#ウワサの保護者会 スペシャル「“学校”に行かないという選択」 は不登校の偏見への挑戦だったのではないか

 

9月1日(土)に放送された Eテレ ウワサの保護者会 スペシャル「“学校”に行かないという選択」 を視聴した。

 

番組では不登校の子どもたちや不登校を経験した20代の方々が、学校へ行けなかった時期の苦しさや、不登校にどんな意味があったのかについて意見を交わしていた。

 

「学校に行けなくなってすぐはお父さんにすごく怒られて、ただただそれを見ているしかなかった。」

「ずっと罪悪感があって、どうやって死のうか考えていた。」

「学校に行けない自分はダメで、友だちに会うのが嫌で引きこもりみたいになった。」

 

不登校の子どもたちが自分の気持ちを語る場面は、おそらく不登校についてあまり知らない人たちにとってはインパクトの強い内容だったと思う。

 

番組では、不登校の親の会やホームエデュケーションの可能性を取り上げたり、教育機会確保法の成立をはじめとする学校や教育行政の変化を紹介したりもしていた。現在の不登校に関する問題や対策、学校外の学びの概要がわかるという点ではとてもわかりやすくまとまった構成になっていた。

 

 

この番組は不登校の偏見に対して真っ向から立ち向かおうとしている。

番組を見終えて私はこのように感じていた。まさしく不登校にまつわる偏見への挑戦だ

 

番組では、このような声が紹介されていた。

 

「学校にいかないと社会性や協調性が身につかないんじゃないかって・・・」

「学校に行かなかったら、ちゃんとした大人になれないと思っていました。」

 

 

私もフリースクールを運営しており、このような声を聞くことがある。

学校に行かないと社会性が身につかない。

学校に行かないとちゃんとした大人になれない。

このような不登校にまつわる偏見や思い込みは的外れだとはっきり言っておきたい。

 

 

学校に行かなくても社会性は身につく。

フリースクールや塾、オルタナティブスクール、通信制高校、家庭。

なんでもいい。

とにかく自分が安心できる場所があれば社会性は身につく。

むしろ、行きたくない場所や行くのが辛くなる場所に無理やり行けば、自分の心がしぼんでいくだけだ。誰かと関わろうという気持ちも持てなくなる。こうなると学校に行くことが社会性の発達を阻むことになるだろう。

 

 

 

ちゃんとした大人にもなれる。

何をもって「ちゃんとした」とするかも疑問だが、番組では不登校の時期を乗り越えて現在はまちづくりの研究をされている人や、バイトで店長を任されている人も紹介されていた。

 

番組でのコメントを聞いていても、すごくはっきり発言されているし、少なくとも自分から見たら「ちゃんとして」いる。自分が、不登校の経験をされた社会人の方々にインタビューしたときも、どの人も不登校の経験を自分の糧にして、自分がやりたいことに向かって努力されていた。

 

 

 

番組で多く語られることはなかったが、勉強もする。

学校でされているような一斉授業の形ではないかもしれないけど、自分の興味や将来の目標などをキッカケにして自分から勉強するようになる。動画を見たり、塾に行ったり、家庭教師に来てもらったり、形はそれぞれだけど必ず勉強もするようになる。

 

 

でも、そんな風に勉強に目を向けたり、新しい人間関係をつくるために外に出たりするにはエネルギーを溜めることが不可欠だ。

 

「このままじゃ社会性も協調性も身につかないぞ。」

「しんどくても学校に行かないと、高校や大学には行けないぞ。」

「学校に行かずにどうするつもりなんだ!」

「ちゃんとした大人になれないぞ。」

 

こんな脅しに近い言葉をかけてはエネルギーはたまらない。

親や先生からこんなことを言われなくても、子どもたちの頭の中にはこういったことが浮かんでいる。特に、学校に行けなくなりだした頃なんかは不安や罪悪感でいっぱいだ。家にいて何もしていなくても、頭の中はすごく忙しく動いている。自我消耗がおこっている状態だ。

 

だからエネルギーを溜めるためにまずは休むこと。休んでいいと伝えることが大切だ。学校の先生からの電話や家庭訪問がつらかったら、断っていい。断っていいんです。学校への連絡も休むときじゃなくて、登校するときだけに切り替えていいんです。

 

 

日本の公教育のシステムは世界に比べるとかなり整っている。けれど、反対に公教育の流れから一旦はずれてしまうとフォローがセーフティネットがなく、学校以外の学びに対する理解もすすんでいないので、代わりの場所を探すことへの切り替えもなかなか選びにくいのが現状だ。

 

 

そのため、学校に行けなくなったときに親子それぞれに不安になる気持ちもよくわかる。となりの家にラインで明日学校で必要な持ち物を聞くことはできても、学校に行かなくなったときにどうすればいいかなんて聞けない。多分となりのお母さんは経験していないことだから聞いても仕方ないし、こんなこと聞いたら恥ずかしいとも思うから。

 

 

しかし、それは番組での発言を借りるなら小さい世界しか見ていないことだ。番組の最後に、不登校を経験したかたがこのように言っていた。

 

「学校だけが社会だと考えているから、協調性がどうとか社会性がどうとか言われる。けど、学校なんて社会全体から見ればちっぽけなもの。」

 

本当にその通りだ。

いま学校に行くのが辛い人は無理して行かなくていい。自分を大切にしてほしい。

学校以外の場所を探していたり、相談できるところを探している人はぜひ近くのフリースクールや親の会に連絡してみてほしい。滋賀県や京都府くらいだったら私も力になれる。

 

学校以外の学びの場はまだまだ多くないけど、全くないわけじゃない。

学校や子どもを取り巻く社会は思ってるよりも広い。

 

 

 

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    この記事を書いた人

    D.Live副理事/元小学校教員
    自分に自信が持てない、自分を好きになれない、そんな人が自分を好きになり前向きにチャレンジできる社会を創るためにD.Liveを立ち上げた。
    自尊感情に関心が高く、D.Live内では主に自尊感情に関する事業を担当。

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