「役割」を通して考える居場所づくり

僕は「参加者」と言う立場が、実はかなり苦手。

セミナーにしろ、何かの交流会にしろ、黙って参加するよりかは例えば写真撮影係などその場において何かしらの役目を持っていた方がものすごく落ち着きます。学生時代もイベントの一参加者のはずが、スタッフの手が回ってないと見るやできることがないか主催者に確認して、飛び入りでイベントを回したりすることなんて、日常茶飯事。

もちろん静かに参加者としてイベントを楽しむこともありましたが、何か少しでも自分にできることでイベントの運営に協力したイベントの方が楽しさも段違いでした。振り返れば、小学校のころ運動会の「応援合戦」が大の苦手だった僕は、5年生から児童会役員になって応援合戦の採点者になり、めちゃくちゃ楽しくなったのをよく覚えています。

大人TRY部の男の子の話

で、ここで取り上げたいのが、先日代表・田中が書いた「大人TRY部」での男の子のお話。

大人TRY部の少年と仕事のやりがい

集合場所の会議室に来たときからひとりで輪の外でポツンと座り、いざチームを組んで出発!となったころには涙目で行きたくない!と参加することを拒んだ男の子。しかし、田中がふと男の子に変装して周辺をウロウロする役目を提案してみると、ノリノリでやってみたい!と即決定。

実は今回のイベントでの僕の役割がこの「変装して周辺をウロウロする役目」でした。もちろん楽しみだったのですが、ひとりでやることにちょっぴり不安なところがあったので、一緒に変装する「仲間」ができることになったときはなんともいえない心強さを感じました。

とはいえ、変装用品があまりなかったので、僕と男の子は2人で変装用品を買いに近くの100円ショップへ。残念ながら目ぼしいものがなく結局買わなかったのですが、カツラや王冠を指さして「これはちょっと派手かな?」「これつけてみる?」と男の子に色々提案してみると、さっきまで強張っていた顔が急に笑顔になった瞬間が忘れられません。

きっと僕が男の子の立場だったらものすごく嬉しかっただろうなあ、と思いながら、変装して南草津駅を逃げ回っていました。

役割を明確にすることで、居場所がひろがる

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TRY部でも、初めて見学に来てくれた子に対して、ワークである一定の役割を託すことがよくあります。

「イチからゲームを作る」というマイプロジェクトの準備の日、見学に来てくれた小学生の男の子は、準備に忙しそうな生徒を目前にしてつまらなそうにゲームの攻略本を読んでいたので、生徒に何かできることはないか聞いて、カードのイラストや色塗りという役割を託したところ、楽しそうに「はい!できた!」とイラストを描いていました。

学校現場やこういうイベント、居場所はもちろん、家庭においても、何かの役割を明確にすることは、その人に「この場にいていいんだ」という安心感を与えることにつながります。明日の晩御飯のメニューを決めるとか、洗濯物を取り込むとか、簡単なことでも役割としてお願いすると、子どもたちが思ってもいない動きをしてくれることがあります。

ちょうど今は夏休み。まずは小さなことから子どもたちに役割を託すと、いつもと違った夏休みになるかもしれません。是非お試しください!

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この記事を書いた人

子どものころより人一倍敏感な特性を持ち、中学3年間を不登校で過ごす。大学卒業後、不登校ボランティアを経て2014年よりD.Liveに参画し、現在は通信制高校教員を両立しながらTRY部や不登校講演事業を中心に担当。HSP(Highly Sensitive Person)特有の繊細さを活かし、今を生きる子どもたちの先生でも友達でもない「ナナメの関係」になることを目指しています。

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