実は小さな成功体験の積み重ねだった、あの人気ゲーム

前回のコラムでクッキングパパから成功体験を考えましたが、今回ももう少し娯楽文化から成功体験について掘り下げようと思います。今回取り上げるのがこちら。

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ご存じ、ポケットモンスターシリーズ。今月で初代「赤・緑」が発売されてちょうど19年、今でもなお子どもたちの人気も根強いゲームです。自分自身は金銀(とリメイク版のハートゴールド&ソウルシルバー)までしかプレイ経験がありませんが、人生で初めて手を付けたRPGとして思い出深いゲームでもあります。

当初151匹しか出てこなかったモンスターも今や700匹以上を数え、「メガ進化」など新たなシステムの登場など19年間で大きく進化したポケモンシリーズですが、今回はそこではなく、今も昔も変わらないゲーム内の主人公の行動を考えてみます。

そもそものポケモンのゲームの流れ

最新作でもほぼ同じなのですが、ここでは初代の「赤・緑・青・ピカチュウ」バージョンのシナリオを例に話を進めましょう。

このゲームでの主人公の大きなテーマのひとつに「ポケモンリーグでチャンピオンになる」という点があります。ポケモンリーグに挑戦するには、あらゆる街にあるジムでリーダーに勝つことで得られる「バッジ」を8つ集めないといけません。それだけでなく、各所にいるポケモントレーナーとの戦闘や、悪の組織「ロケット団」との争いなど、様々な困難が待ち受けます。

この流れ、実はうまいこと「長期目標」と「中間目標」に分類することができます。そしてそこから何をすべきかも見えてきます。

【長期目標】
「ポケモンリーグでチャンピオンになる」

【中間目標】
・各所にいるポケモントレーナーにひとりずつ勝利し、ポケモンのレベルを上げる
・様々な街にいるジムリーダーに勝利し、バッジを集める
・行く手を阻む悪の組織「ロケット団」を破滅に追いやる

【なにをすべきか】
・どんな種類のポケモンでも勝てるように、様々なタイプのポケモンを使えるようにする
・使えそうなポケモンと野生で遭遇したら捕まえて、どんどんレベルを上げておく
・あらかじめジムリーダーが使うタイプに効果が抜群なタイプのポケモンを用意する
・もしレベルが低いのにトレーナーをほとんど倒してしまった場合は、野生のポケモンを倒しまくる
・なかなか回復ができないダンジョンに行くときは回復できるアイテムを多く持っていく

中間目標やすべきことはあくまでも一例なので、他にも山のようにあるでしょう。中間目標をいくつもいくつもクリアしていった先に、「ポケモンリーグでチャンピオンになる」という長期目標が待ち構えています。そう、小さな成功体験が積み重なり積み重なり、大きな目標を達成する原動力となっていくわけです。

これ、勉強とゲームと言う大きすぎる違いはあるものの、年明けからD.Live塾で取り組んでいる「長期目標」と似通った部分もありますね。

旅を通して自己効力感をはぐくむ主人公

強敵のポケモントレーナーとの勝負になり、100%勝てる自信もない中でなんとかポケモンをやり繰りし、勝利を収める。これ、よくよく考えると主人公はある意味で自己効力感を伸ばし続けられる環境にいる、ということになります。

また、今回は取り上げませんでしたが、主人公に課せられるもうひとつの大きなミッションである「ポケモン図鑑の完成」も、珍しいポケモンの捕獲に成功したときなど、ある種の成功体験を味わえる要素が盛りだくさんです。その成功体験もやがて「ポケモン図鑑の完成」という大きな目標に繋がります。

ポケモンマスターへの旅と共に日々自己効力感を伸ばし続ける主人公。実際にいたなら、どんな少年になっているのでしょうか。

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この記事を書いた人

子どものころより人一倍敏感な特性を持ち、中学3年間を不登校で過ごす。大学卒業後、不登校ボランティアを経て2014年よりD.Liveに参画し、現在は通信制高校教員を両立しながらTRY部や不登校講演事業を中心に担当。HSP(Highly Sensitive Person)特有の繊細さを活かし、今を生きる子どもたちの先生でも友達でもない「ナナメの関係」になることを目指しています。

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