不登校を経験した僕の「自分らしさ」とは?【5/12 「不登校・ひきこもりを経験した若者とつながりについてまったり語り合う会」登壇レポ】

LINEで送る
Pocket

先週土曜日、奈良教育大学で開催された「不登校・ひきこもりを経験した若者とつながりについてまったり語り合う会」に、私・山本がパネリストとして登壇してきました。

奈良教育大学にて行われる「まったり語り合う会」は、これで3回目。90人ほどの参加者が集った会場は真摯な態度と熱気がすごく、思わず話している途中で「この部屋、暑くないですか?」とわざと話を脱線させて空調を入れてもらうようにお願いするほどでした。

パネルディスカッションは、事前に「学校のこと」「生活のこと」などとざっくりしたお題をいただいていたので、あらかじめかなり話す内容を整理してお話していたのですが、最後のテーマだけ、「これは何を話そうか・・・」と登壇中もかなり悩んでいました。

そのテーマが、「自分らしさ」について。

最初の発言者は毎回僕だったのですが、このテーマだけ、最初にマイクを受け取ったはいいものの、いったんパスしてほかの登壇者の方に先に話してもらいました。その上で改めて「自分らしさ」についてお話しましたが、今思えば違う内容を話しておけばよかった、とやや後悔しています。

壇上で、僕は完璧主義なところ、でも失敗する姿を見せるところを「自分らしさ」としました。

この春から教員という肩書きも持つようになりましたが、いまだに「うまくいった!」という授業なんてありません。毎回「あれは失敗した」「もっとこうすりゃよかった」と落ち込み、生徒の期待にすら応えられず悔やみます。教室の戸を引くたび、心の中で重くため息を吐く日々です。

しかしこの間、とあるベテランの先生に聞けば、手応えのある授業なんて3割くらいしかないそうです。いくら「先生の授業はおもしろいです!」と生徒から高評価を受けるベテランの先生でもそんな数字。野球のバッターと同じようなもんだよ、と言われて、思わずハッとしました。

かのイチロー選手でも、一番打率の良かった年で3割8分9厘。これ、逆に言えば10回打席に立って6回は失敗(凡退)している計算になります。もちろん失敗を減らす努力は必要ですが、いくら努力したとて半分以上は結局失敗する、それが野球のバッターの世界なのです。

僕はこれまで一度も成功した人生だとは思っていません。完璧なんてものはない、失敗(不登校を「失敗」とみなすかは意見が分かれるところですが)する、そんな背中を見せることで、子どもたちや今不登校に悩む当事者の人たちが少しでも生きやすくなればいいのかな、と思っています。

・・・と、こんな話をしたのですが、もうひとつ「自分らしさ」があったことを忘れていました。

それは、僕の長所のことです。

昨年末、認定NPO法人D×Pさんの「クレッシェンド」という事業で、とある定時制高校の授業にお邪魔したとき、授業の総括として「自分の長所」を発表することになりました。前日から予告があったのでかなりじっくり考えたのですが、僕は上の写真のように書きました。

人と同じことをするのが苦手」。

不登校ではなかった小学校のころ、全学年80人で合奏をすることになったときも、何人もいるリコーダーやピアニカは死んでもやりたくありませんでした。それで本気になってオーディションを突破して、ただひとりに与えられる大太鼓のパートをもらうことに成功しました。

子どものころから、本当に、人と同じことをするのが苦手でした。いまでも目の前の他人と服の色合いが被ってるだけで「あっ!」と思います。なるべく人とは違う服装や、行動を好むようになりました。それが集団行動からの逸脱や、不登校になった遠因なのかもしれません。

でも、僕は人と同じことをするのが苦手だったからこそ、今もこうして生きているのだと思っています。

逆に言えば、人と同じことを強要されたり、進んで人と同じことをする生き方だったら、今頃僕は生きているのだろうか?とすら思います。

考えてみれば、中学からの不登校にはじまり、通信制高校を経て、京都から当時誰ひとり知り合いがいない岐阜という土地に出て大学に進みました。結局4年間学内で同じ京都出身の人に出会ったのはたった1人の教授だけ。そして(いろんな理由で)就職活動もせずに卒業しました。

正直、こんな生き方はほかにそうそういないと思っています。そしてまた4年間かけて教職課程を修了して、この春から教員とNPOスタッフという2足のわらじを履く生活。こうして簡単に振り返ってもなお、「人と同じことをするのが苦手」だなぁ、と思います。

こうして「まったり語り合う会」でのテーマを振り返れば振り返るほど、この「人と同じことをするのが苦手」ということがよっぽど自分らしさというテーマに合致していたなあ、と痛感しています。だからこそ、こうしてレポートで「延長戦」をひとりでやっているわけなのですが。

今回の「まったり語り合う会」では、不登校のきっかけということで以前も取り上げた過度に敏感な性格「HSP」のことをお話しましたが、予想以上に反応が大きく、終了後に直接声をかけていただいた方の大半がHSPについてのご質問でした。

HSPへの興味関心の高さはもちろん、まだまだこういう性格の人が5人に1人いることが浸透していないことも痛感しました。それが、「本買って読みたいと思います!」という声の多さに表れていたのかな、と感じます。

会の最後は、奈良教育大学のアカペラサークルによるミニライブもあり、非常に穏やかな雰囲気でお開きとなりました。なお、このライブで披露されたのは、奈良教育大学で開かれている不登校向け居場所に通う生徒が作詞した曲とのことで、こうした表現の方法もあるんだな、と感心しました。

今回ご参加されたみなさま、また主催のみなさま、たいへんお世話になりました!この会は次回11月に開催される予定とのことなので、ご興味のある方はぜひ参加してみてはいかがでしょうか。

↓不登校に関する講演依頼、いつでもどこでもお待ちしております!!↓

LINEで送る
Pocket

山本 駿

山本 駿

NPO法人D.Live スタッフ / 高校非常勤教員(社会科) 京都出身。中学3年間不登校。岐阜県内の大学を卒業後、不登校ボランティアを経て2014年よりD.Liveに参画。主にTRY部や不登校講演事業を担当しながら、今を生きる子どもたちの先生でも友達でもない「ナナメの関係」になることを目指しています。