NPO法人D.Liveの歩みはあなたとの出会いがあってこそ -法人5周年をむかえ、今思うこと-
みなさん、こんにちは。
NPO法人D.Liveの得津です。
2017年5月に、私たちは法人5周年をむかえました。
滋賀県草津市から事業を始めて5年。
副代表の私も、代表の田中も大阪出身。何の縁もゆかりも無い草津市で事業を始めたときは苦労ばかりでした。
曲がりなりにも5周年を迎えることが出来たのは、この記事を読んでくださっている皆様を始め、多くの方々のご支援やご声援のおかげです。
誠にありがとうございます。
“子どもがなりたい自分に向かって思いきり取り組める社会をつくる”
この理念の実現に向けて、子どもの自信や自尊感情の低下を解決するための事業を進めることを、2012年に決めました。
今は、子ども向けに3つの教室を開いています。
なりたい自分に向けて前向きに頑張れるチカラをつける「TRY部(トライ部)」
不登校の子どもが自分らしく安心して過ごせる居場所「昼TRY部」
ひとり親家庭の中学生のための夜の学童「TudoToko(つどとこ)」
実は、2012年の法人立ち上げ当時はこんな教室を開くなんてみじんも思ってもいませんでした。
立ち上げ当初に相談に乗ってくれたNPO経営の先輩からは、お好み焼き塾をしなさいと言われていたくらいです。
お好み焼きをつくって販売することを通して、企画・広報・経理の勉強になるし、売り上げが上がったら自信につながるじゃないかと。
たしかに面白いなと思ったのですが、このアイデアを鵜呑みにするのがシャクだったので、
何度もミーティングを重ね、なんとか別のアイデアを絞り出しました。
その結果、一番最初に始めた事業が「こどもしゅっぱん社」です。
この事業は小学生を対象に、雑誌作りを1から体験することで自信をつけることを目的とした事業でした。
本当に1から作るので、雑誌のコンセプト決め・雑誌の内容の決定・取材の仕方・カメラで上手に写真を撮る方法・デザインのコツ。
それら一つ一つを一緒に勉強して体験することで、大人顔負けの経験が得られることがウリでした。
二年近くやりましたが、全然ニーズが無いということが分かったので辞めました。
次に始めたのが中高生向けの教室、TRY部です。
TRY部もこどもしゅっぱん社と同じく、スタートまでに何度もミーティングをしました。
次は大丈夫だろうかという不安もあったので、決断するまでに時間もかかりました。
しかし、ヒアリングさせてもらった保護者さんがおっしゃっていた「将来、自分の好きな事を見つけて自分の力で進んでいってほしい」という言葉をきっかけに、TRY部の実施に大きく舵を切ることになりました。
不登校の子どもたちの居場所「昼TRY部」も、保護者の方々の声があってスタートしました。
去年の末あたりから、イベントや講演で保護者さんに団体や教室のことについて話すと、
「お昼に通える教室は無いんですか?」と尋ねられることが増えました。
当時はフリースクールって結構あるだろうし、自分たちがやらなくても良いのでは?と考えていましたが、調べてみると実際はとっても少ない。
そして、通える居場所があっても利用率が圧倒的に低い。
学校にいけない子どもたちの多くが、学校の代わりに通える居場所が無く、
部屋に引きこもっているしかない。そんな過ごし方をする中で、自分の事もどんどん嫌いになっていく。
これはぼくたちが取り組むべき課題だと捉え、今年からお昼の居場所がスタートしました。
5周年をむかえ、ぼくたちの歩みをふり返ってみるとわらしべ長者みたいだなぁと思うんです。
お金持ちになりたいと思った若者が、手にしたわらしべ一本を別のものと交換し、さらにそれもまた違ったものと交換する。
交換を繰り返して、最終的にはお金持ちになる。
あれは出会いや縁が思わぬ良いことを運んでくることをたとえた話だと解釈しています。
そう考えたときに、2012年にスタートした事業と比べて、今は全然違うことをしているけれど、
その時々に出会った人たちのおかげで、めざす社会に近づきつつある。
まるで、わらしべ長者の道のりと同じじゃないかと思うわけです。
とはいえ、まだまだ道半ば。
10年、15年と活動を続けている法人に比べたらひよっこです。
皆さまのご支援やご声援がないと「子どもがなりたい自分に向かって思いきり取り組める社会」には至りません。
最後に、TRY部に通う生徒の話をさせてください。
先日、5周年を記念してお世話になった方々だけをお招きした手作りのパーティーを開きました。
そのパーティーに来てくれた生徒の一人が
「TRY部は塾だけど塾じゃない。」と言っていました。
彼は続けます。
「TRY部だったら、なんでも話せる。嬉しいことがあった日はTRY部のみんなに聞いてもらおうって思いながら教室に行く。」
彼の言葉にぼくは胸を打たれました。
こんなに嬉しい言葉を聞けるなんて思ってもいませんでしたから。
一方で、子どもたちが気軽に相談したり、なんでも話したりできる大人がどこにでもいる地域づくりを今以上に進めていかねばと改めて決意しました。
この文章を読んでくださっている、あなたへ。
「子どもがなりたい自分に向かって思いきり取り組める社会」
この社会の実現に向けて、D.Liveはこれまで以上に邁進してまいります。
しかし、まだまだ道半ばです。
ぼくたちがめざす社会に共感してくださるあなたと一緒に、この社会の実現に向けて進んでいきたいです。
これからも、どうぞD.Liveをよろしくお願いいたします。
NPO法人D.Live