朝、駅のロータリーを駆け下りると嬉しい光景があった。
ぼくの教室に通う生徒二人が、ならんで登校している姿だ。
二人とも、それぞれに理由があって学校へ行っていない。
いわゆる不登校だ。
ぼくは、彼らのような不登校の子ども達が通える教室「昼TRY部」(ひるとらいぶ)を運営している。
今年の3月ごろに開校したのでそろそろ半年になる。
開校してすぐのころは、生徒たちがならんで登校する日が来るなんて思ってもいなかった。
通い始めたばかり生徒はだいたいこんな感じだ。
同じ時間の電車で駅についても、自分から声をかけることはなく距離をとって歩く。
絶対、相手が昼TRY部に通う生徒だってわかっているのに。
ぼくは後ろからそれをヤキモキした気持ちで見ていた。
「声かけたらいいやん」
何度この言葉を飲み込んだことだろう。
登校するときまで自分が口を出すことじゃない。
そう言い聞かせてグッとこらえた。
別に生徒たちは仲が悪いわけではない。
むしろ教室ではこの写真のようにとても楽しく過ごしている。
笑い声も教室に響いていて、外からも聞こえるくらいだ。
せっかく教室で楽しくしてるんだから、もっと距離が縮まったらいいのに。
日毎にそう思う。
思いはするが、一緒に登校するかどうかなんて大人が口を出すところじゃない。
生徒たちに任せる部分だ。
それは重々承知しているので、もっと距離が縮まればという思いはぼくの中だけに留めていた。
それが9月に入り、急に生徒たちがそろって登校する日がやってきたものだから、ぼくの心は踊った。
ついにそれくらいまで距離が縮まったんだと、生徒たちの成長を感じた。
やっと、やっとだ。
学校に行けていない子どもたちが同年代がいる場所に参加するとき、
相手と関わることに消極的になることはよくある。
初めてだから緊張することも当然あるが、心の中でうまく関係が作れるか不安な気持ちもあるからだ。
特に、友人やクラスとの関係で学校に行けなくなった子どもたちにとっては、同年代の子どもと関係を作るのは勇気がいる。
しかし、どの生徒も本来は誰とでも友好な関係を作っていける。
小さい頃、幼稚園で隣の子供と遊んでいたらすぐ友だちになっていたように。
学校に行けていないからといって、その力は失われていない。
ぼくたちの昼TRY部に通わせている保護者さんも
「学校に行けなくなる前は人懐っこくて、人と関わるのが好きだった」と言っていた。
そう、ぼくはようやく生徒の本来の姿を見ることができたのかもしれない。
昼TRY部に通うことで、少しずつ本来の生徒のすがたを見せてくれるようになったことが本当に嬉しい。
ならんで登校する生徒たちはこんなぼくの気持ちなんか一切知らないだろうけど。
このブログを読んでいる中高生。そして保護者さんに伝えたいことがある。
中高生のみなさん
一緒に登校できるような友だちができるような仕掛けが教室にはある。
そう。実はタネも仕掛けもあるのだ。
タネも仕掛けもあるから、初めて来ても楽しめる。
安心してすごすことができる。
どんな仕掛けがあるか、ぜひ確かめに来てほしい。きっと気に入ってくれるはずだ。
保護者の皆さま
もし、お子さんが学校に行けていないとしても安心してください。
そのようなお子さんは、実はたくさんいます。
お子さん自身もそれを知るだけでも安心します。自分は学校に行けなくてダメなやつだと思っている子どもにとっては、それだけでずいぶん気持ちが楽になることでしょう。
ぼくたちの教室は、子どもが本来のすがたを取り戻せる教室です。
友だちが増えたり、勉強する気になったり。
学校に通えてたころにできていたことがもう一度できるようになります。
それは、生徒が安心して過ごせるからです。安心感が自分を取り戻すカギです。
お子さんがたとえ学校に行けなくても、お子さんの育ちと学びを一緒に考えていくのがぼくたちです。
教室についてご興味おありでしたら、下記バナーからぜひご覧ください。