学校や外の居場所で疲れている子どもたちを、家で好きなようにのびのびさせてあげてください。

子どもたちと日々いろんなところで関わっていると、必然的に保護者の方とも関わる機会というものも増えます。そこでいつも、僕が腑に落ちないことがひとつあるのです。

どうも子どもたちの様子が、「家」と「それ以外の場所」ではまったく違うようなのです。

たとえば熱心に勉強していたり、なにか違うことに取り組んでいる様子が伺える子どもでも、家に帰ればずっと寝てばかり、またはスマホやゲームに夢中になる。ここまでは良しとして、僕が腑に落ちないのは、この家での様子がどうもご家族的には不満らしいのです。

外でしっかりできるんだから、家でもそうできるでしょ。

そんな裏の声が聞こえんばかりに、子どもたちの家での様子をお話される方もおられます。あまりに家でぐうたら生活しているもんだから、ゲーム機を取り上げたり、スマホに接続するWi-Fiを使えなくしました、という話も聞きます。

僕はその話を聞くたび、失礼かつ正直ながら「それのどこが問題なのだろう?」と毎度疑問に思うのです。

こんな話が、とある本に書いてあります。

保育園に通うAくんは、家ではまったくと言っていいほど野菜を食べません。ところが、保育園の給食で出される野菜はがんばって食べているのです。こういうとき、きっと家ではついつい「なんで家では野菜を食べられないの!」と叱ってしまう人も多いと思います。

でも、Aくんは本当はものすごく苦手なのに、保育園では見栄を張ってがんばって野菜を食べているかもしれないのです。好きな先生にカッコいいところを見せたいのかもしれない。あるいは保育園の野菜の味付けならまだなんとか食べられることも考えられます。

つまり、保育園で無理して無理してがまんして野菜を食べているのに、家でも嫌な野菜をがまんして食べさせられるのはしんどい、という意思表示が、家で野菜に手を付けないということなのかもしれない。本の表現を借りるなら、そうして「心のバランス」を保っているのだ、と論じられていました。

この視点が、僕はとても重要だと思っています。

なぜ、家でも学校やフリースクールなど、外の場所と同じように過ごさなければならないのでしょうか。

「家でだらけてばかりで勉強しない」という親の訴えは、裏返せば「本当に学校ではちゃんと勉強しているのか?」という疑いの声を含んでいるようにも思えます。でもそれって、要するに「自分の子どもを信用していない」証とも言い切れます。

学校の授業を受けた、またはフリースクールでめいいっぱい自習した。その結果、家でだらけたり、大好きなゲームに興じてリフレッシュしている。これは、仕事で疲れたお父さんが冷えたビールで一杯やるように、別に何も不思議なことではないのではないでしょうか。

もちろん、なんでも許してしまえばいいというわけではありません。しかし、本来家という場所は誰しもがほっとできる場所でないといけないはずです。家でも落ち着くことなく生活していると、いつでもどこでも気張って生きていかなければならなくなります。

家の雰囲気がしんどい、という漏らす子どもにもこれまでたくさん出会ってきました。保護者の方が学校など外での様子を知らないのと同様に、僕も子どもたちの家庭の様子を知っているわけではありません。もしかしたら、子どもたちが誇張して僕に何かを伝えているかもしれない。

ですが、「目の前の子どもがこう思っている」というのは紛れもない事実です。もっといえば、家の中でその子が息詰まりながら生活しているというのも事実でしょう。そんな話を聞くたび、なにか口うるさく勉強のことを言われているのではないか、と心配になります。

ゲームなど、家での子どもたちの楽しみを奪ってしまうと、子どもたちは疲れた身体を何でリラックスすればいいのでしょうか。外で溜め込んだストレスを何で発散させればいいのでしょうか。

子どもたちは、保護者の見えないところでがんばっているのです。勉強も、日常生活も、ストレスに耐えながらどこかで歯を食いしばっているのです。だからこそ、家でのびのびと過ごすことのできる環境が必要なのです。

家が安心できる環境ではないと、肝心要の学校での勉強にもやる気を見出だせなくなってしまうかもしれません。どれだけ勉強、勉強、勉強と言っても、何事にも限度があります。もっと言えば、どれだけ勉強できたとてそれが社会で通用するかどうかというのはまったくの別問題です。

これを読んでいる中にもきっと今ゲームやネットを禁止しているご家庭もいると思います。でも、禁止禁止ばかりでは何も生まないと思います。ときにはうまいこと遊びを教え、余裕を見つけることも大事です。

ぜひ、家を「安心できる居場所」にしてあげてください。

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    この記事を書いた人

    子どものころより人一倍敏感な特性を持ち、中学3年間を不登校で過ごす。大学卒業後、不登校ボランティアを経て2014年よりD.Liveに参画し、現在は通信制高校教員を両立しながらTRY部や不登校講演事業を中心に担当。HSP(Highly Sensitive Person)特有の繊細さを活かし、今を生きる子どもたちの先生でも友達でもない「ナナメの関係」になることを目指しています。

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