子どもに聞いた!学校へ行けない理由。
不登校の子たちに聞くと、「どうして学校へ行けないのかわからない」という子がいます。
自分は学校へ行きたいと思っている。
学校でいじめられているわけではない。
でも、なぜか行けない。
彼らに話を聞いていると、1つの共通点が浮かび上がってきました。
それは、“不合理な思い込み”が強いということです。
“不合理な思い込み”とは、論理療法の概念で、イラショナル・ビリーフともいわれます。
「~でなければならない」「~しなければならない」という、強い思い込みです。
人に愛されなければならない。
どんなときでもガンバらなければならない。
人の役に立たなければならない。
完ぺきでなければならない。
などがあります。(他にも人によっていろいろいあります)
1人の生徒を例に出しましょう。
中学3年生の彼は、なかなか学校へ行けませんでした。
どうしてかを詳しく聞いてみると、クラスメイトと仲良くなりたいけど、うまくコミュニケーションがとれないのだと言います。
具体的にどんな感じなのかを尋ねると、友達に声をかけると自分で話題をふっていかないと思うのだと言うのです。
また、音楽の時間。先生は、「歌うのがイヤだったら黙っていてもいいよ」と言ってくれるけれど、彼は「歌いたい」と思うのだそうです。
先生のために。しかし、歌いたくない。だから学校を休む。
彼は、「人に優しくしなければならない」「人の役に立たないといけない」という思い込みが強かったのです。
“人のために”なんとかしようと思って自分がしんどくなってしまっていました。
これは、本人にじっくりじっくり話を聞く中でわかったことです。
彼自身でも、「ああ、だから学校行くのしんどかったのか」とわかりました。
不登校は、子ども自身でも理由がわかっていないことがあります。
そして、その原因の1つは“不合理な思い込み”であることがあるのです。