【5.27 イベントレポ】不登校の子どもだからこそ、とりあえずじゃない進路選択ができるはず
ーー不登校の子どもだからこその可能性がある。
5/27(土)に「よくわかる不登校 なぜ朝起きられないのか」というイベントをおこない、そう確信する出来事がありました。
イベントは、不登校だった経験のあるスタッフの山本と一緒に、参加してくださった保護者さんにむけて、進学や勉強のことを中心に2時間お話しさせていただきました。
会の中で、一人の保護者さんがこのようにおっしゃっていました。
ーーうちの子どもは、本当は学校に行きたくないんだと思います。でも、がんばってお昼から学校にいったり、朝から学校に行ったりしています。1日学校で過ごした日はすごく疲れているので、次の日は学校をおやすみします。子どもはずっとこんな調子で、学校に行ったり行かなかったりが続いています。
以前、学校に行くのが本当につらそうなときに、「今日は休んでもいいよ」と言ったことがありました。そのとき子どもが心の底からホッとした顔をしたんですよ。びっくりしました。こんなに安心するだって。だから、きっと「学校に行かなくてもいい」と言ってくれるのを子どもは待っているんです。でも、私はできれば学校に行って欲しい気持ちがあるので、子どもはがんばって登校しています。
でも、私も子どもがつらい顔をして学校にいく姿や、帰ってきてグッタリしている姿を見るのはつらいので、「学校行かなくてもいいよ」って喉の奥まできてるんですよ。本当は。でもねぇ、私も不安なんです。ずっと学校に行かなかったら進学はどうなるんだろう。友だち関係はどうなるんだろうって。
きっと、この保護者さんが話してくれたことって、不登校のお子さんがいる多くの保護者さんが感じられることだと思います。もし自分の子どもが不登校になったら、ぼくだって進学や勉強はどうなるんだろうって不安になります。
しかし、ぼくは不登校の子どもたちって実はすごい可能性をひめているとも思っています。
お話しくださった保護者さんに、ぼくはイワシの話を伝えました。
イワシは画像のように、群れになって海を泳ぎます。
群れになって泳ぐことで、大きい魚に食べられないようにしてるんですね。このイワシたちは、危険がせまるとパッと泳ぐ方向を変えます。これまでまっすぐ泳いでいたイワシのむれが、一斉に右を向いたり左を向いたりするんです。
実はこのイワシの方向転換のとき、群れとは逆の方向に向くイワシが数匹だけいるんです。
うまくできてるなぁと思うんですが、この逆を向くイワシのほうが実は生存確率が高いんです。
大きな魚はたくさん魚を食べたいですから、群れの方に向かいます。だから、みんなと同じ方向に逃げたイワシは結局食べられちゃう可能性が高い。一方で逆を向くイワシは、群れとは違う方に進むから大きな魚も追って来ないので難を逃れるんですね。
ぼくには、不登校の子どもは群れとは逆を向くイワシに思うときがあります。
とりあえず学校にいって過ごしてくれたら、確かに親としては安心します。
友だちと話すかなとか、算数や国語を勉強して帰ってくるんだろうなと想像がつきます。
しかし、この「とりあえず」が続くとゆくゆくは就活で悩む大学生になるんじゃないかと、ぼくは心配します。
というのも、
とりあえずこのくらいの成績だから、この高校に行こう。
やりたいことは見つからないけど、大学行けば何か見つかるだろうから、とりあえず大学に行こう。
こうやって、「とりあえずとりあえず」が続くと、どうなるでしょう。
「やりたいことが見つからない」
「自分の長所がわからない」
こんな学生が最近すごく多いです。
とりあえずで進学したけど、何の仕事に就きたいのかわからない。けど、就活の時期にきたから周りに合わせて、とりあえずエントリーシートを書いて、とりあえず面接を受ける。こんな気持ちでは当然内定はもらえません。「お祈りメール」をもらい続けるうちに、自分には価値がないと思うようになり、就活でうつになったり、自殺する学生もいるそうです。
ぼくは子どもたちがこんな風になってほしくはありません。だから、「とりあえず」で進路を選んでほしくない。時間がかかっても自分が納得できる進路を選んで欲しい気持ちです。
話を戻します。
不登校の子どもが、とりあえずで学校に行くくらいなら、この時期からじっくり勉強する意味や進路を考える時間にしてはどうでしょうか。確かに時間もかかるでしょうし、迷うこともあるでしょう。しかし、とりあえずで進学して、たった数ヶ月で「やりたいこと」や「就きたい仕事」を選ばされるよりずっと良いはずです。
ぼくたちD.Liveが運営するTRY部という教室に、中3から通っている生徒がいます。
この生徒も不登校で、学校に行ったり行かなかったりがずっと続きました。そんな彼も、もう高2になりました。少しずつ進学を考える時期です。
「どこの大学にいきたいの?」と彼に聞いたら、「虫が好きだから、虫の研究ができる沖縄か愛媛の大学に行きたい。だから夏に一回、沖縄の大学を見学してみようと思っている。」と言っていました。力強く答える彼の姿に、ぼくは心の底から感心しました。
彼が学校に行けなかった時期は、自分が何をしたいのか、何を目指すのかが定まっていませんでした。だから、何か一歩踏み出したくても踏み出せない。学校に行こうと思っても、行けない。TRY部に通うようになって自分で小さな目標を立てたり、好きな虫について他の生徒の前でプレゼンをしたり。こんな経験を通して少しずつ少しずつ、彼なりにとりあえずじゃない進路を選ぶようになりました。
彼の成長を近くで見てきたからこそ、不登校であってもとりあえずじゃない納得の進路選択ができる。
僕はそう信じています。
でも、実際どうしたら納得いく進路選択できるんだ?
それは分かるけど、やっぱり不安な気持ちがある!
そんな保護者さんにオススメしたいのが「思春期の子どもとの関わりかた講座」です!
小5〜高3のお子さんがいる保護者さん、5名限定のこの講座。
5名限定だから、自分の気持ちをじっくり話せます。
5名限定だから、講座の内容をしっかり理解することができます。
次回は 6/17(土)14:00 – 16:00 @コワーキングスペースMaghouse (JR瀬田駅3分)
テーマは「不登校経験者と語る 学校を休みがちになった時のキモチ」です。
進学や勉強、友だち関係など不安なことや気になるを不登校を経験したゲストたちに聞いて、自分ができる子どもへの関わり方を見つけましょう。
(参加予定のゲスト)
・20代 学生
・20代 社会人(NPO勤務)
さらにきていただく予定です!
お申し込みはこちらのフォームから