子どもに聞いた!学校へ行けない理由。

不登校の子たちに聞くと、「どうして学校へ行けないのかわからない」という子がいます。

自分は学校へ行きたいと思っている。
学校でいじめられているわけではない。

でも、なぜか行けない。

彼らに話を聞いていると、1つの共通点が浮かび上がってきました。

それは、“不合理な思い込み”が強いということです。

“不合理な思い込み”とは、論理療法の概念で、イラショナル・ビリーフともいわれます。

「~でなければならない」「~しなければならない」という、強い思い込みです。

人に愛されなければならない。
どんなときでもガンバらなければならない。
人の役に立たなければならない。
完ぺきでなければならない。

などがあります。(他にも人によっていろいろいあります)

1人の生徒を例に出しましょう。

中学3年生の彼は、なかなか学校へ行けませんでした。
どうしてかを詳しく聞いてみると、クラスメイトと仲良くなりたいけど、うまくコミュニケーションがとれないのだと言います。

具体的にどんな感じなのかを尋ねると、友達に声をかけると自分で話題をふっていかないと思うのだと言うのです。

また、音楽の時間。先生は、「歌うのがイヤだったら黙っていてもいいよ」と言ってくれるけれど、彼は「歌いたい」と思うのだそうです。
先生のために。しかし、歌いたくない。だから学校を休む。

彼は、「人に優しくしなければならない」「人の役に立たないといけない」という思い込みが強かったのです。

“人のために”なんとかしようと思って自分がしんどくなってしまっていました。

これは、本人にじっくりじっくり話を聞く中でわかったことです。

彼自身でも、「ああ、だから学校行くのしんどかったのか」とわかりました。

不登校は、子ども自身でも理由がわかっていないことがあります。

そして、その原因の1つは“不合理な思い込み”であることがあるのです。

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この記事を書いた人

1984年 大阪生まれ 立命館大学文学部卒

中学時代は、部活に打ち込み、勉強では学年で常にトップ10以内。
しかし、中学3年生のときから学校がしんどくなり、誰とも話さなくなる。
野球選手を目指し、大阪の野球強豪校へ行ったものの、自信を失い退部。そこから学校へ行かず、河川敷で過ごす毎日をおくる。
浪人して立命館大学へ入学したものの、なにをしたいかが分からなくなり、行く意味を失う。1回生の夏から1年ほど、京都の下宿で引きこもる。
友人の支えもあり、復活。政治家の秘書やテレビ制作などのインターンをおこない、期間限定のカフェも開く。「自分のようにつらい思いをさせたくない」と思い、D.Liveを立ち上げる。
フリースクールや自信を取り戻す教室を運営。不登校に関する講演や講座もおこなっている。
京都新聞にして子育てコラムを連載中。
詳しいプロフィールはコチラから

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