不登校の中学生が始業式に行けたのは、きっと「安全基地」でエネルギーを溜められたから

今日は、不登校の生徒のための居場所「昼TRY部」でした。

昼TRY部は毎週月曜・木曜の10時〜13時まで開校しています。
生徒たちは、自分で持って来たワークで勉強したり、ボードゲームしたり、一週間のできごとをお互いに話し合ったりして過ごします。

 

多い時は7人くらいの生徒がきて、小さな学級のような気分になるときもあります。
当然、年齢も学年もバラバラです。部活でよくある先輩と後輩の上下関係もないので、変に気をつかうこともありません。

 

そんな昼TRY部ですが、今日は生徒が3名だけでした。

もともと今日はこない生徒もいますが、その生徒の数を引いても少ない。

 

事情を聞いてみるとなんと始業式に行ったとのこと。

 

 

驚きました。

と、同時に嬉しい気持ちにもなりました。

きっとプレッシャーもあったと思います。
勉強やクラスの関係など不安なこともあったでしょう。

 

でも、それらをはねのけて勇気を出して始業式に行った。

その勇気を私は讃えたい。

 

 

ちなみに私たちは、生徒たちに学校へ行くように働きかけたりはしていません。
自分たちで決めたことです。

 

 

だからこそ、ここで一つどうしても気になることがあります。

どうして始業式行けたんだろう?

 

いろいろと考えを巡らせた結果。脳科学者の茂木健一郎さんが唱えている「安全基地」を思い出しました。

 

「挑戦」のためには、「安全基地」が必要である。つまり、脳の情動系の中で、「確実」なものがあると、その分、「不確実」なものを積み増すことができるのである。
「安全基地」になるのは、何よりも、他人との絆である。たとえば、子どもにとっては、親との絆が安全基地になる。過保護過干渉や、自由放任ではなく、愛情をもって見守ってもらうことが、子どもの安全基地になり、子どもは安心して挑戦できる。
 
大人になっても同じことで、他人との絆が安全基地となる。友人が多い人の方が、挑戦はしやすい。友人から、こんなことをやってみないか、という示唆を受けることも多いから、それが、自分を超えるきっかけとなる。
 
 
(茂木健一郎さんのブログより引用)

 

どうして始業式に行けたのか。

それは、昼TRY部での生徒同士の関わりが始業式に行った生徒の「安全基地」になったのではないかと思うのです。昼TRY部での関わりが生徒にとって安心できるものだったから、茂木さんが言う所の「確実」な体験になったんでしょう。「確実」な体験というのは、「友だちと楽しくやれている」という生徒自身の実感のことだと解釈しています。

 

昼TRY部は小5〜高3の思春期の時期にある子どもたちが対象のフリースクールです。
思春期の子どもたちにとってクラスの人間関係というのは、ぼくたち大人が考えている以上に非常に大きな関心事です。

 

もっといってしまえば、この時期の子どもたちは自分がクラスからどう思われているかをとても気にします。
教室に通う生徒の一人も言っていました。
「友達は自分のことわかってくれるけど、同じクラスの人から変なやつって思われるのはイヤ。」

見られ方を非常に気にする子どもの気持ちが伝わって来ます。

 

 

二学期が始まり、今まで家にいたけどなんとか学校に行ってほしいと願う保護者の皆さま。
そのお気持ちはよく分かります。

 

だから私はお子さんの「安全基地」を見つけることをまずはオススメいたします。学校に行けない子どもにとって学校は危険地帯です。いきなり飛び込むのは、ちょっと厳しいです。ですので、危険地帯に踏み出すためのエネルギーを蓄積できる「安全基地」で過ごして、少しずつ子ども自身が「学校に行っても大丈夫かも」と思えるようにしませんか。

 

 

昼TRY部に通う生徒は、少しずつ生徒それぞれの挑戦に向かうエネルギーがたまってきている様子です。
一切勉強しなかった生徒が、進んで勉強するようになりました。
なかなか友達に素直になれない生徒が、友達に「一緒に帰ろう」と声をかけられるようになりました。
家での会話が明るくなったと生徒の保護者さまから言っていただきました。

 

子どもにとって安心できる場所だから、小さな成長や自信が生まれていきます。
焦る気持ちもわかります。その気持ちを解消するためにも、子どもの「安全基地」をさがすことから2学期をはじめるのはいかがでしょうか。
昼TRY部でよろしければ、私たちはいつでもご面談・ご見学を受け付けております。

昼TRY部について
開校日:毎週月曜・木曜10時〜13時
場所:滋賀県大津市のコワーキングスペースMaghouse (JR瀬田駅徒歩3分)
対象:小5〜高3のお子さん
その他、詳しいことはこちらのページよりご覧ください。

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この記事を書いた人

D.Live副理事/元小学校教員
自分に自信が持てない、自分を好きになれない、そんな人が自分を好きになり前向きにチャレンジできる社会を創るためにD.Liveを立ち上げた。
自尊感情に関心が高く、D.Live内では主に自尊感情に関する事業を担当。

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