「学校に無理やり戻す」不登校支援が、時代遅れになる日―文部科学省が不登校対応を大きく見直します

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僕が不登校だった中学校のときの話。

当時、僕は週に1度だけ保健室登校をしていました。その日も保健室で何をするわけでもなくボーッとしていたところに、突然ガラッと戸が開きました。生徒指導の先生が見回りに来たのです。

そのときひとり体調不良で休んでいる生徒がいました。その様子を確認したあと、生徒指導の先生は

で、お前はここで何をしているんだ?

と、突然冷たい目線を僕に向けてきました。

「あ、いや、先生、この子は不登校のヤマモトくんで・・・」

と、その場に居合わせた保健室の先生がかばってくれましたが、時すでに遅し。

「あ、それは悪いことをした」と言わんばかりに、なんのフォローもなく片手でごめんのポーズをしながら去っていく生徒指導の先生に、僕は不信感を抱きました。いや、その不信感は生徒指導の先生だけではなく、「学校全体」のものでした。

僕が保健室登校を止めたのは、それからしばらく経った後でした。

ごくごく最近まで、不登校の児童生徒のゴールは「学校(学級)復帰すること」でした。たとえ教師にひどい対応をされても、ほかの生徒と隔離された教室に迎え入れられたとしても、文部科学省は「学校復帰」というたったひとつのゴールしか設定していませんでした。

あの日、間違いなく、教員の間で「不登校のヤマモトくんが保健室にいる」ということを共有できていませんでした。ちょっと学校復帰に色を出して、でも教室はしんどいからとりあえず保健室に・・・と思っていた矢先の生徒指導の先生の言葉は、もはや自分に学校での居場所はないと言わんばかりのもの。

それでもなお、学校、いや文部科学省の考えは、「不登校の児童生徒は無理にでも学級復帰させる必要がある」というものでした。

少しでも不登校に興味関心がある方には、この考えほど浅はかで無理難題を押し付けているものはないと感じられると思います。そもそも、学校が教育のすべてであるということ、それによってゴールがひとつしか設定されていないことが大きな問題なのです。

しかし、この前提がついに、大きく揺るがされることになりました。

明るみになったのは、不登校新聞発のこちらの記事。

「学校へ戻すことがゴールじゃない」文科省が不登校対応の歴史的な見直しへ(石井志昂) – 個人 – Yahoo!ニュース

2018年7月11日、文科省は、学校復帰のみにこだわった従来の不登校対応を見直すため、「学校復帰」という文言が含まれた過去の通知をすべて見直す方針を明らかにした。通知が見直されれば、不登校対応の新たな方針が、全小中高校へ示されることになる。

引用:「学校に戻すことがゴールじゃない」文科省が不登校対応の歴史的な見直しへ:BLOGOS

「学校復帰」という文言が含まれた過去の通知をすべて見直す。

それはつまり、不登校支援にはこれまで頑なに示し続けていた「学校復帰」以外にも道があります、ということを、文部科学省が自ら認めたということです。無理に学校に行くことはない、学校以外の学び場も有効活用して支援していきましょう、という門戸を開いたわけです。

これは、本当に大きいことだと思います。

学校だけじゃない、学校以外に居場所があればそれでいい。たとえ保健室であっても、生徒指導の先生の目が光るあんな学校には行きたくない。ならば、行かなくてもいい。それを文科省が示してくれるのです。中にはこの事実に大きく救われる不登校の子どもたちも、決して少なくないと思います。

しかし、だからといって不登校問題が100%万事解決、かと言われれば、それはまた別の話です。

上記で引用した不登校新聞のニュース記事にはこんなことも書いてあります。

しかし、学校現場において、依然として不登校対応の絶対的な目標は「学校復帰」であり、それは教員にも浸透されている。新しい不登校対応の指針について、教員からは「知らなかった」「これまでとは正反対の不登校対応で、どうしたらいいかわからない」など、とまどう声があがっている。

引用:「学校に戻すことがゴールじゃない」文科省が不登校対応の歴史的な見直しへ:BLOGOS

そう、教員、つまり先生ですら「知らなかった」という声が上がっているのです。

ということはつまり、もしも学校復帰を強く促すような対応をされた場合、今後は「文科省がこういう方針なんですけど?」などとそれに対して家庭が異を唱える、というケースも、十分ありえます。そこではじめてそんな方針が出ていることに気づく先生方もいらっしゃるでしょう。

今回の文科省の方針はかなり画期的なことだと思います。「不登校の子を学校に無理やり戻すなんて、もう時代遅れだよね」という会話が当たり前になる日が、もうすぐそこに迫っていることを意味しています。この夏、不登校という概念が大きく変わることは、間違いないと思います。

お知らせ:すべての先生のみなさん、この夏は「不登校」について考えてみませんか

前述しましたが、この文科省の不登校児童生徒への方針変更は、先生ですら「知らなかった」と声を上げている人もいるくらいの大きなトピックです。

普段、目の前の生徒や授業、部活のことで頭がいっぱいで、なかなか学校に来れない生徒へのフォローや対応にお悩みの先生方は、きっとたくさんいると思います。いったい誰にこの相談を持ちかければいいのだろう?と路頭に迷われている方もいらっしゃるでしょう。

もう、これまで1度も不登校の生徒と関わったことがない、という先生は、いらっしゃったとしてもごくごく僅かでしょう。逆に言えば、すべての先生に「不登校児童生徒への対応」というスキルを求められている時代なのです。

今回は、そんな「学校での不登校対応」について、教職員の方向けに講座を開きます。たくさん研修がある中だとは思いますが、なかなか掘り下げることのできない「不登校」についてしっかり理解を深めていただきたい、といち不登校経験者として強く思います。ぜひご参加ください。

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8/4(土) 【先生向け講座】
よくわかる不登校の子どものキモチと関わり方
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■ この講座で得られるもの

・不登校の子どもと保護者の気持ちがわかる
・子どもを見る視点が変わる
・不登校の子どもといい関係を作るための関わり方がわかる
・不登校を支援する関係機関はどのようなものがあり、どう利用できるかがわかる。
・不登校を経験した人からの意見が聞ける

■ 今回のテーマ

「よくわかる不登校の子どものキモチと関わり方」
\  この講座は、D.Liveが不登校の子どもや保護者の気持ちや、子どもを理解するために参考にした考えを惜しみなくお伝えします!//

■ 講座概要

日時: 8/4(土) 14:00 – 16:30
場所: コワーキングスペース Mag House (JR瀬田駅3分)
滋賀県大津市大萱一丁目9−7ワイエムビル202
人数: 10名  ※4名以上のお申し込みで実施いたします。
対象: 学校の先生、教育委員会の職員
参加費:1,500円

※参加特典:2つの冊子が無料で手に入ります!
1、不登校の子どもの心理や傾向、関わり方をまとめた「よくわかる不登校」
2、子どもの自尊感情について独自にアンケート調査をし、その傾向と実態がわかる「子どもの自信白書」

■ プログラム

○はじめに

○話題提供1
「不登校の子どもの実態 不登校はカタツムリ」
「不登校には引き金と背景がある」
「保護者とのいい関係の作り方」
「生徒が不登校になった時の関係機関や支援先の紹介と、つながりかた」

○参加者のみなさんとトークセッション1

○話題提供2
「子どもが話してくれた、されて嬉しいOKな対応と本当はやめてほしいNGな対応」
「生徒のホンネの聞き方」
「ずっとこのままなんてことはない!卒業後も見通した生徒との関わり方」

○参加者のみなさんとトークセッション2

○まとめ

■ お申し込み:
・メールでのお申し込み
件名を「8/4 先生向け不登校講座参加」とし、 本文に、お名前・ご住所・ご連絡先を明記のうえ、info@dlive.jp にメールをお送りください。
※ こちらからのお返事が届かないケースが増えております。迷惑メール対策をされている方は特に、info@dlive.jp のメールが届くよう設定をお願いいたします。

■ イベントの詳細は こちら をごらんください!

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山本 駿

山本 駿

子どものころより過度に敏感な特性を持ち、中学3年間を不登校で過ごす。大学卒業後、不登校ボランティアを経て2014年よりD.Liveに参画し、現在は通信制高校教員を両立しながらTRY部や不登校講演事業を中心に担当。HSP(Highly Sensitive Person)特有の極度な繊細さを活かし、今を生きる子どもたちの先生でも友達でもない「ナナメの関係」になることを目指しています。