僕が別室登校をあまりオススメしない理由

LINEで送る
[`evernote` not found]
Pocket

不登校から学校復帰を目指す第一歩として、「別室登校」という形が挙げられます。

これは要するに学校にはいるけれども、授業時間を教室ではなく違うスペースで過ごす登校スタイルのことです。たとえば保健室登校も別室登校のひとつ。ほかに空き教室や職員室、変わったケースでは用務員室で1日を過ごしていたという話も聞いたことがあります。

以前このコラムで書きましたが、僕は中学校の不登校時代、毎週1回月曜日に保健室登校をしていた時期がありました。しかしそこで学級復帰はできませんでした。それどころか、途中で再び登校を止めました。

僕は「別室登校」と言う形は、相当な覚悟と先生方のサポートが望めない限りオススメしていません。

学校という場所は、一度に何十人もの児童生徒をひとつの場所に集めて、一斉に対応(授業)する場所です。それによって教員の人数を抑えることができます。例えば教室にいる生徒30人に1人ずつ教員をつけると、きめ細やかな対応はできますが人件費やキャパシティの問題が出てきます。

先日、とある小学校の先生と別室登校の話題になったのですが、ある学校では不登校担当の先生を置き、別室登校の生徒専用のスペースを設けたそうです。しかしそれは教員にゆとりのある学校にしかできないことであり、次年度の継続はおそらく難しいだろう、と少し残念そうにおっしゃっていました。

このように別室登校は学校側においても大きな課題を残しているのが事実です。しかもそのほとんどが、先述した学校のように不登校対応専門の先生を置いたり、別室登校専用スペースを設けない限り解決できないものばかり。そのうえスペースを置いたところでまた新たな課題が発生することもあります。

別室登校の代表例として僕も経験した保健室登校が挙げられますが、生徒側から見た保健室登校の問題点は、以前にも書いています。

たとえば、保健室の先生がお休みの場合、たいていの学校で保健室は施錠されます。もし先生が在室しているときでも、重いケガや病気などで病院搬送する際の付き添い、健康診断などで保健室を空ける場合も考えられます。そうなると、保健室に一歩も立ち入ることができなくなります。

また、体調不良の生徒が多く来室した場合も、感染を防ぐために退室を命じられることがあります。

そして、僕の場合は、教員間で「ヤマモトくんが保健室登校をしている」という情報が共有されておらず、生徒指導教諭が突然現れて「お前はここで一体何をしているんだ」と睨まれたことがありました。すぐに保健室の先生がフォローしてくれましたが、僕はすごく否定された気分になりました。

保健室登校に限らず、別室登校という形になると基本的に「隔離」されるような気分を味わいます。なにもない、がらーんとした教室に机と椅子が1つか2つ。両隣の教室も空いているし、何よりも人の気配がない空間に先生とマンツーマンというのは非常に過酷です。それがあまり面識のない先生なら尚更です。

このあたりに耐えきれず別室登校を止める生徒は非常に多く、実際僕もそうでした。しかしこの別室登校を足がかりに学級復帰したケースがあるのも、また事実です。彼らはきっと、相当な覚悟と気力があったのだろう、と想像します。

たとえば校門に指一本触れるだけでも相当な労力を必要とする不登校の子どもたちがいます。家から一歩踏み出すのも大きな大きな勇気がないとできない子どもたちもいます。

そこまでしてしんどい思いをして、たとえ遅刻しても、別室でも登校できたのに、場所や教員の都合に振り回されてしまうのが別室登校の大きな落とし穴です。僕が別室登校にあまり良い思いをしないのは、こういうところです。

それでも別室登校を続ける子どももいます。そんな子どもたちを思うと、オススメはしませんが別室登校を排除していいとは思いません。もしも不登校の子どもたちが学校に興味を示すのであれば、まずは校門を一歩くぐれたことでもともに喜び、無理のない学級復帰計画をたてることが大切です。

そして、別室登校であっても教室という空間に立ち入れたことを受け容れてあげましょう。ある教員が「学校に来れたんだから普通に教室に入れるだろう」と別室登校を許さず無理やり教室に連れ込んだ結果、学級復帰できず再び不登校になるどころか教員への強い不信感を持ったまま卒業したそうです。

また、別室登校に励む子どもたちは、「どんな形でも『学校に行かないといけない』」という思いを抱えていることが多いです。しかし、学校は「行かないといけない」と言う思いを持って行く場所ではありません。その強迫概念に駆られているならば、まずはそれが誤りであることを、大人が優しく指摘すべきです。

◆小冊子『不登校の子が劇的に変わるヒミツ』をプレゼント中◆

下記フォームでお申込みいただくと、メールにファイルを添付し、お送りいたします。

お名前 (必須)

メールアドレス (必須)

お住まいの都道府県 (必須)

この冊子を知ったきっかけ (必須)
ホームページブログSNS知人からの紹介LINEYoutubeその他

この冊子で得たいことや知りたいことは何でしょうか?

ご不明点等ございましたら、こちらにお願いいたします。

LINEで送る
[`evernote` not found]
Pocket

山本 駿

山本 駿

NPO法人D.Live スタッフ / 高校非常勤教員(社会科) 京都出身。中学3年間不登校。岐阜県内の大学を卒業後、不登校ボランティアを経て2014年よりD.Liveに参画。主にTRY部や不登校講演事業を担当しながら、今を生きる子どもたちの先生でも友達でもない「ナナメの関係」になることを目指しています。