子どもの学習意欲を高めるために ① どうして、やる気がでない?

どうして勉強への意欲を持てないのか。

ずっと不思議だった。
僕は小さい頃から勉強が嫌だと思ったことはない。
特段、勉強が大好きだったわけではないけれど、勉強することが苦痛ではなかった。

人生の中で1番楽しかった時間は今でも浪人生だった頃だし、勉強に関してやりたくないと思うことをほとんどなかった。

だから、子どもたちが「勉強したくない」という気持ちが全く理解できなかった。

周りにいている勉強ができると言われている人たちは、みんな勉強当たり前のようにやっているし、勉強に対するアレルギーもない。

どうして、世の中には勉強が好きな子どもと、勉強に対して著しく嫌悪感を感じている子どもがいるのだろう?

まず、勉強が苦手な子は、勉強での成功体験が少ない。

頑張って努力したけれどうまくいかない。
だんだんわからなくなってくる。
すると、勉強が嫌になるし、苦手だと思い込んでしまう。

がんばってもがんばってもうまくいかず、どうせ無理だと諦めることを、心理学では学習性無力感と言う。

勉強を嫌がる子は、多くがこの学習性無力感に陥っている。

まだ最初の頃は、わからなくても勉強ができるようになろうと思っていた。
頑張ろうと思って勉強もした。

でも、結果が出なかったり分からない状態が続くと、自分はダメだと思う。
自分は才能がないと思い、諦める。
そして、無気力になってしまう。

「どうせ無理」「頑張ったって意味ないし」と言っている子どもたちに、どうすれば学習の意欲を湧かすことができるのだろうか?

残念ながら、そもそもの原因は大人にある。

子どもは、重要な他者からの言動が直接自分の価値につながる。

つまり、親や先生からネガティブな言葉を言われるたびに子どもは自信を失っていく。

「勉強しなさい」と言う言葉がけが、意欲を減退させている。

どれだけ楽しいゲームでも、親にガミガミと「早くゲームしなさい」と言われると、嫌になるだろう。

それと同じ。

勉強が分からなくなってきているところに、悪い結果が続く。
友達と比べて劣っていることを自覚していく。
そして追い討ちのように、親や先生から怒られる。
結果、子どもは勉強嫌いになっていく。

では、そうすれば嫌いになった勉強を意欲的に取り組めるようになるのだろうか?

それを考える上でのキーワードが「やればできる」という気持ち。
心理学で、自己効力感と呼ばれるものである。

失敗体験が重なり、勉強が苦手な子は、勉強に対してやればできると思っていない。

だから初めから意欲が持てないし、勉強をやろうとも思わない。

危機感あるし、勉強はしなくちゃならないものだと言う認識もある。
けれど、できないものに対してやろうと言う意欲は湧いてこない。

例えば高跳びで1メートルしか飛べない人が、5メートルの高さに挑戦するだろうか?

大人たちはよく、やってみなきゃわからないって言うけれど、無謀なことに対しては何も挑戦することができないだろう。
それと同じような感じを子どもたちが受けている。

ではどうしていけば子どもの自己効力感を高めることができるのだろうか?

この続きは今度。

これから何回かにわたって子どもの学習意欲について連載を書いていこうと思っている。

ではまた、次回。

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この記事を書いた人

1984年 大阪生まれ 立命館大学文学部卒

中学時代は、部活に打ち込み、勉強では学年で常にトップ10以内。
しかし、中学3年生のときから学校がしんどくなり、誰とも話さなくなる。
野球選手を目指し、大阪の野球強豪校へ行ったものの、自信を失い退部。そこから学校へ行かず、河川敷で過ごす毎日をおくる。
浪人して立命館大学へ入学したものの、なにをしたいかが分からなくなり、行く意味を失う。1回生の夏から1年ほど、京都の下宿で引きこもる。
友人の支えもあり、復活。政治家の秘書やテレビ制作などのインターンをおこない、期間限定のカフェも開く。「自分のようにつらい思いをさせたくない」と思い、D.Liveを立ち上げる。
フリースクールや自信を取り戻す教室を運営。不登校に関する講演や講座もおこなっている。
京都新聞にして子育てコラムを連載中。
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