には、「こんなときどうしていました?」と相談ができるし、同じような学年ならば、進学の情報などを共有できる。

ひとりじゃないって思えるのは、すごく落ち着く。

分かってくれる人がいるだけで、どれだけ救われるか。

不登校のイベントだと、しんどい気持ちを吐いて泣く人がいるのだけれど、僕たちの講座ではあまり見られない。

初回や2回目は、何人かいらっしゃるけれど、だんだん減ってくる。

なぜか?

やることが明確になり、「どうしよう?」ではなく、「どうやってやればいいかな?」に焦点があたるようになるから。

落ち込むのではなく、前を向いて、自分ができることに目を向けるから、みんなが明るくなっていく。

うまくいかないこと、子どものできていない部分もみんなが認めた上で、「じゃあ、どうしようか?」と考える。

否定されることがない。

僕が話をするときも、保護者を責めることは一切ない。

もちろん、子どもも責めない。

誰も悪い人なんていない。

ただ、うまくいっていないだけ。

「出来るところからスタートしましょう」というスタンスでみんなが取り組む。

非難されたい、出来ていないことを誰かに言われることがないので、みんなが前を向き、楽しく取り組もうと思える。

講座は、ほんと笑顔が絶えない。

こんなに明るい講座はあるのか? っていうくらいに、みんなが輝いている。

6月からの講座は、いったいどんな感じになるだろう?

いやぁ、今からとても楽しみだ。

お会いできるのを楽しみにお待ちしております。

 

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この記事を書いた人

1984年 大阪生まれ 立命館大学文学部卒

中学時代は、部活に打ち込み、勉強では学年で常にトップ10以内。
しかし、中学3年生のときから学校がしんどくなり、誰とも話さなくなる。
野球選手を目指し、大阪の野球強豪校へ行ったものの、自信を失い退部。そこから学校へ行かず、河川敷で過ごす毎日をおくる。
浪人して立命館大学へ入学したものの、なにをしたいかが分からなくなり、行く意味を失う。1回生の夏から1年ほど、京都の下宿で引きこもる。
友人の支えもあり、復活。政治家の秘書やテレビ制作などのインターンをおこない、期間限定のカフェも開く。「自分のようにつらい思いをさせたくない」と思い、D.Liveを立ち上げる。
フリースクールや自信を取り戻す教室を運営。不登校に関する講演や講座もおこなっている。
京都新聞にして子育てコラムを連載中。
詳しいプロフィールはコチラから

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