僕に出来るのだろうか……。
ずっと不安に思っていた。自信がなかった。
僕は、不登校を経験している。引きこもりになったこともある。
だから、学校へ行けなくて苦しんでいる子どもたちの気持ちはわかる。
でも、自分には、“不登校支援”をする資格は、ないと思っていた。
臨床心理士でもない。カウンセラーでもない。
心の問題は、難しい。素人が気軽に手を出して良い問題でもない。
だから、ずっと不登校支援は避けてきた。
見て見ぬふりをしていたと言っても良いかも知れない。
不登校の相談を受けるたび、「自分でいいのだろうか?」と思った。
学校にはスクールカウンセラーがいるし、病院には心療内科もある。
世の中には、たくさんの臨床心理士がいて、有象無象ではあるもののカウンセラーもいっぱいいる。
そんな中で、あえて僕が不登校の子どもと関わる必要があるのだろうか?
なにができるっていうのだ?
免許取り立ての人がF1レースに出るようなものだ。
太刀打ちが出来るわけがない。
そう思っていた。
あるときまでは……。
僕自身が不登校経験者だと言うこともあり、少しずつ、不登校の相談が増えてきた。
なにができるだろうか? と、不安な気持ちを抱えながらも相談を伺う。
保護者の悩みを聞いていると、ある共通点があった。
「カウンセリングが合わなかったのです」
保護者が、口をそろえて言う。
「何回か言ったりしたんですけど、子どもが行きたくないというんです……」
そう言って、僕のところへ相談に来られていた。
僕は、カウンセラーはすごい。
カウンセラーでない自分は、すごくない。
なんとも簡単な図式で考えていた。
しかし、そうではなかった。
「この人なら、なんとかしてくれるかも知れない」と、保護者の方々は淡い期待を抱き、僕のところへお越しになる。
自信がない。スキルがない。なんて泣き言を言っている場合じゃなかった。
「なんとかチカラになりたい!」と思って、保護者面談、生徒面談をおこなっていった。「自分ができることをやろう」と、開き直った。
すると不思議なことに、できるのだ。
子どもが変わっていくのだ。
自分でもわけがわからなかった。
どうして、資格を持っているカウンセラーの人たちが出来なくて、素人の自分が出来るのだろうか、と。
初めは、偶然かも知れないと思った。
けれど、何度やってもうまくいくのだ。
一年ほど学校へほとんど行けなくて悩んでいた子が、たった一回だけ話を聞いただけで、別の進路を決めて自分の道を歩くようになった。
何度か話を聞いた不登校だった子がニュージーランドへ留学へ行った。
「どうしてなんですか?」
こんなことあったんですと話すと、良く聞かれる。
「いや、僕もよくわからないんですよ……」と、僕は苦笑いするしかなかった。
わからなかったんだ。ほんとうに。
答えがわかったのは、つい最近。
「そうか、不登校の子どもは迷子なんだ」と気がついたから。
カウンセラーや心療内科は、“原因を見つける”というアプローチ。
悪いところや問題を探して、それを取り除くことを専門にしている。
“胸襟を開く”という言葉があるように、このアプローチで大切なのは、しっかり打ち明けることだ。心の中に手をグイグイ手を入れられても、ガマンすることが必要になる。
文字通り、痛みがともなう。
しかし、子どもには痛みに耐えられるだけのチカラがない。胸を開き、心の中を見られるのが苦痛でたまらない。
「自分は悪いところなんてない!」と言って、医者が診療するのを拒否する人のように、子どもはカウンセリングを拒否する。
一方、僕がおこなうのは別のアプローチ。
終わったあと、子どもが「楽しかった」と言って帰る。
どうして、か。
これは、全くの無意識で、「なんとかチカラになりたい」と思っていた結果、出来ていたことだった。
不登校の子どもは、混乱している、迷っている。
これからどうしようか?
どうやっていこうか?
まるで、人生の迷子だ。
行く場所、帰る場所がわからない。
僕は彼らの手をとって、尋ねる。
「キミの家は、どこなんだい?」
戸惑った顔をして、子どもは答える。
「わからないんだ」
「そっか。じゃあ、ゆっくり考えてみようか」
これが、僕が不登校の子と面談をするときにおこなっていることだ。
僕がゴールを決めて、そこへ向かうためにどうするかをアドバイスをするのではない。
子どもたちが行きたいところ、目指すべき場所へ行けるように、一緒に進んでいく。
自分の中で行きたい場所は見つかっているのに、一人で行ける自信がなくて立ち止まっている子。
行き場所を見失い、混乱している子。
行きたい場所は明確だけど、どうやって行ったらいいのか道に迷っている子。
いろいろな子がいる。
行くべき場所(家)は、それぞれで違う。
「もうわかったし、ここでいいよ。バイバイ!」と言って、スタスタと帰っていく子もいる。
「不安だから、付いてきてよ」と、不安げに言う子もいる。
僕は、カウンセラーではない。医者でもない。
ただ、困っている迷子の子をお家まで送り届けるだけだ。
今まで、ずっと、不安に思っていた。
「自分にできるのだろうか?」と。
でも、違った。
僕は、カウンセラーになる必要はなかった。
「カウンセラーじゃないから」と、不安に思う必要もなかった。
すごい技術がなくても、ただ、子どもに寄り添って、一緒に歩いて行けばいい。
それだけで良かったんだ。
比べることなんてなかった。
カウンセリングは、プロに任せればいい。
僕は、子どもの手をとり、家まで送ってあげればそれでいい。
今日も、迷子になって困っている子に声をかける。
「キミは、どこへ行きたいんだい?」
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