大津市でフリースクールを始めて1年たったけど分かったのは子どもにしてあげられることは全然ない

 

 

私たちD.Liveがフリースクールをはじめて1年ちょっとが経ちました。

 

「お昼に子どもが通える居場所が欲しい。」

保護者さんたちの声に押される形でスタートしたフリースクール昼TRY部。

 

どんな居場所が良いのかよく分からないまま手探りで始めたのですが、

2018年8月の時点で約20名の生徒が通ってくれています。(卒業生含む)

 

 

 

 

一年やってみると生徒たちにもそれなりに変化が生まれてきました。

勉強への興味が出てきたり、学校に通えるようになったり、新しい友だちができて生活にハリが出てきたり。

先日は卒業生の保護者さんから、子どもが学校の課題を自主的におこなっており成長を実感していますという旨の連絡をいただきました。

 

「ここに通わせてよかったです」と保護者さんからの声もいただくのですが、そんな言葉をもらえるほどのことはしていないというのが正直なところだったりします。

 

 

 

 

子どもたちと何をして過ごしてるか考えたときに真っ先に浮かぶのがボードゲーム。

これはもうほぼ毎回しています。最初は2、3個しかなかったボードゲームも一年で20個くらいに増えました。

 

 

 

 

 

次にしていることはおしゃべり。

中身も大したこと話していません。

昨日こんなことがあったとか、最近ハマってるゲームアプリやアニメのこと。そんなことが中心です。でも楽しいし笑える話が多いので個人的には一番好きな時間です。

 

 

 

 

 

3番目にうかぶのが勉強です。

一人でもくもくと自習をするときもあれば、1つの問題をみんなで考えるときもあります。

 

 

 

 

あとは、たまに進路の話をしたり、お出かけしたりするくらいです。

 

 

先日、草津市の適応指導教室を見学させていただきました。

教室はたくさんのことができるように設備が整っていました。畑作業もできるし、料理をするためのキッチンもありました。本棚には適応指導教室に通う生徒たちが図書館から借りてきた本が並んでいたし、勉強するための教材もありました。

 

 

 

適応指導教室すごいなぁとすごく感心しました。それに比べて、私たちのフリースクールは遊んで、しゃべって、たまに勉強するくらいのことしかしていません。適応指導教室との設備や立地の違いがあるとはいえ、やれることにこんなに差があるのかと少しショックも受けました。

 

 

 

保護者さんや学校の先生から、「不登校の子どもに私は何をしてあげられるんでしょうか」と相談を受けることがあります。その度にフリースクールで出来ることを伝えたり、お家の人にお願いすることを伝えたりします。

 

いま、「不登校の子どもに何をしてあげられるか?」という問いを自分に向けたとき、そんなに無いことに気づきます。そして、ご相談に来られた方と同じく「もっと何かできるんじゃないか」という焦りとも不安ともつかない気持ちにもなります。

 

しかし落ち着いて考えてみると、子どもにしてあげられることなんて、そんなに多くなくて良いんだと思っています。

 

 

 

 

もう3年以上前になりますが、私たちD.Liveは一度だけ「コドモハグクム」という子育てイベントをしたことがありました。子どもではない何かを育てている人たちのポリシーや行動の中には子育てに活かせることがあるというコンセプトでスタートしたイベントです。

 

 

当時の私たちの力では継続したゲストの調整や、イベントの質を保つことがむずかしかったため一度きりで終わってしまったイベントです。その唯一のゲストに、京都で森の案内人をされている三浦豊さんをお招きしました。

 

 

 

 

森の案内人とは、森専門のツアーガイドのようなお仕事です。三浦さんが選んだ森や山に一緒に入って、そこに群生している植物や木々の育ちについて三浦さんのお話を聞くことで、ただの景色だった森や木々に親しみを感じられるようになります。

 

三浦さんは森の案内人だけでなく庭づくりの勉強もされています。イベントでは子育てに関する話として、手塩にかけて育てられた木と野生の木の見極め方をお話くださいました。

 

三浦さんいわく、手塩にかけて育てられた木はたしかに見た目も育ち方もきれいではあるけど、どこか油断しているそうです。一方、野生の木は途中で曲がってたり、傷ついたりして見た目はキレイじゃないけど生命力にあふれているとおっしゃっていました。

 

 

 

不登校の子どもにしてあげられることなんて少ししかなくて良いと思うのは、三浦さんの言葉を借りるなら子どもは自分で育って生命力を獲得していけるからです。植物が多少日照りが続いても花を咲かせて実をつけます。逆に水をやりすぎると根腐れしてしまいます。

 

それと同じように、どの子も自分で育っていける力があるから大人が先回りしてあれこれしすぎない方がいいと私は思っています。

 

 

 

保護者さんや先生の多くは自分が子どものころに不登校になったことは無いでしょう。だからこそ、不登校が分からなくて不安になることもたくさんあるんだと思います。

 

「あれが間違ってたんじゃないか。」

「こうしてあげればよかった。」

「これからは考えを変えようと思っても全然うまくいかない。」

「このままだったらどうしよう。何かしなくちゃ。」

 

 

焦ったり悩んだりするお気持ちはよく分かります。

ですが、親・先生・フリースクール。それぞれ一人が出来ることなんて少しです。

一人で全部をやろうとするんじゃなくて、それぞれに出来ることを持ち寄ればいいはずです。

 

お家の人はご飯を作ったり洗濯をしたり、子どもの身の回りのこと。一番根っこのことができます。

学校の先生は勉強を教えたり、進路を考えたりすることができます。

フリースクールにいる私たちはとりあえず子ども一緒に遊んでしゃべって笑い合うことができます。

 

 

 

もし子育てで悩んでいらしたら、一人で悩まず私たちを活用してください。

少しではありますがお力になれることがあります。

いつでもご連絡お待ちしております。

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この記事を書いた人

D.Live副理事/元小学校教員
自分に自信が持てない、自分を好きになれない、そんな人が自分を好きになり前向きにチャレンジできる社会を創るためにD.Liveを立ち上げた。
自尊感情に関心が高く、D.Live内では主に自尊感情に関する事業を担当。

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