草津市で子どもの居場所づくりを始めてわかった、「子ども食堂モデル」運営に欠かせない5つのポイント

こんちには、スタッフの得津です。
ぼくたちNPO法人D.Liveは、中学生の居場所づくり事業を週1回、草津市役所の近くで行っています。
だいたい10人くらいの中学生が毎週来ています。1回2時間程度で、「子ども食堂」のように地域の人と一緒にご飯を食べたり、遊んだりしながら過ごします。
子どもの貧困対策の流れで、子ども食堂というモデルは各地で普及が進んでいるようです。僕たちのところにも視察に来られることが何度かありました。各地でこのモデルが増えるにつれ、運営の仕方やそもそも論についての議論も増えているようですね。僕たちは夏からスタートしてまだ三ヶ月ですが、この間にもたくさんの記事を見かけました。
私たちの事業は厳密には子ども食堂ではないですが、似たようなことをしているので、運営を検討している方の助けになればと思い、三ヶ月の間で気づいた運営のポイントをまとめます。
1、学校の担任のように、子どもにとっての中心となる人が不可欠
いろんな人が、自分の関わりやすい形で運営に関われることがいいとは思いますが、子どもにとって軸となる存在は不可欠です。毎回人が変わると、子どもが不安になりますし、人によって進め方が微妙に変わるので子どもたちが慣れないので何となくギクシャクした雰囲気なってしまいます。
学校の担任のように、毎回子どもの前に立つ人は固定したほうがいいです。特にスタート一ヶ月は。子どもたちが慣れてきたら、交代しても問題ありません。
2、大人の人数は子どもの半分くらいは必要
ご飯も出すので、大人の人数はこれくらい必要ですね。よそから聞いた話ですが、小学生と大人が一緒に調理する活動をしている時に、あるグループが完全に子どもだけになり、非常に危険な場面があったそうです。心身の安心を保つためにも、人数の確保は子どもの半分くらいが目安かなと。
3、子どもと関わる上で大切なのが「空白禁止の法則」
「空白禁止の法則」とは、授業中、何もない時間や何をやったらいいのかわからない時間をつくってはいけないということです。これは、学校の教員が授業をするうえで欠かせないスキルの一つです。授業中に何もない時間があると、遊び出す児童生徒が必ず出るので、これを防ぐための法則です。空白を作らないために、2時間何をやるのかきっちりタイムスケジュールを作っています。
たとえば、こんな感じです。
1、3人組で一週間の出来事を話す(一人3分)
2、大学生に中学時代の思い出をインタビューする(60分)
- グループ分け 2分
- 説明 3分
- インタビュー 45分
- 感想のシェア 10分
3、食事の時間 (40分)
4、次回の連絡 (10分)
基本は1・3・4が固定で、2番の部分を毎回何をするか考えています。遊びの日もありますが、何で遊べるのか・いつまで遊べるのかは必ず指示します。
「好きにしていいよ!」と言った時のこちら側の想像を、子どもたちは必ず超えてきます。自由にさせると危ない場面もありますので、何をするか全体の見通しを子どもたちと共有し、空白の時間を作らないことが大切です。
4、ボランティアさんへの感謝の気持ちはその場で伝える
当然ですが、毎回こられた方にはお礼を言っています。マナーですよね。お礼を言った時に、ぽろっとボランティアさんの本音を聞けることがあるので、その時を逃してはいけません。活動の意義や改良点を見出すきっかけになります。
5、ふり返りは当日に
僕たちは、子どもが帰った後にその日の様子や困ったことなどを共有するふり返りをしています。1度しか来られない方も、ずっと来ている方も同じく意見を出してもらいます。その日ごとに子どもの様子は違いますので、次回に申し送るためにも気になったことや子どもの様子の共有は必須です。
まとめ
子ども食堂のような居場所づくりの運営は幼稚園に近いです。僕は一度、幼稚園に実習へ行ったことがありますが幼稚園の先生はチームでこれらを担っています。お遊戯をしている先生の裏で次の準備をしている先生がいたり、遊びの中に狙いや意図をもっていたり。幼稚園の先生の動きって実はすごい勉強になります。
だから、これから子ども食堂を始めようと思っている皆さんは、各地の子ども食堂の見学に行くのもいいですが、幼稚園の先生にチームでの動き方を教えてもらうのも非常に有効ではないかとおもいます。
もし、僕たちが行っている居場所づくり事業へ関心のある方は一度お問い合わせください。