TRY部授業レポート「自分を知れば、自分を好きになる」

僕たちがやっている教室(TRY部)は、「よくなにをやっているのか分からない」と言われます。

そこで、これからは授業内容をどんどん公開していきます。

もし、団体さんなどで「やってみたい」と思うものがあれば、ばしばしパクっていってください。
(どんな感じだったか教えてもらえると嬉しいです)

勉強の意欲を高めるために、どんなカリキュラムにするか、今練っているところ。

そのプロトタイプとして、昨日は授業をおこないました。

 

テーマは、『自己理解』です。

思春期に入ると、子どもは万能感を捨てます。
万能感とは、「俺、なんでもできるぜ。いぇーい」というもの。

客観的に自分を見られるようになり、他人と比べるようになります。
そのため、自信が下がり、「俺なんて……」と思う時期。
出来ていないこと、イヤな部分ばかりを見てしまう。

だからこそ、自分自身をちゃんと理解する必要があります。

出来ていないこともあれば、出来ていることもちゃんとあるハズです。

出来ている部分に光を当てるためにも、自己理解をテーマにおこないました。

 

偏愛マップ

まずは、体験参加の子もいたので、みんなで自己紹介。

ただの自己紹介だとつまんない。

そこで、使ったのが”偏愛マップ”です。

(この写真は、スタッフの山本が書いたやつ)

自分が好きなことをどんどん書くのが偏愛マップ。

人は、自分と共通点があれば、仲良くなれます。

それが、細かければ細かいほど、「うわー!」ってなりますよね。

ワンピース好きはたくさんいても、「特にウソップが好きなんです!」という人は、それほど多くない。

自分と違っていても、「あなたは、そうなんですねー」と違いを受け容れることもできる。

偏愛マップは、自己紹介ツールとして、とても優秀で、このワークシートだけで1時間くらい話せるくらいのポテンシャルを持っています。

この日は、さすがにそんなに時間は取れないので、どんどんいきます。

ジャーナリング

冬休みにどんなことがあったのか、嬉しかったこと、悲しかったこと、あったことをとにかくワーク。

“ジャーナリング”とは、Googleでおこなわれているマインドフルネスワークの一つ。

簡単に言うと振り返りですが、手を動かすことで最近あったことを思い出しやすくなるし、集中もできます。

詳しく内容は、こちらの記事を!

手で書くことで心を整える。“書くマインドフルネス”、「ジャーナリング」とは?

ジャーナリングが終わると、みんなでシェア。

書いた中で、「最高だったこと」を子どもたちがペアになって、お互いに紹介。

自分の意見や出来事を聞いてもらえるという行為は、「受け容れられている」という気持ちになり、「自分は大丈夫」という安心感につながります。

次は、1年の振り返り。

「2017年にガンバったことベスト5」をそれぞれで考えてもらいました。

ここで大事なことを少しだけ子どもたちにレクチャー。

「ガンバったことっていうのは、誰かと比べてどうとか、結果が出たとかそんなんじゃない。
ただ単純に、自分がガンバったと思えることでいいよ。
誰かと比べて良かったとか、人がびっくりする結果が出たからガンバったってことじゃない。
主観でいいんだ。
自分がガンバったなぁと思えば、どんなことでもいい。
極端な話、ガンバろうとしたけど、うまくいかないことでもいいと思うんだ。
だって、ガンバろうと思っただけでも、きっと進歩だと思うから。
そのあたりを踏まえて、考えてみてね」

みんな、「どんなことあったかなぁ」なんて思い出しながら、ガンバったことを書き出していきます。

普段、子どもたちは結果だけしか見ていません。

どれだけガンバったとしてもテストの点数が悪かったら、全てダメだと思っています。

「これはガンバった」と自分を褒めることって少ないのです。

たとえガンバったとしても、友達に比べて劣っていれば、「自分はダメだ」と思います。

だからこそ、ちゃんと自分自身で考えて、「ここはガンバった!」と褒めてあげることが大事なのです。

そうすれば、「次もガンバろう」という活力に繋がっていくのです。

ガンバったことを書き出し、その中からベスト5に並び替え。

順位付けをしたところで、次の指令。

「通知表のように、それぞれの項目に自分自身で手紙のようにコメントを書いてください」

たとえば、「勉強ガンバった」という項目があれば、自分でコメントを入れます。

「いやいやだったけど、ゲームに逃げず、よくテストまで勉強ガンバったよね。
すごいと思うよ」

みたいな感じ。

これは、少し客観的に自分を見るワーク。

普段、なかなか自分を褒めることって難しいですよね。
なんだか気持ち悪いし、ナルシストみたいに思う。
自分を褒めたら、そこで成長が終わってしまいそうな気がする。

でも、その結果、出来ないところばかりを見てしまい、子どもたちはどんどん自信をなくしていっている。

だから、こういうワークを入れて、半強制的に自分自身を褒めるようにしているのです。

最後のワークは、『今年、達成したいこと(できるようになりたいこと)を書こう』です。

まぁ、いわゆる新年の目標ってやつです。

これ、まぁだいたい頓挫します。
(経験ありますよね?)

忘れてたとか、忙しい中でどっかいってしまったとかあります。

その原因の1つは、自分だけで完結しているからです。

目標って誰かに言わないとダメなんですよね。
伝えなきゃダメ。

なぜかっていうと、”一貫性の原理”というものがあって、誰かに言ったことは守りたいと思うのです。

良い意味でプレッシャーになるんですね。
 

だから、TRY部でも、子どもたちに書いてもらったあとは、みんなでポスターセッションをしました。

ポスターの展示を見るように、それぞれの子たちが書いたシートを机に置いておきます。

スタッフや生徒、大人の見学者も一緒に、みんなが付箋を持ちます。

そして、みんなが書いたシートを見て、アドバイスや応援コメントを書いていきます。

ポジティブなフィードバックがどんどん自分のシートに集まっていく。

それを見た生徒は、「うわー、嬉しいなぁ」と喜ぶほど。

なにかをしたいとか目標って、なかなか言えないんですよね。

批判されるのも怖いし、「お前ができるはずないやろ」みたいに思われてそうだし。

だから、こうやって目標に対して、ポジティブなフィードバックがもらえるのは、とても自信になります。

「ガンバろう」というモチベーションに繋がるのです。

目標を書くことで、「自分はこれがやりたかったんだな」という確認になり、自己理解にもなります。

最後に、まとめ。

「みんな、普段って自分のことを褒めることってないよね。
もっとガンバらなゃって思う。でも、ちゃんと褒めることって大事なんだよ。
だって、褒めないと、いつまでもずっとガンバらないといけない。
そうしたら、どこかで息切れしてしまう。しんどくなっちゃう。
声に出して、俺すげーって言えば、イヤなやつだけど、寝る前に、今日はこれはガンバったなって思って寝るといいんだ。
すると、明日もガンバろうって思えるでしょ。
今日立てた目標は、全てを実現することは難しいかもしれない。まずは、コツとしては1つ1つガンバってみる。
一気に全部の目標を達成するのは難しいから、とりあえずこれを達成するぞっていう重点目標を決めて取り組んでみると、いいと思います」

これで授業終了。
 

授業が終わって、保護者さんからコメントをいただきました。

「うちの子が、めっちゃ楽しかったと言っていました。夢叶うかもって言っていましたよー」

実は、みんなで目標を話していたときに、たまたま「作曲がしたい」という子が2人いました。

彼らは、「え? バンド組んでみる?」って話しになっていた!

こうやって目標を共有してみると、こんなミラクルも起きてくるんですよね。

これからの展開も楽しみです。

TRY部 体験したいかた募集

対象:中学1年生 〜 大人だけの参加もOKです。
(大学生も参加できます!)

参加費:無料

場所: 草津市立まちづくりセンター(JR草津駅すぐ)

持ち物:筆記用具

受付日:毎週月曜日に体験を受付しております。

時間:19時15分までに草津市立まちづくりセンターの教室にお越しください。

申込み方法:info@dlive.jp まで、「TRY部体験参加」と記入し、お名前と学年(年齢)、簡単な動機、参加希望日を書いてお送りください。

※ お問い合せもinfo@dlive.jpまで

TRY部の詳細についてはこちらから

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この記事を書いた人

1984年 大阪生まれ 立命館大学文学部卒

中学時代は、部活に打ち込み、勉強では学年で常にトップ10以内。
しかし、中学3年生のときから学校がしんどくなり、誰とも話さなくなる。
野球選手を目指し、大阪の野球強豪校へ行ったものの、自信を失い退部。そこから学校へ行かず、河川敷で過ごす毎日をおくる。
浪人して立命館大学へ入学したものの、なにをしたいかが分からなくなり、行く意味を失う。1回生の夏から1年ほど、京都の下宿で引きこもる。
友人の支えもあり、復活。政治家の秘書やテレビ制作などのインターンをおこない、期間限定のカフェも開く。「自分のようにつらい思いをさせたくない」と思い、D.Liveを立ち上げる。
フリースクールや自信を取り戻す教室を運営。不登校に関する講演や講座もおこなっている。
京都新聞にして子育てコラムを連載中。
詳しいプロフィールはコチラから

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