ごめんなさい。先生、あなたの関わり方が子どもを苦しめているかもしれません。

LINEで送る
[`evernote` not found]
Pocket

「どんな魔法を使ったんですか?」

僕たちがおこなっている中高生の教室(TRY部)で保護者と話していたとき。
ふいに、こんな質問をいただきました。

保護者のかたは、現役の中学校教員。
自分の息子がしんどさを抱えている原因がわからず、TRY部へ来られました。

その子が宿題に取り組む時間は、毎日4〜5時間。
発達的な遅れもなく、本人は泣きながら宿題をする。

保護者が「いいよ」と言っても、ガンバって取り組む。
でも、しんどくなって学校へもなかなか行けない。

彼がきたのは、そんな状態のときでした。

それから1年近くがたち、保護者のかたと話していたときに冒頭のことをおっしゃいました。

「しんどそうにしているのは見ててわかってました。でもね、なんでしんどいのか全くわからなかったんです。
でも、ここに来るようになって、劇的に変わったんですよ。もう、顔を見るとわかるくらいに」

現役の先生にそこまで言わしめるって、なかなかありませんよね?
ああ、ご紹介遅くなりました。

はじめまして。NPO法人 D.Liveの田中です。
教育NPOを滋賀でやっています。

僕ね、教職免許持っていないんですよ。
教職は、取っていたんです。

ただ、2日でやめました。
「教職概論」とかがイヤすぎて。。。

学生時代、家庭教師や学習支援のボランティアはしていました。
でも、それだけです。

勉強はしているのですが、学校の先生に比べると現場経験や知識なんて全然足りない。
(だから、いつも先生はすっごく尊敬しています)

にも関わらずです。

そんな僕に、中学校教員の人が「どうやってやるんですか?」って聞いてくるのです。
おかしくないですか?

プロ野球選手が、草野球の少年を捕まえて「どうやってホームラン打つん?」って聞くようなものですよ!

 

foram

「滋賀 教育の日」推進フォーラム2016 開催について


僕、11月に滋賀県の教育フォーラムに登壇します。

滋賀県の教育委員会が主催です。

先生に向かって講演をするのです。
教職を2日でやめたやつが話すんです。

「こうやって子どもと関わりましょう」と、偉そうに語るのです。
高いところから。

いや、信じられないですよね。僕もです。

でも、実際におきているのです。こういうことが。

なぜか?

僕がスゴイからではありません。
魔法が使える、子どもたちに好かれるフェロモンを出している、そんなわけでもない。

ただ1つだけなんです。

1つだけ。

 

“自尊感情を知っている”からです。

 

今、日本の子どもたちは自信を持てていません。
世界と比較しても、いろんな統計で悲しい数字をたたき出している。

 

1

3

6

平成25年度 『 我が国と諸外国の若者の意識に関する調査』内閣府
平成27年度 『高校生の生活と意識に関する調査報告書』国立青少年振興機構


意欲も少なく、しんどさを抱えた子も増えています。

hutoukou

平成27年度『学校基本調査』文部科学省


中学生は、37人に1人は不登校になっています。

1クラスに1人は、学校へ行けない子がいるのです。

しんどいなぁ。学校へ行けないなぁ。

そんな子たちがこぞってTRY部にやってきます。
みんな学校へ行きたい子たちです。

行きたい。学校へなんとか行きたい。
でも、行けない。
しんどくなっちゃう。

彼らがTRY部へ来ると劇的に変わるのです。
学校も普通に行くようになる。

 

たとえば、1人の生徒。

彼は中学3年生のときにTRY部へ来ました。
学校へも行けず、ほとんど友達もいなかった。

それから半年ほどして、彼は長野県へ1泊2日で1人旅に出かけました。

今は、楽しそうに高校へ通い、生徒会に入っています。
文化祭や体育祭の段取りなどを精力的に取り組んでいるのです。
学校へ行っていなかった子がですよ?

日本人が誰もいないゲストハウスに泊まり、高校では生徒会に入って、小説も自分で書いてます。

もう、すごい変化ですよね?

そんな変化や成長がTRY部では、もうバシバシおこっているんです。

img_2675

仕事柄、保護者とお話することもたくさんあります。
保護者向けの講演もします。

普通の講演だと感想は、「参考になりました」「良かったです」だと思います。

でも、僕は違います。
泣く人が続出して、「安堵感を感じました」「涙が溢れて止まりません」って言われるのです。

悲しい話、泣ける話なんて一切していないのにも関わらずです。

それは、自尊感情について話しているから。

自尊感情が腑に落ちると、自分自身がラクになります。
ずっと力んでいたカラダがストンと落ちるように、力が抜けるのです。

そして、自分自身が、子どもがたまらなく愛おしくなる。

 

僕は、自尊感情はビタミンだと思っています。

江戸時代、脚気(かっけ)という病気がはやりました。原因は、「ビタミン不足」です。
当時、ビタミンという概念がなかったため、人々はこの病に苦しみました。

自尊感情も同じだと思うのです。

「子どもが自信を持てていない」「不登校になっている」
そうやって困っている背景には、自尊感情が大きく関係しています。
たくさんの人たちが自尊感情の大切さや概念を知ることによって、関わりかたを変えるなどの対策や予防が出来ます。

ビタミンの概念を知り、脚気を治していった当時の人々と同じように、自尊感情という概念が、子どもや子どもと関わる人たちにとって、まさに薬になるのです。

ビタミンの登場で社会が変わったように、自尊感情がわかれば、自分が見ている世界が変わります。

「できない子」と思っていた子を、思わず抱きしめたくなるようになる。
「できない子」ではなく、もっと違うように見えてきます。

 

よく、「自尊感情は目に見えない」って言われますが、実は見えるんですよ。
ちゃんと見える。

自尊感情を知ると、自分の中であらたな物差しができます。
「学力」「活発度」「優しさ」「自尊感情」というように。

優しさって数字で計れないけれど、わかりますよね?見えますよね?
それと同じなんです。

先生でない僕ですら自尊感情が見えるのです。

日々、子どもたちと過ごしている先生であれば、もっとハッキリとくっきりと自尊感情は見えるハズです。

 

先日、インターンをしてくれている大学生(男子)が相談に来ました。
「ぼく、自分に自信がないんです」と。

話を一通り聞き、僕は一言だけアドバイスをしました。
そして、すぐに家へ帰らせました。

2週間後。

どんよりと曇った彼の表情は晴れ渡り、自分から仕事を見つけだして取り組むようになったのです。
さらに、「自信がないから無理です」と言っていたのに、彼女まで出来ました。

たった一言だけで、彼は劇的に変わりました。

ウソみたいですよね?
僕も、あんまりこの話をしたくないんです。
だって、あまりにも出来過ぎているから。

でもね、人ってそれくらいに急激に変化を起こすのです。
一気に変わる。

僕はたった1つのポイントを突いただけなんです。
でも、それで彼は涙を流し、成長することになりました。

自尊感情を知っていたら、どんなポイントで引っかかっているかがわかるんですよね。
手に取るように。

dsc_1311
3連休のとき、高校生の合宿に参加しました。
そこで1人の女子高生と話しをしていたのです。

彼女は、高校1年生。
関西でも有数の進学校へ通い、両親も優秀。
しかし、彼女は「勉強へのモチベーションが一切あがらない。やりたくない。」と言うのです。

じっくり話を聞いていたあと、彼女に言われました。

「こんなにちゃんと話を聞いてくれた大人は、初めてやわ!」と。

僕は、この言葉を聞いて泣きそうになりました。

うれし涙ではありません。悔し涙です。

頭も良くって、良い学校にも通っている。両親も優秀で、愛情をかけて育てられている。
にも関わらず、ちゃんと彼女を見てくれる大人は誰1人としていなかったのです。
(少なくとも本人はそう感じていました)

もうショックでした。
大人を代表して、彼女に土下座をして謝りたいとすら思いました。

悔しかった。悲しかった。

きっと先生も両親も、精一杯愛情かけて関わっているはずなんです。きっと。
でも、彼女には届いていないんです。

なぜか?

関わっている大人が自尊感情を知らないからです。
脚気(かっけ)が流行していたとき。
軍医だった森鴎外は、原因は細菌だとずっと思い込んでいました。
結果、たくさんの死者を出したのです。

今の教育、子どもとの関わりも同じだと思うのです。

みんな良かれと思って関わっている。
でも、実はその方法は間違っているかも知れない。

超優秀で、あふれる情熱を持っていた森鴎外ですら、間違いをおこしてしまうのです。

でも、これは仕方ないと僕は思うのです。
先生は、悪くない。

だって、自尊感情についてキチンと学ぶ機会がなかったのだから。

森鴎外の時代も、細菌が様々な病気の原因になるということがわかってきたときでした。
だから、「細菌が原因」だと思い込んでいたのです。

僕の周りにも先生がたくさんいます。
みんなアツい思いを持ち、誰よりも子どものことを考えています。
夜遅くまで働き、朝は生徒よりも早く出勤する。

僕は30歳を越えた今でも、心の底では「先生になりたいな」と思っています。
それくらい、先生という仕事はステキで憧れ。
心から尊敬している。

だから、責める気持ちはありません。

ただ、ただ、知って欲しいのです。
自尊感情を。

教育というのは、毒にも薬にもなる仕事です。

たとえ良かれと思っていても、子どもにとっては傷つくこともあります。

 

hutoukoushinbun

不登校の理由は「先生」 学校と子どもの認識に16倍の開き【公開】(不登校新聞)

 

不登校新聞によると、教職員との関係が不登校の原因と感じている生徒は、26.2%。
一方、教職員は1.6%と回答するように、意識のずれ(回答差 16倍)が起きているのです。

 

これ、僕が思うに、本当にわかっていないと思うんですよね。
先生が。

良かれと思ってやっているから、自分が原因だなんて全く思っていない。
気が付いていないんです。

無意識のうちに先生の言動が子どもたちを傷つけていることがあります。
関わりかたが、子どもを苦しめているかもしれないのです。

相談してくれた女子高生も「先生は私のことをわかってくれない」と言ってました。
きっとその先生も、まさか彼女が「全然わかってくれていない」とは思ってもいないでしょう。
だからこそなんです。
だからこそ、自尊感情をわかってもらいたい。

自尊感情がわかっていれば、「ああ、この先生は自分のことをわかってくれているな」と、なるのです。

でも、知らないからそうならない。
自尊感情をわかっていないから、気がつけない。

「全然わかってくれない」と彼女が言うのです。
自尊感情は、how to ではありません。
手法ではないのです。

カメラのズームのようなもの。

今までよりも生徒が見えてくるのです。くっきり見える。
そうすると、今まで以上に良さや問題が見えてくるのです。

自尊感情は、手法やテクニックではないため、1つ1つ知識を入れて習得する必要はありません。
時間がかからない。
“自尊感情”というパッケージをまるごとインストールすれば、翌日から使えるのです。

もちろん使いこなすことは、簡単にできることではありません。

しかし、インストールさえすれば、あとは自分なりに使い方を変えられます。
「このように指導しなさい」という画一的なものではありません。
タブレットを導入する必要もなけれど、新しく授業時間を使う必要もないのです。

スグに、明日から実践で使えます。

先生は、とても忙しい。
書類づくりや会議、保護者対応。

でも、自尊感情を使うのに多くの時間は必要ありません。

いや、むしろ忙しい先生のほうが自尊感情を学ぶべきです。
少しの時間の関わりでも、子どもたちに効果的な対応ができるからです。
ズーム機能でくっきり見えるから、適切な手を打てるのです。

 

自尊感情を学ぶと、保護者対応も変わります。

生徒を見る目も変わるので、保護者へ伝える言葉も変わるのです。
そして、保護者自身を見る目も変わります。

このズーム機能は、人間であれば誰でも使えるのです。
保護者はもちろん、家族や友達にも。

 

学習塾で働いているうちのインターン生(大学生)が話してくれました。

「塾長や先生に聞かれるんですよ。どうして、キミは意欲のない生徒たちも熱心になるような授業ができるんだい?」と。
実際、たくさんの人が授業や関わりかたを学びに見学へ来るのだそうです。

塾の先生がアルバイトで働いている大学生の授業を学びたいと思うんです。

自尊感情がわかっていると、こんなことがおきます。

 

大学生ができるんです。
先生ができないわけないですよね?
自尊感情の本質は、まだまだ理解されていません。

脚気の問題に取り組み、ビタミンをはじめて発見した鈴木梅太郎。
彼がオリザリンを発表したときも、なかなか受け入れられませんでした。

自尊感情も同じ。

まだまだ、社会には受け入れられていません。
知らない人が多い。

やっと少しずつ教育委員会が主導となり、自尊感情の普及がはじまってきたところです。

 

これから間違いなく、先生は2つに分かれます。

「自尊感情を知っている人」と「自尊感情を知らない人」です。
保護者や生徒の信頼。
生徒の意欲。

両者では、全てにおいて圧倒的な差がでるでしょう。

経験も思いも知識もある先生にとって、自尊感情は鬼に金棒となります。

現場経験の少ない僕ですら、使いこなすことができているのです。
大学生でも実践で使えているのです。

先生ができないハズがない。

自尊感情の研修や講演で学びませんか?

 

%e3%82%b9%e3%82%af%e3%83%aa%e3%83%bc%e3%83%b3%e3%82%b7%e3%83%a7%e3%83%83%e3%83%88-2016-10-01-22-52-27

 

LINEで送る
[`evernote` not found]
Pocket

田中 洋輔

田中 洋輔

1984年 大阪生まれ 立命館大学文学部卒 中学時代は、部活に打ち込み、勉強では学年で常にトップ10以内。 しかし、中学3年生のときから学校がしんどくなり、誰とも話さなくなる。 野球選手を目指し、大阪の野球強豪校へ行ったものの、自信を失い退部。そこから学校へ行かず、河川敷で過ごす毎日をおくる。 浪人して立命館大学へ入学したものの、なにをしたいかが分からなくなり、行く意味を失う。1回生の夏から1年ほど、京都の下宿で引きこもる。 友人の支えもあり、復活。政治家の秘書やテレビ制作などのインターンをおこない、期間限定のカフェも開く。「自分のようにつらい思いをさせたくない」と思い、D.Liveを立ち上げる。 フリースクールや自信を取り戻す教室を運営。不登校に関する講演や講座もおこなっている。 京都新聞にして子育てコラムを連載中。 詳しいプロフィールはコチラから