結局、フリースクールってどんなところなの?―その5:生活編

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先月より集中連載の形でフリースクールでの生活や実態について書いていますが、今週は総まとめとして、そもそものフリースクールでの生活を取り上げてみたいと思います。

フリースクールでは、毎日のように運動会をやったり、何か行事をやっているわけではありません。ではいったいどんな活動で1日を過ごしているのでしょうか?

まず前提として、以下のことを記しておかないといけません。

  1. フリースクールによって、開室日や時間、カリキュラム、ルールが大きく違う
  2. 基本的に1日をどのように過ごすかは、その生徒の自由

学校と同じように月曜日から金曜日の朝~夕方の時間帯で開室しているところもあれば、週に2,3日の開室、また午前中のみ開いているフリースクールもあります。中には寄宿形態、つまり宿泊を伴った期間で運営しているところも存在しています。

そして、たとえばテレビもWiiも設置してゲームで遊べるところもあれば、ゲームの類を一切排除しているところ、さらに勉強の時間を意識的に設けているところもあります。自立性を促す目的のフリースクールでは、施設の清掃も生徒が行っていることもあります。

つまりここで「1日の流れ」を書いたところで、数多あるフリースクールに当てはまるとは限りません。

どういう流れで毎日を過ごしているのか気になるのであれば、各フリースクールへ問い合わせる際にきちんと確認することをおすすめします。

とはいえ、これで終わらせるわけにはいかないので、僕の体験を主にして書いていこうと思います。

その1の勉強編にも少し書きましたが、フリースクールでも日常的に教科書や問題集を開く光景が見られます。しかしだからといって勉強したくない、という生徒もいないわけではありません。こういう場合は家から持ってきた携帯ゲーム機で遊んだり、たいてい常備されているテーブルゲームで遊んでいます。

建屋が広かったり、複数の部屋があるフリースクールでは自習室と遊びの部屋を分けることができますが、部屋がひとつしかないフリースクールではどうしても勉強する生徒と遊ぶ生徒が同室になったりして、そういった対応が実際のところなかなか難しかったりもします。

たとえば遊ぶグループを外に出かけさせる手もありますが、これも都会で外に遊び場が少ないフリースクールでは困難。またこういう場所ではスタッフが不審者に気を配る必要もあって(実際に知らないおじさんが公園で生徒にカメラを向けていた事例があります)、かなりリスキーなのが実情です。

したがって、勉強する生徒と遊ぶ生徒が同室になると、静かに遊ぶような形になるか、勉強する生徒が集中できずに結局勉強をあきらめて遊びに合流する光景がよく見られます。

あくまでもフリースクールでの活動は上記の前提2.のように生徒の自由に委ねられているので、来室する生徒に何かを強制させることはありません。つまり勉強するもしないも自由ですし目の前の遊びに参加するかどうかも自由。「勉強したくない」思いが尊重されるのが、フリースクールの特徴です。

また、「9時から16時まで」という枠が決まっているフリースクールでも、途中来退室は時間の枠内なら自由。なので、目が覚めた時間に合わせて来室することもできますし途中で帰ることもできます。閉室ギリギリの時間に来たり「今日は気が向かないので帰ります」と朝のうちにさっさと帰った生徒もいました。

前述した都会ではなかなか難しい外での活動ですが、郊外のフリースクールだとたとえば河川敷の散歩に出たり、敷地を利用して農園を作って野菜や果物を栽培するなど日常的に外での活動を取り入れているところもあります。後者だと食育にもつながる活動になります。

また、みんなで広い公園に出かけて思い切り身体を動かす活動も取り入れられています。バドミントンや各種ボール、グローブなどを豊富に取り揃えて、スタッフを交えてキャッチボールやドッジボールをすることも。もちろん気が乗らなかったり運動が苦手な子どもは見学という形も取れます。

僕は元来体育というものはそんなに好きではありませんでしたが、フリースクールで毎日野球やバドミントンなどで身体を動かしていくうちにこれが楽しいと思えるようになり、今でも身体を動かす機会には自ら進んで参加するようになりました。フリースクールで自分が一番大きく変わったところかもしれません。

あとがきに代えて―うちの子、フリースクールでも大丈夫なのかな?と思ったあなたへ

率直なことを書けば、フリースクールでも生徒同士のぶつかり合いはあります。というか、そんなことはむしろ日常茶飯事と言って過言ではありません。僕が通っていたフリースクールでも、スタッフをしていたフリースクールでも、かなりこういうトラブルを目にしてきました。

僕は、正直なところ、こればかりは仕方ないと思っています。

そもそも「学校が嫌い」「人が苦手」という強烈な個性を持った子どもたちが集まる場です。強い個性のぶつかり合いは、むしろない方がおかしいです。そこで冷静に話し合える子もいれば、手が出たり嫌がらせという形で表す子もいます。

もちろん、手を出したり嫌がらせをすることがフリースクールでなら許されるわけではありません。いくら自由が尊重されているからと言って「それはダメ」と叱られる場面もあります。

なるべく衝突を避けるような配慮を取ったり、当然スタッフ側も情報を把握して対応策は話し合いますが、あまりこういう場面でスタッフが介入してむりやり解決に持っていった話は実は聞いたことがありません。これは、こういうぶつかり合いも一種の社会勉強、人間関係の育成と捉えているからだと考えています。

フリースクールはただの遊び場ではありません。あくまでも学びの場だと僕は思っています。たとえ勉強はしなくとも、様々な活動や人間関係からいろんなものを学び取る場です。実際、人間関係がうまく行かずにフリースクールを辞めたり違うところへ移った例もごまんとあります。

ここまでフリースクールについてやや肯定的に述べてきましたが、こういうシビアな一面があることも、ぜひ頭に入れておいてほしいと思います。

もし何か子どもが気になることを言ったり、何か被害を受けていることがわかったのなら、迷わずスタッフに相談はしてください。むりやり解決に持っていくことは困難ですが、少なくとも情報は共有されてそれ相応の配慮がなされたり、日を改めて面談という対応もあるかと思います。

全5回、フリースクールについて書いてきましたが、この連載を通じて少しでも実態のよく分からない「フリースクール」という場について知ってもらえれば幸いです。

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山本 駿

山本 駿

子どものころより過度に敏感な特性を持ち、中学3年間を不登校で過ごす。大学卒業後、不登校ボランティアを経て2014年よりD.Liveに参画し、現在は通信制高校教員を両立しながらTRY部や不登校講演事業を中心に担当。HSP(Highly Sensitive Person)特有の極度な繊細さを活かし、今を生きる子どもたちの先生でも友達でもない「ナナメの関係」になることを目指しています。