不登校は、チームスポーツだ。―びわ湖放送・健康フィロソフィ「不登校児への対応」を観て

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あなたのお子さんが、ある日突然思い詰めた表情で「学校に行きたくない」と言い出したら。

きっと、頭が真っ白になると思います。おそらく、事前によっぽどの不登校や子どもに対する知識が深くない限りは、どこのご家庭でもパニックになるでしょう。それは、「学校は必ず通わなくてはいけない場所」という、暗黙の了解がこの世の中には流れているから、だと思います。

僕は、不登校対応とは「チームスポーツ」だと思っています。

例えばサッカーにおいては、パスを出すことのできる味方が多ければ多いほど攻撃にバリエーションが生まれ、そのぶんゴールにつながりやすくなります。なかでも、とくに正確なパスを味方の攻撃陣に供給できる選手のことは「パサー」と言われ、チームでも非常に重宝されます。

しかし、いくら超優秀な「パサー」と呼ばれる選手がいても、味方や前線を張っている選手がいなければ、たとえパスの技術が最高であろうとなんの意味もありません。ときにロングボールで遠くにいる味方へピンポイントでパスしたり、ときに何人かでパスを回したりしてこそ、パサーは生きるわけです。

このたとえを、不登校で考えてみましょう。

不登校の当事者がもつ悩みをボールとすれば、パサーは当事者。そしてパスを出すのはその相談を受けてくれる相手(味方)、スクールカウンセラーなどが良い例でしょう。で、パスを出せる味方の選択肢が多ければ多いほど、悩みや居場所のなさを解決する可能性も高まることになります。

逆に、その「悩み」というボールからなるパスを出せる味方がいないと、結局当事者であるパサーがアテもなくドリブルし続けるしかありません。いくら悩みがハッキリしていたとしても、誰にも話すことができなければただただモヤッとするだけなのです。

先日、D.Liveのお膝元・滋賀のテレビ局、びわ湖放送でこんな番組を放送していました。

最初見たとき、僕はびっくりしました。ああ、精神科医のお医者さんって、こんな目線で不登校を捉えてるんだ、と。

この番組のコンセプトは「滋賀県民の健康を支える」ことなので、不登校問題をこうしたお医者さん目線で解説するのは、まだわかります。実際、番組中触れられた「社会での不登校の認識不足」というのは、大問題だと僕も思っています。学校関係者ですら、不登校を誤って認識している人が多いのは確かです。

ですが、不登校というのは、「木を見て森を見ず」では120%解決しない問題です。

ストレートに言うと、精神科のお医者さん「だけ」の判断で解決する不登校は、おそらく相当なレアケースだと思います。

たとえば、夜眠れず朝身体がだるくて起きられないという症状は、当事者だったころの僕にもありました。そして、いま関わる不登校のお子さんでもよく「昼ぐらいにゆっくり起きてくるんです」と不安そうに相談される保護者の方は結構います。

でもこれって、学校がしんどい、行きたくないという気持ちを無理ぐり押さえ込むには、他の子どもたちが学校にいる時間帯は寝るしかないんですよね。ゲームをすれば罪悪感を抱くし、勉強にも身が入らない。やることないから、ベッドに寝っ転がって学校に行きたくない気持ちと戦うしかない。

やがて学校が終わって下校するころになると、みんな家に帰ってゲームなり勉強なりしているだろうから自ずと元気になったり、意欲が出てくる。「学校がない時間帯」である夜に不登校の子どもたちが元気なのは当たり前なわけで、深夜遅くまで起きている子どもたちも珍しくありません。

だから、身体がだるくて起きられないわけです。

そして、もしも本当に学校のことがどうでも良いのならば、いくら不登校でも朝すっきり起きて、ゲームや遊びに興じているはずです。こうして不登校の子どもが朝だるいのは、本音は学校に行きたいと思っているのに身体が勝手に拒否している、だからしんどい、という背景があるのです。

もしこれがうつ病なり双極性障害のひとつだというならば、僕もこの病名がつけられていたことでしょう。広義で言えばうつ病なり双極性障害なのかもしれませんが、僕は不登校は病気である、と言われている気がするのと、そもそもの起きられない原因を探れていないため、なんだか抵抗を感じてしまいます。

実際、TRY部には、昼夜逆転の生活だった不登校の生徒が「朝起きる」という目標からはじめてこつこつ生活リズムを立て直し、学級復帰できた一例があります。ここに、精神科のお医者さんはいっさい介入していません。

不登校において、「決めつける」というのはタブーだと思っています。

サッカーで言えば、攻撃がワンパターン化している状態。攻撃のパターンが少ないと相手も「次あいつにパス出すな」と先読みして、パスを出す選手をマークするようになります。で、その結果、信頼してパスを出した味方がボールを奪われたり、それ以前にまずパスが繋がらなかったりします。

これって、朝起きられないし食欲もない、これは大変だきっとうつ病だ!と思って、何も考えずに慌てて精神科を受診するようなものではないでしょうか。最初はいいかもしれないけど、そのうち症状に悩む子どもが病気だとレッテルを貼られてますます苦しむ例も、もちろんあります。パスが繋がっていない証です。

世界の舞台で活躍する「パサー」は、いつどんなときでも冷静に周囲を見渡して、ダイレクトに絶妙なパスを味方へ供給します。この冷静さが必要なのは不登校支援も同じ。当然お医者さんという選択肢もありますが、スクールカウンセラー、不登校親の会など、パスを出す相手が常に複数いれば安心ですよね。

不登校支援は「絶対にこう」と決めつけるのではなく、何人もの大人の連携が大きなカギを握っています。

「不登校は、チームスポーツだ」というのは、そういうことなのです。

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山本 駿

山本 駿

NPO法人D.Live スタッフ / 高校非常勤教員(社会科) 京都出身。中学3年間不登校。岐阜県内の大学を卒業後、不登校ボランティアを経て2014年よりD.Liveに参画。主にTRY部や不登校講演事業を担当しながら、今を生きる子どもたちの先生でも友達でもない「ナナメの関係」になることを目指しています。