毎週家庭訪問してくださった担任、保健室登校を支えてくださった養護教諭【1/21 不登校のおはなし会Vol.7開催】
僕が不登校だった中学生時代、お世話になった学校の先生が2名いらっしゃいます。
担任のA先生、そして養護教諭のB先生。
学校側の配慮もあってか、僕はクラス替えがあってもA先生のクラスに3年間名を連ねていました。たしか1年次は1組だったのですが3年次は4組。ですが担任はずっと同じA先生でした。そしてこのA先生が、学校へ行けていない僕にとってほぼ唯一の「学校と自分をつなぐ窓口」でもありました。
不登校だった当初、毎週月曜日の夜に欠かさず家庭訪問をしてくださいました。A先生は英語科の先生だったのですが、僕が数学ができないことを知ると毎週数学のプリントを何枚か持ってきて親身に教えてくださいました。「マイナスとマイナスをかけると・・・」という知識は全部A先生から教えてもらいました。
そのほかにも先生の大学時代の話や家での生活の様子など、1時間半くらいいつもお話していました。人生でただ1度の「中間テスト」を受けたのもこの家庭訪問のときでした。先生の担当科目である英語を受けましたが、小3から英語教室に通っていたのもあって点数は100点でした。
一方、養護教諭のB先生は、僕が保健室登校をはじめてお世話になるようになりました。よく覚えているのは、保健室登校をし始めたころに、「山本くん、これ見て」と見せられたファイル。そこには新聞の切り抜きがたくさん入っていました。
「わたし、こうして気になった新聞記事切り抜いて、線引いて保存してるのよ」
切り抜かれた新聞記事には、ピンクの蛍光ペンで文字に線が引いてありました。読み込む僕の横で今朝の新聞をサクサクっと切り抜いて蛍光ペンを取り出すB先生。それが何か僕に影響を及ぼしたわけでもないんですが、なぜか覚えている1コマではあります。
当たり前ですが、中学校の保健室ともなればいろんな生徒がやってきます。しかし、僕はB先生に1度も保健室から出てくれないかと言われた記憶はありません。その代わりいろんなものは見てきましたが。
泡を吹いて倒れたと運び込まれた生徒がいたときも僕は保健室にいました。やがてその原因が軽いいじめのようなものだったと判明し、いじめた側の生徒が謝罪に訪れ、突然教頭がいじめた側の生徒を叱り飛ばしたときも、僕は何もせずただソファに座るだけ。
そこに居づらかったのは確かですが、だからといって校内でひとりでウロウロするほうがもっとイヤなのも確か。あのとき、B先生に追い出されなくてよかったかな、と思っています。その後(たぶん意図したものではないと思うんですが)説教に来た先生が一瞬笑うフォローをしてくださったのも忘れられません。
別の日の授業中には、突然見回りに来た生徒指導の先生に「お前は何をやってるんだ?」と睨まれたことがありました。しかしその瞬間「あ、先生、彼は保健室登校です」と即座にフォローしてくださったのはB先生でした。
あとから思えば、確実に職員室内で「今日はヤマモトくんが保健室登校をしている」ことを共有できていなかった何よりの証だったと思います。つまり不登校の僕が学校から手厚いサポートを受けていたかと言われれば全然違います。こうした綻びや連絡ミスは、正直何度かありました。
ですが、今思えば、その中でできる最大限の配慮を、A先生もB先生もしてくださったのかなと感じます。
中学生活の終わり、どうやらクラスで全員が全員に宛ててメッセージを書き合うことをやったようなのですが、A先生は僕へのメッセージも全員分回収してくれていました。これは正直嬉しくて、いまでも大事に保存しています。
これまで不登校の子どもたちとたくさん関わり、学校での様子や実情をお聞きしましたが、中には「本当に?」と疑ってしまうほどおざなりな対応をされた事例もありました。そう考えると、たとえ連絡ミスがあったとしても、僕の中学校3年間はかなり恵まれた部類だったのだろうと思います。
学校によって、まちまちであることは否めない「先生の不登校対応」。
1月21日に開催予定の「不登校のおはなし会」では、そんな先生や学校との上手な付き合い方を考えていきます。ここで適切な支援を得られるか、それとも関わりに失敗するかによって、子どもたちの運命は大きく変わってきます。ある種、不登校支援の基礎中の基礎がここにあります。
学校側とのコミュニケーションが難しい!先生の気持ちがわからない!という方のご参加をお待ちしております。
これまでの参加者の感想
「子どもに”やらない”選択肢や、毎日の小さなミッションを与えること、昼間の外出をゆるすことを知れてよかったです。」 (N・Kさん)
「参加されたみなさんがとても明るかった事といろんな方の意見が聞けたことがよかったです。」(M・Iさん)
「参加者同士でいっぱい話せて楽しかったです!”やらなくていい”選択肢をつくりたいと思います」(A・Oさん)
「同じ悩みを持っているお父さんがいることが知れて、安心感と共感が得られました・」(H・Tさん)
こんなかたにオススメ
・子どもにいま必要なことは何なのか探している
・学校の先生といい関係を作っていきたい
・不登校の子どもが学校で安心して過ごせる第一歩のつくりかたが知りたい
・どうも学校と家庭で子どもへの考えがズレている気がする
・不登校に関する悩みを相談できる相手をさがしている
イベント詳細
日時
2018年1月21日(日) 14:00~16:30
参加費
1000円
プログラム
・自己紹介
・話題提供「学校の先生との上手な付き合い方」
・質問タイム
・参加者みんなで話す時間
・ふり返りやアンケートなど
◆ 話題提供
■ 話題提供 住山 志津枝(すみやま しずえ)さん
お金で学ぶさんすう®理事長
ファイナンシャルプランナー(CFP®/1級FP技能士)
京都市在住二児の母。
「算数の計算が出来るのに、お金の計算は出来ない??」
学校算数と生活算数との間に開きがある事に気付き、
学んだ知識がすぐ暮らしに活かせる学習プログラム「お金で学ぶさんすう®」を開発。
保護者・支援者・教育関係者向けには勉強会・講演会の他、執筆活動も行っています。
住山さんにはお子さんが学校に行けなくなり始めたときに、
学校とどんなコミュニケーションを取りながら、子どもが通いやすい環境を作ったかを中心にお話しいただきます。
定員
10名程度
対象
不登校のお子さんがいる保護者さん
会場
コワーキングスペースMaghouse
(JR瀬田駅最寄り)
アクセスはこちら
お申し込み
・メールでのお申し込み
件名を「1/21 不登校のおはなし会参加」とし、
本文に、お名前・ご住所・ご連絡先を明記のうえ、info@dlive.jp にメールをお送りください。
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主催
NPO法人D.Live
お問い合わせ先
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