ボランティアという感覚がないくらいワクワクしながら昼TRY部に参加できました|ボランティアインタビュー #12
本日のボランティアインタビューは大学2回生の「ともちゃん」にお願いしました。
大学の関係で2月末でフリースクール昼TRT部のボランティアを卒業するともちゃん。高校生の頃からフリースクールと演劇に関心があったともちゃんに、フリースクールの生徒との関わりで嬉しかったことや表現することの魅力などについて伺いました。
動画ではなく文章で読みたい方は動画の下に記事としてまとめておりますので、ぜひご一読ください。
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ー本日はよろしくお願いします。ともちゃんは2月で昼TRY部ボランティア卒業されるので、これは今しかないと思い、いろいろ聞かせていただけたらと思っています。ともちゃんは2回生の初めに、ボランティアの問い合わせをしてくれました。過去にも2回生から連絡をもらったことはありますが、大学2回生って、まだまだ授業で忙しい時期だと思います。にも関わらず、ボランティアしたいと思ったのはどうして何でしょうか。
ともちゃん:私は、コロナとともに大学生活が始まったんです。本当だったらおこなわれていたはずの行事や実習がコロナでなくなったり延期になったり、授業のカリキュラムも大きく変更されたりしました。特に大学がスタートしたばかりの頃は、家で篭りきりでした。
ともちゃん:1回生はzoomで授業を受け、パソコンに向き合い続けるだけの生活でした。そんな生活にちょっと疲れちゃいまして。私はアクティブにいろんなことをするのが好きなタイプなので、元々興味があったフリースクールのボランティアをしようと考え、ネットで検索してD.Liveを見つけました。
ー元からフリースクールに興味があったとのことですが、それってどうしてなんですか。
ともちゃん:今は学校に通っていますけど、私の弟が不登校の経験があったんです。家族も当時は弟のほうにかかりきりだったので、姉としては少し寂しかったんですよね。だから、弟だけじゃなくて自分もフリースクールみたいな場所があれば行ってみたいなと思っていました。ですから、高校の頃からフリースクールなどについて調べていました。大学を選ぶときも、ずっと取り組んでいた演劇や表現することを、学校やフリースクールみたいなところで活かせられないかと思っていました。
ーじゃあ、ともちゃん自身も学校が楽しいというわけでなかったんですか?
ともちゃん:そうですね。学校には行っていましたけど、クラスが楽しいというよりかは部活(演劇)のために学校に行っていましたね。
ー本当に部活が好きだったんですね。自分の好きな演劇や表現を子ども達にも伝えたいと思うようになったのは、何かきっかけがあったんでしょうか。
ともちゃん:高3で進路選択のときに、恩師が論文を渡してきたんですよ(笑)。「この先生のこの論文読んどきな!」みたいに。だから、高校の頃から不登校や子どもの発達について論文を読みながら勉強していました。正直、難しかったんですけど、恩師のおかげで教育についてとても興味をくすぐられたので、教員になりたいという漫然とした思いから、教育学を深めたいから教育学部に進学するというように志望理由が変わりましたね。
ーなるほど!高校から論文を読んでいたなんて、すごいですね。高校の頃から教育について勉強した上で、昼TRY部のボランティアに来てくれたわけですが、はじめて参加した現場に対して戸惑いやギャップはありましたか。
ともちゃん:はい。今は水曜日の勉強を教える日に参加していますが、最初は木曜日の遊び中心の日に来ていました。みんなはゲームで楽しそうに遊んでいるんですよ。でも、私はゲームとか得意じゃないので、みんなが何をやっているか分からないんですよ。だから声を掛けるにも、なんて声をかけたらいいか分からなくて、ちょっと焦りましたね(笑)。最初は他のスタッフやボランティアさん達にくっつきながら、会話に参加しようとしたり、スタッフさんの真似をしたりしていました。
ーそうやって自分なりに生徒たちとの関わり方を工夫しながら、1年間ボランティアを続けてくれたんですね。1年間、生徒たちと関わる中で、ともちゃんが大切にしていたことについて教えてください。
ともちゃん:話はちゃんと聴くってことですね。勝手な解釈で返事をしないように気をつけていました。相手の話を聞いて、わかった気になっちゃうことってあるじゃないですか。「あぁ、そういうことね」みたいな感じで。でも、そんな話の聞き方だと子ども達に信頼されないなって思うんですよ。
ともちゃん:私、結構気にしちゃう性格なんですよね。相手と話をしていても、「今の自分の言葉で合ってるかな?間違ってないかな?」って気にしちゃうんです。だから余計に話を聞くことに気をつけていました。
ー卒業を目前にして改めてふり返ったときに、昼TRY部のボランティアで印象に残っていることを教えてください。
ともちゃん:生徒が自分から話しかけてくれるようになったことですかね。これまでは私から話しかけて話題をふってたんですけど、だんだん生徒たちから話してくれるようになったんです。この間なんか、「シャンプーを買い替えようと思って」と声をかけてくれたんです。日常生活のなにげない話を自分からしてくれるくらい仲良くなれたんだなと感じて、めちゃくちゃ嬉しかったですね。
ー演劇にずっと取り組んできた関係で、ともちゃんはインプロという即興劇的手法を使ったワークショップを昼TRY部でしてくれたことがあったじゃないですか。これについてはいかがですか。
ともちゃん:まず、生徒たちと一緒にインプロができたことが嬉しかったですね。これまでは大人や大学生とするばかりだったので、昼TRY部のハロウィンやクリスマス会で生徒たちとインプロをしたのは新鮮でした。素直なリアクションが生徒たちから出てきたのも、すごくよかったです。
ー私自身も過去にインプロを学んだことがありますが、受講するのと自分が進行するのは全然ちがう。進行する側になると照れや恥ずかしさがあって、なかなかできずにいました。だから、ともちゃんが昼TRY部でインプロのワークショップをしてくれたことは、私たちにとってもありがたい経験でした。長い時間、演劇やインプロに取り組んできたともちゃんが考えるインプロの魅力とはなんでしょう。
ともちゃん:一言ではなかなか言い表せられないんですけど、インプロの魅力は開放感や恥ずかしさを捨てて表現することだと思います。普段の人間関係には、上司と部下など立場があって、言いたいことを素直に言えないことがあるじゃないですか。素直に表現するためには、ある程度ふり切らないと、あれこれ考えちゃって難しいなとも思います。インプロの価値の1つに「検閲をなくせ」という考え方があるんです。「これ言わない方がいいかな」というような、言葉を口にする前のおこなわれる頭の中の検閲をインプロではおこないません。そういう意味では、日常で無意識におこなわれている頭の中の検閲に自覚的になれることも、インプロのいいところですね。
ーインプロだけでなく、丁寧に学習のサポートをしてくれたともちゃんが卒業するのは本当に寂しいです。いよいよ最後の質問なりますが、これからフリースクール昼TRY部のボランティアをしたいなと考えている方へメッセージをお願いします。
ともちゃん:こんなこと言ったら失礼かもしれないんですけど、あんまり気負わなくていいと思います(笑)。昼TRY部に来て思ったのは、ボランティアをしている感覚じゃないんですよ。本当に純粋に楽しく遊んだり勉強したりしていました。「今日はあのゲームで勝ってやろう」って考えながら昼TRY部に来る日もありましたし、ワクワク感が毎回ありましたね。ネットの応募の文章を見るとハードルの高さを感じるかもしれないんですけど、気負わずにエントリーしてもらえたらいいんじゃないかなと思います。
お知らせ
自分に自信がもてない思春期の子どもたちが、自分の自信を取りもどせる居場所づくりをしているNPO法人D.Live(ドライブ)。D.Liveでは3種類の子どもの教室を運営しており、ボランティアを希望する学生や社会人が自分の時間や関心に合った教室を選べるようになっています。