たとえ不登校でも「それでいいんだよ」と肯定する、ということ― #ウワサの保護者会 「不登校 親の悩み」を観て

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毎週土曜日、NHK・Eテレで放送されている「ウワサの保護者会」。この番組は時折不登校をテーマに扱うことがあるのですが、2月23日分放送は不登校の子どもがゲームに熱中したり、昼夜逆転してしまうことについて、東京シューレの奥地先生をゲストに迎えて放送していました。

不登校のお子さんを持つ保護者の方の悩みや相談を、ものすごく丁寧に受け止め回答する奥地先生の姿が非常に印象的だったのですが、その中で1つ、「教育」に関わるすべての人に刺さるようなことをアドバイスされていたのが、とくに心に残りました。

今のあなたでいいんだよ、ということを、どうやって感じてもらうかが大事

これは不登校になりたてで、本音では学校に行かなきゃいけないと自己否定してしまい、ときに刃物に手を出してしまうほど悩み苦しむお子さんを持つ保護者の方に対して奥地先生が送ったアドバイス。奥地先生は、本人がどうしたいか、どうしたくないかをしっかり確認した上で、

それでいいんじゃない?そうやってても大人になれるよ

という雰囲気を作ることが大切、とも説いていました。

日本の社会は「同調社会」だと思っています。とりあえず、みんなと同じようにしていればどうにかなる。もしくはみんなと同じようにすることを求められている世界です。たしかにこの世界に身を投じておけばラクなのかもしれませんが、現実としてこの世界が生きづらい人だっています。

僕もその中の一員です。もっと言えば、「みんなといっしょ」ということがひどく苦手。大学生のときの就職活動も無個性なスーツ姿の就活生を目の当たりにして嫌悪感を抱き、一切やりませんでした。いまでも誰かと服の色が被ると「あっちの服にすりゃ良かった」と思うことがしょっちゅうあります。

これが不登校の世界だと、みんなが学校に行けているのに自分はなんで行けないんだろう、という悩みに直面することになります。まあ、どうしたって学校に行く子どもたちが大多数になるので、この「なんで自分だけ」という不登校の子どもの悩みは、いつまでもなくなることはないでしょう。

ただそのときに、「学校に行けないあなたでも、いいんだよ」という雰囲気を作ることが大切だ、と奥地先生はおっしゃいます。

たとえ朝起きられなくても、数学がちんぷんかんぷんでも、友達とコミュニケーションを取れなくても、それでもあなたはあなたでいいんだよという雰囲気を作る。正直、こんなことを言ったところで親も子も不安になると思います。

朝起きられない昼夜逆転生活が続くのは良くないんじゃないか。

数学ができないと、高校受験で落とされるんじゃないか。

コミュニケーションが取れないと、将来苦労するんじゃないか。

たしかに、これが2年3年と続けば考え直さなくてはいけないタイミングが来るかもしれません。しかし、これらの問題は、今日明日改善することでもないのもまた事実です。明日いきなり数学が得意になれるとしたら、その方法は僕もものすごく知りたいです。

いま日本の15歳未満の人口は1551万人だそうです(参考:総務省統計局「統計トピックスNo.101 我が国のこどもの数 -「こどもの日」にちなんで- 」。この1551万人全員がたとえば数学が大得意だったり、朝8時半に教室に着席できていたとしたら、それはそれで立派なことですが同時に恐ろしいことだとも思います。

「みんな」にできることが、「自分」にできることだとは限りません。それは、「学校に通う」という当たり前のことでも同じなのです。そういう意味で、「学校に通えないあなたでも良いんだよ」というメッセージを送ることは、非常に重要なことだと思います。

奥地先生の「今のあなたでいいんだよ、ということを、どうやって感じてもらうかが大事」というメッセージの後、「(学校に)行かなくていいなんて言うのはお母さんだけだ」と息子に言われたという体験談もあり、子どもがそれを果たして受け容れるのか、という話題に移っていました。

たしかに、家という狭い狭い世界にいる以上、情報が入ってくる唯一の手段は家族、とりわけお母さんだけだとすれば、その情報に懐疑的になってしまうというのも無理はありません。

この話題提供をされた保護者の方は、「登校拒否・不登校を考える全国ネットワーク」の合宿に連れて行って世界がぐんと広がったという解決策を話されていました。こうした不登校の子どもたちが集まる場に参加する、ということも、「今のあなたでいいんだよ」というメッセージを伝える上で大事だと思います。

弊団体のフリースクール「昼TRY部」でも、最初は緊張していたり、自己嫌悪を抱く子どもたちが、今では元気に周囲の輪に溶け込んで、スタッフやほかの子どもたちとゲームに興じています。彼らもきっと、ここに来て「学校に行けなくても、今の自分で大丈夫」と感じたのかもしれません。

この「今の自分で大丈夫」という感覚は、「自己受容」という4文字に置き換えることができます。実は不登校でなくても、もっと言えば大人でもこの自己受容はすごく難しいです。しかし、不登校の子どもたちの大きな悩み・不安を解消する大きな手段であることも間違いありません。

奥地先生の「今のあなたでいいんだよ」というメッセージが少しでも多くの不登校の子どもたちに伝われば、世の中が少し変わるかもしれない、と思いながら、放送を視聴していました。

※なお、今回ご紹介したウワサの保護者会「不登校 親の悩み」は、下記の要領で再放送があるようです。見逃した方、興味のある方は視聴してみてはいかがでしょうか。
2月28日(木)11:05~ NHK総合【一部地域のみ】
3月2日(土)12:30~ NHKEテレ

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山本 駿

山本 駿

子どものころより過度に敏感な特性を持ち、中学3年間を不登校で過ごす。大学卒業後、不登校ボランティアを経て2014年よりD.Liveに参画し、現在は通信制高校教員を両立しながらTRY部や不登校講演事業を中心に担当。HSP(Highly Sensitive Person)特有の極度な繊細さを活かし、今を生きる子どもたちの先生でも友達でもない「ナナメの関係」になることを目指しています。