保護者のかたやお子さんに、「不登校のときに先生にしてもらって嬉しかったこと」をお聞きました。
1人の子にすべての時間を割くことは不可能だし、先生という仕事上、どうしてもかかりっきりになるのは難しいと思います。
けれど、不登校になると保護者さんも子どもも不安になります。
学校へ行けなくても、「いつか復帰したい」という気持ちは、多くのご家庭が持っています。
だからこそ、先生や学校とは繋がっていたいのです。
しかし、良かれと思う先生の関わり方が負担になったり、しんどく感じることもあります。
不登校のご家庭との関わり方は、先生も難しいと思います。
「不登校ってよく分からない」というのが本音ではないでしょうか?
先生方に、こちらの保護者の方々の声をぜひ参考にしていただけましたら嬉しいです。
無理なく学校と繋がれるように考えてくださっています
児童支援の30代の先生が、週一くらいで子どもと遊んでくれます。 家のすぐ前が運動場なので、サッカーをしたり雨の日は体育館でバスケットをしたりします。 校長先生と担任、児童支援の先生とで月1くらいで面談があり、無理なく学校と繋がれるように考えてくださっています。
`
その先生は一番好き
支援の先生が私が仕事に行っている間に、家に来てピンポンを鳴らして会いに来てくださると、息子はその先生の時だけは玄関まで出ます。 学校には行きたくないけど、その先生は一番好きだと言うくらいです。
無理強いすることなく、距離感を保ってくれる
週一の支援の先生と遊びたくないと言う日もありますが、そういうときは無理強いすることなく、距離感を保ってくださるのもありがたいです。
交換日記のようなやりとり
連絡帳に、休みますと本人から連絡を入れたところ、返事を書いてくれて、毎日交換日記のようにやり取りが続いています。
学校に来いとは言われなかった
訪問時に、学校に来いとは一切言わず、自宅訪問してくれて勉強を教えてくれたことがありがたかったです。
若い人を連れてきてくれた
子どもの趣味を全力で受け止められる若い人を連れて来てくれ、その人と子どもがカードゲームを一緒にやるようになりました。
遅くまで勉強を見てくれる
ありがたいなと思うことは、別室の先生が週1で家庭訪問してくださり、受験対策で担当の数学を1時間以上も教えてもらっていることです。 娘が唯一、気楽に話せる先生だからこそ出来ていると思います。 19時までみてくださる日もあり申し訳なく、でもありがたいなとつくづく思います。
私たちの考えを尊重してくれた
今の担任の先生ですが、最初のご挨拶のときに、「ご両親の考え方を貫くのが一番良いと思います。一番してはいけないのは、考え方がブレて子どもへの対応がその時々で変わることです」と仰って、私たちの考え方を尊重してくださったことです。
本人が気楽に接していた
転校前の先生は、のんびりしていて、穏やかな雰囲気だったので、本人が気楽に接しているようでした。その先生は「学校には行かなくても大丈夫、卒業できる。実は僕も引きこもりを学生時代に経験しているんや」と、声かけしてくださったことが、親子ともに安心したのを覚えています。
息子の意志を尊重して対応してくれた
マンツーマンで補講をしてくださり、留年が迫っている教科のある日は、家まで迎えに来て、学校に連れて行ってくださりました。息子も何とか戻りたいという気持ちがあったので、このような対応はありがたかったです。息子の意思を尊重し、息子の気持ちに寄り添った対応をしてくださったことが嬉しかったです。
丁寧にこちらの要望を聞き、受け入れてくれた
嬉しかったのは、丁寧にこちらの要望を聞き、受け入れ、一緒に考えてくださったことです。給食では、停止、再開の手続きなど柔軟に対応してくれました。また、教材やテストの購入はどうしたいか、クラスメイトに息子の状態をどのように説明して欲しいか、今後のプリント類の受け渡し方法など、随時こちらの意見を伺ってくれました。そして、いつでも好きなときに学校へ来てくださいと言われたこともとてもありがたかったです。
子どもが興味のある事をずっと一緒にしてくれました
家に来てくれ、子どもと話をしてくれました。学校の話はほとんどせず、子どもが興味のある事をずっと一緒にしてくれました。話を聞いてくれ、ただそれだけして帰って行かれたのです。 それも、週に何度も。 その先生だけは、子どもも心待ちにしていました。
理解を示してくれた
信頼関係をつくり、「どうしていく?」と、息子と話をすることからはじめてくれた先生がいました。息子にきちんと向き合い、息子の感覚過敏(HSC)にも理解を示してくれました。子どもができることをスモールステップでしてもらえて、とても良かったです。
柔軟な対応を
各ご家庭によって、どうして欲しいかは変わってきます。子どもの気持ちや先生との関係性にもよります。
”対応は、ケースバイケースです。「これが良かったから」と言って、それをすればOKではありません”と、保護者さんがおっしゃるように、ここにあげた方法と同じ関わりをしたからといって、すべて「良し」というわけでもありません。
”たとえ一度決めたことでも、時間が経過すると状況も考えも変わりますから、定期的にお互いに確認しあう必要はあると思います”
手間かもしれませんが、なによりもしていただきたいのは、寄り添いながら、一緒に対応策を考えて欲しいのです。
保護者のかたは、どうすればいいのか分かりません。
なんとかしたいと思っているけれど、なにをすればいいのか分からないのです。
頼れるのは先生だけで、先生のアドバイスがすべてのように感じることもあります。
きっと先生も分からないことがあるでしょう。
そのときに、「分かりません」と突き放すことも、「こうしてください」と上から言うのでもなく、「一緒に考えていきましょう」と、頼りになる主治医のような関わりがなにより心強いのです。
学校とは繋がっていたい
いつか復帰をするかもしれないから、学校との関係を無下にはできません。でもね、毎日のように「明日、来れますか?」とか聞かれるのは、とてもしんどいです。
毎日のように「休みます」と連絡する罪悪感、情けなさ、苦しさも想像できますよね?
行くときだけ連絡する。週に1回だけ、どんなことがあったのか報告するなど、無理のない感じで関係を作っていってください。
「連絡しんどいです」と言ったら、半年間ほど連絡がなくなった担任の先生もいたと聞きました。
ほどよい距離感で、ぜひご家庭と繋がっていてください。
さいごに
不登校は、長期戦になることが多いです。
そのため、学校もご家庭も、僕たちNPOや外部の存在もみんなで、チームとなって取り組むことがとても大切だと思っています。
先生にも得意なことがあれば、苦手なこともありますよね。
その苦手な部分、困ることなどは、僕たち専門家が担える部分なので、ぜひいろいろ協力しながら、取り組んでいけたら嬉しいなぁと強く思っています。
ご意見、募集しています
先生向けの不登校資料をいくつか作成しています。
どんな情報があるとありがたいのか。
先生として困っていることがあれば、メール(info@dlive.jp)かLINE@で教えてください。
保護者の方々も、「先生にしてもらって嬉しかったこと」「先生にされてイヤだったこと、困ったこと」「先生への要望」を募集しているので、ぜひおしえてくださいね。