社会人の仲間作りは、カフェ立ち上げ物語から学んだ

1995年。
大阪中央区南船場で一人の男がカフェを立ち上げようとしていた。

物件を決め、店づくりを始めた。
しかし、予算がなく、手作りで店の内装を作っていった。

そんなとき、彼はこんなビラを作った。

僕たちは”ペンキ塗りたい”、”店作りに参加したい”女性を募集します。
経験はいりません。ただし、面白いことに夢中になれる方のみ参加出来ます。
あまり沢山だと作業が出来ないので10名だけの限定募集をします。
一日だけでもOK。
ただし、交通費、給料なし。その代わりオープンする店の食事券をプレゼントします。

男は、カフェ作りの楽しさを沢山の人と分かちあいたい。
みんなと一緒にカフェを作りたい。

そう思って、一緒に手伝ってくれる人を集めた。

人手が欲しかったのはもちろんだけれども、「楽しさを共有したい!」という想いのほうがきっと大きかったんだろう。

男は、店の内装をしているとき、ふと幼いときに読んだ物語のことを思い出した。

それは、楽しそうにペンキを塗る少年が出てくる話。
マーク・トウェインの『トム・ソーヤーの冒険』だった。

男は、顔についたペンキを洗い流しながら、トム・ソーヤーの壁を塗るシーンをふと思い出し、このビラを作った。

それから20年。

当時は「こんな場所では無理だ」「すぐに潰れる」「せいぜい3ヶ月しかもたない」と言われた中でのオープンだったにも関わらず、今では全国に60店舗以上を展開するようになっている。

はじめは、手作りではじめたカフェ。
それが今では、丸の内や阪急梅田本店、グランフロント大阪に出店するまでになっている。

共感してくれる人、想いを一緒に持った人たちと共に歩んできたからこそ、今があるのだと僕は思う。

 

2016年。
僕たちD.Liveでは、新たな挑戦をおこなう。

ずっとやってきた子どもたちの教室。
このモデルを大人向けに展開する。

不登校だった生徒が一人旅に行くような、劇的な変化が生徒におこる教室のノウハウを元にしてはじめる。

教室というよりも、コミュニティ。
20代から30代の若手社会人たちの居場所。

僕自身が社会人になって苦労し、悩んだことから、「こんなところが欲しかった!」と思うもの(サービス)を考えた。

正直、めちゃくちゃオモシロい場所だと思っている。
「自分だったら行きたい!」と思えるものが打ち合わせの段階で出来てきた。

しかし、この場所は僕たちスタッフだけでなにをするか、どんな内容かを決めるべきではないと思う。

サービスをする側、お金を払ってサービスを受ける側。
そんな構図ではなく、一緒にこの場を作っていく人として関わっていきたい。

場の名前を、 『Playful company』と名付けた。
companyには「会社」以外に、「仲間」「友だち」という意味がある。

“一緒にワクワク出来る仲間がいるところ”

そんな意味を込めてこの名をつけた。

南船場にカフェを立ち上げた男がやったように、同じ想いを持った人たちと共にこの場所を作っていけたらと思い、1回目のプレイベントを開いた。

IMG_8275

まずは、参加してくれた人にどんなことをしたいのか、具体的になにをするのかを説明。
しかし、内容は完璧にはしていない。

「こんな感じのことをしようと思っています」とあえてふんわりと伝えた。
なぜなら、一緒に作り上げていって欲しいから。

実際に『Playful company』が始まったら導入しようと思っているワークも少しだけ体験。
「この1ヶ月で解決したい問題」について、みんなで話し合う。

そして、『Playful company』のキャッチフレーズをみんなで考えた。

IMG_8268

普通、キャッチコピーをサービスを受ける側が考えることはないだろう。
でも、ここではそれがいいのだ。

みんなで一緒につくりあげる。
参加してくれる人たちが「快適」だと思える場所にしたい。

極端な話、僕たちのアイデアよりも、参加者が考えてくれるほうが良いアイデアがたくさん出るとさえ思っている。なぜなら、彼らは当事者だから。

彼ら参加者が出してくれた素材を加工し、美味しい料理として提供するのが僕たちの役目。
カフェの内装は一緒に作ってもらっても、サービスをおこない料理を作るのがカフェの仕事なのと同じ。

いくつか出てきた中で、秀逸だったキャッチコピーが下記。

IMG_8269

『仲間によるあなたのための実行委員会』

Playful companyは、あなたの悩みや不安、計画について話し合う実行委員会を立ち上げます。
あなたのチカラになってくれる人や仲間、同じ情熱を持った人たちがここにはいます。
やりたいことを話しても理解してもらえない、同じ熱量で話し合える人が周りにいない。
そんなあなたにとっての居場所です。
スタッフでうんうんと頭をひねって出てこなかったキャッチコピーがたった20分で完成した。
しかも、すごくしっくりくる。
なにより、作っている参加者の人たち自身が「ここ行きたいっ!」と、言うほど。

お試しの2時間。
どこにもないこの場所のさわりを感じてもらい、僕としても満足だった。

感想をいくつか紹介。

「もっともっと個人の悩みについてみんなで話し合いたいです!」
「いろんな視点やアイデアに触れることが出来ました」
「仕事以外でグループワークなんて久しぶりにしました」

6月くらいに京都と滋賀で「Playful company」を始める予定。
4月と5月にもプレイベントをおこなう。

僕たち以上にこの場のおもしろさを感じてもらい、ぜひ参加してくれる人たちと一緒になってもっともっとオモシロクしていきたい。

文字通り、プレイフル(ワクワクする)場所へ。

僕たちの物語がはじまった。

目次

■ 「Playful Company」体験イベント詳細

日時:4月16日(土) 18時半〜21時
場所:Think Thank
京都市中京区雁金町373みよいビル202

参加費:1500円
定員:10人
 
お申し込み: info@dlive.jp にお名前、ご連絡先、所属を書いてご連絡 または 
Facebookのイベントページより「参加」ボタンをクリック!
 
よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

1984年 大阪生まれ 立命館大学文学部卒

中学時代は、部活に打ち込み、勉強では学年で常にトップ10以内。
しかし、中学3年生のときから学校がしんどくなり、誰とも話さなくなる。
野球選手を目指し、大阪の野球強豪校へ行ったものの、自信を失い退部。そこから学校へ行かず、河川敷で過ごす毎日をおくる。
浪人して立命館大学へ入学したものの、なにをしたいかが分からなくなり、行く意味を失う。1回生の夏から1年ほど、京都の下宿で引きこもる。
友人の支えもあり、復活。政治家の秘書やテレビ制作などのインターンをおこない、期間限定のカフェも開く。「自分のようにつらい思いをさせたくない」と思い、D.Liveを立ち上げる。
フリースクールや自信を取り戻す教室を運営。不登校に関する講演や講座もおこなっている。
京都新聞にして子育てコラムを連載中。
詳しいプロフィールはコチラから

コメント

コメント一覧 (2件)

コメントする

目次