夏休み明け、学校がしんどい子どもに「休ませる勇気」を。

お盆明けのTRY部。教室に入ると早々と来た生徒がやたらと難しい顔をしています。なんだろう?と思えば睨めっこしていたのは算数の問題集。
「夏休みの宿題、まだ終わらへんねん・・・。」
おそらく今、溜まりに溜まった夏休みの宿題を終わらせるのに必死なお子さんも多いはず。ひと月ほどある夏休みは、長いようであっという間に過ぎていきます。もしかすると、既に2学期が始まっている学校や地域もあるでしょう。
そんな長い夏休み明けは、同時に子どもたちに特に気を配る必要のある期間でもあります。
キーワードは「9月1日」
大方の学校で夏休みが明け、2学期の始業式が設定されていることの多い9月1日。実はこの日に、ある人数が突出して多くなるというデータがあります。
それは、「18歳以下の自殺者数」。
詳しいグラフは内閣府のページに譲るとして、学校が楽しくない子どもたちにとって、比較的長い1学期を終えた約40日間の夏休みは、長いようで短いほっと一息をつける期間でもあります。その期間が終わる、ということは、再び楽しくない地獄のような学校生活が再開することを意味しています。
約3か月間我慢して毎日黙々と学校に通うことを考えたら、毎朝7時に起きていたところを9時に起きたり、1日中家で過ごすことができて、顔もあわせたくないクラスメイトとも会わずに済む生活は、学校が楽しくない子どもたちにとって大きく心を休ませることができるわけです。
9月1日までちょうど1週間。学校が楽しくない子どもたちはそろそろ来週のことを考えるととても憂鬱に思っていることでしょう。食事が喉を通らない、なんだか暗い顔をしている・・・など、ちょっとでも子どもたちの様子が変だ、と感じた場合、どう対応すれば良いのでしょうか。
大事なのは、話を聞いてあげること
「学校に行きたくない」理由は、大人の我々も驚くほど様々な理由があります。そして、本人が言う理由とは別に違った「学校に行きたくない」理由が隠されていることもあります。
僕は不登校の当事者だったころはクラスメイトが合わないから学校に行きたくないんだ、と思っていました。でも、大人になってから学校と言う雰囲気や集団生活に馴染むことができなかったんだ、ということに気付きました。
クラスの○○くんが苦手、体育の時間が嫌い、などなど、どんな些細な理由でも、子どもを否定せずにただ話を聞いてあげてほしいです。あくまでも、「朝起きるのがしんどい」のは怠けてるからだ、などと説教するのはご法度。その瞬間、子どもたちは「話を分かってくれない」とますます周囲の大人を信用できなくなることに直結します。
「朝起きるのがしんどい」ことにも必ず理由があります。そもそも、その日に憂鬱な予定が入っている朝にスッキリ起きられる人なんて、おそらく大人でもそんなにいないと思います。朝起きるのがしんどいのは何故か、そこを一緒に探っていかない限り、子どもたちのモヤモヤが晴れることは一切ないでしょう。
「休ませる勇気」は、常に持ち合わせたい
もちろん、少しのアドバイスで「やっぱり学校に行く!」ということになるケースもありますが、常に子どもたちへ「学校休んでもいいよ」という選択肢を示す勇気は持ち合わせたい、と僕は思います。
時として、子どもたちは「絶対に学校へ行かなければならない」という一択しか持ち合わせていないことがあります。だから毎日憂鬱な表情で登校し、激しくエネルギーを消費して帰宅し、家にいる間は楽しいけど、翌朝また憂鬱な表情で登校する・・・という悪循環に陥ってしまう訳です。
ひょっとしたら、子どもたちは「学校を休む」と言う言葉を待っていないかもしれません。それでも、自分の身を守るために「学校を休む」という逃げ道を提示してあげると、きっと子どもたちはほっとした表情を見せてくれることでしょう。子どもたちに「学校行かなくても大丈夫なんだ」と心に余裕を持たせることはとても大切です。
いざ学校を休むことになれば当然学校の先生との連携も必要となってきますが、とにかくまずは子どもとしっかり対話し、不安を取り除いてあげることが、問題解決に向けて何よりの近道になることは、間違いありません。
ちなみに、昨年もこの時期に似たようなコラムを更新していますので、こちらもぜひご覧ください。
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