不登校の子どもが、卒業証書を受け取る6つの方法

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高校を中心に、早いところでは前の週末からすでに卒業式が挙行されたところもあるようです。先日お正月だったと思えば、もう季節は春の卒業シーズンへとゆるやかに進んでいます。

卒業式は、最高学年の集大成として、卒業生は足並みをそろえて式場へ入場し、決められた所作で卒業証書を受け取り、寸分の狂いもなく起立・礼・着席を求められる場所です。このほかにも合唱や呼びかけなどを含めても、特にきっちりした集団行動が求められる場ということが言えます。

僕は、不登校に限らず、とくに集団行動や学校の雰囲気になじめなかった子どもにとって、卒業式という場は相当しんどいのではないか、と感じます。

一応小中高大と卒業式に出席はしましたが、ハッキリ言って僕はこの行事が大嫌いでした。練習で礼のタイミングがバラバラとか、合唱の声が小さいと先生が怒るたびに、この学校はそんなに型にはめてキレイに見せたいのか、先生方は実は卒業を祝う気持ちはないんじゃないのか、とやる気がどんどん失せました。

それが当たり前だ、という声があるのも、重々理解しています。来賓の方々も多く参列される中で、失礼のないような行動を見せることはたいへん重要です。

しかし、そうした一連の行動についてきちんと納得できるような説明もなく、ちょっと行動がずれただけで厳しく叱るような声もたくさん聞いてきました。そのたびに「先生を満足させるために卒業式をやるの?」という疑念を持ったのも、事実です。

そんな卒業式ですが、実は卒業する側であっても出席する必要はまったくありません。

僕が不登校だった中学校のときは、まだ不登校を軽く悔いていた面もあったので「行かないと後悔する」と思い、出席しました。まあそれで練習がやっぱり受け入れられなくて多少後悔し、結局肝心の卒業式をまったく覚えていないので、今となっては少し失敗したかなとは思っていますが・・・。

ということで、改めて「不登校の子どもが卒業証書を受け取る方法」について、まとめたいと思います。

1. 卒業式にきちんと出席する

卒業式に出席する必要はない、と書きましたが、逆に言うといくら学校に行っていなかったと言っても卒業資格を満たせれば卒業式に出られないということはありません。ならば、卒業式に思い切って出てしまう、という手段は十分に考えられます。

しかし前述したようにいざ卒業式に出るとなればハードルが高いのも事実です。学校によれば練習に出席するようお願いされるかもしれません。なかには集団の中のひとりとして校長や来賓の方の祝辞を聞くことすら苦痛だという子どももいますし、当然壇上で証書を受け取ることがしんどい子もいます。

証書の受け取りはともかく、保護者席で親といっしょに参列する方法や、卒業生が座るゾーンではなく式場の後ろのほうに一角を作ってもらって参加するなど、「みんなといっしょ」じゃなくても卒業式に参加できる手段はいくつか考えられます。このあたりは学校側に相談してみるのも手です。

ところが、クラスメイトには絶対会いたくない、卒業式独特のあの雰囲気が苦手、という子もいます。そのような場合は、無理に卒業式へ参列する必要はありません。また保護者席での参列だと壇上で卒業証書を受け取れない可能性もあります。

ではどうやって証書を受け取るかと言えば、2.以降の選択肢が考えられます。

2. 校長室など、学校で卒業証書を受け取る

万が一欠席しても、卒業証書授与の際に卒業する生徒として、名前だけは呼ばれます。ただし、そのあとすぐに、次に受け取る生徒の名前が呼ばれ、淡々と証書を受け渡す作業が続いていきます。欠席理由も公にならないので、一見すれば風邪や所用で欠席した生徒と同じような扱いになります。

ではこの卒業証書を壇上で受け取らなかった場合どうなるのか。

ざっくり書けば4パターンあります。まずはこの校長室など学校で卒業証書を受け取る場合。

この場合、(不登校に限らず)ほかに欠席した生徒がいっしょに受け取ることもあります。また、学校によってはなるべく卒業式に近い環境をと、ほかの先生方も集合してあたたかく卒業をお祝いしてくださったところもあるそうです。なかには先生方で歌のプレゼントを用意したところもあったとか。

この「校長室での卒業式」は、卒業式が終わった午後にささやかに開かれることもありますし、もしも誰にも会わずに受け取りたいのならば別日に登校して受け取ることもできます。

3. 家庭訪問で卒業証書を受け取る

もちろん、「学校になんか行くもんか!!」ということも考えられます。その場合にも選択肢がいくつかあります。

まず、先生による家庭訪問で卒業証書を受け取る方法。これも、学校によっては、校長も自ら家庭に出向いて卒業証書を手渡した一例があるようです。子ども自身が、学校は行きたくないけど、お世話になった先生にはきちんと感謝を伝えたい、と考えているのならば一番最適な方法がこれかもしれません。

4. 親が学校へ卒業証書を受け取りに行く

家庭訪問を拒んだ場合、親が卒業証書だけを受け取りに学校へ行く方法もあります。子どもは会いたくなさそうだが、親として最後に先生に感謝を伝えておきたい・・・という場合には有効です。

5. 郵送で受け取る

家庭と学校、まったく会うことなく卒業証書を受け取ることも可能です。

その手段が郵送。これならば誰にも会わずに卒業証書を手に入れることができます。あわよくば、子どもに内緒で親がこっそり・・・ということも可能かもしれません。

6. そもそも受け取らない

昨年、「卒業証書は受け取らなければならない」とコラムで記しましたが、よくよく考えたらこの選択肢があって当然だと思います。もっとも、これはかなり不都合のある方法かもしれませんが・・・。

検索してみると意外に「卒業証書を処分した」という話がヒットします。卒業証書は、一応形として卒業という事実を証明するものですが、学校生活を思い出したくない、という子どもたちにとっては、そもそも必要のないものとも言えます。

もしも、子どもが受け取りを拒否する場合は、「受け取らない」ということを打診しても良いのではないでしょうか。無論、たとえば郵送などでいったん家庭に送ってもらってからの処分ということになるか、学校側で処分してもらうか、の協議は必要な上で、です。

以上6つご紹介しましたが、これ以外にも受け取れる手段があるかもしれません。

繰り返しになりますが、卒業式に出席せずとも卒業することは可能です。僕自身、縁あって毎年通信制高校の卒業式に顔を出す機会がありますが、卒業する生徒の名前が呼ばれる際に誰も立たない(=卒業式に出席していない)ことはざらにあります。それでも彼らは、卒業することに変わりありません。

たまに誤解されるのですが、卒業式に出なければ卒業できないと思われている家庭もあるようです。しかし、そうして無理やり卒業式へ引きずり込んだところで、その子にとっては下手すれば新たな門出を祝う行事が辛くて哀しい行事に変わってしまうかもしれません。

(中退などしない限り)学校は卒業しなければなりませんが、卒業式に出るか出ないかは実は個人の裁量に任されています。学校に行くのが辛い子どもたちが卒業する際は、まずは卒業式に出席したい気持ちがあるかないかを確認する作業からはじめてみてください。

ここまで書いたとおり、「卒業する」手段は、思った以上にたくさんあります。

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山本 駿

山本 駿

NPO法人D.Live スタッフ / 高校非常勤教員(社会科) 京都出身。中学3年間不登校。岐阜県内の大学を卒業後、不登校ボランティアを経て2014年よりD.Liveに参画。主にTRY部や不登校講演事業を担当しながら、今を生きる子どもたちの先生でも友達でもない「ナナメの関係」になることを目指しています。