通信制高校は、安心できる大人に出会える場所【2.25 不登校のおはなし会Vol.8.5レポート】

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毎月主催している「不登校のおはなし会」、2月に開催した第8回のテーマは「通信制高校」でした。

年々増加している不登校の進学先として、いまや当たり前のように名前が出るようになった通信制高校。でもどんなふうにして通うのか?いわゆる全日制課程との違いは何?という疑問について、また通信制高校の特色について、現役の通信制高校の先生をお招きして解説していただきました。

このおはなし会、告知して数日であっという間に席が埋まるほどのお申込みをいただき、次々キャンセル待ちの方が増えていったため、急きょ「8.5回」という形で同じ内容を開催しました。ただ、お招きした先生の都合があわなかったので、代わりに通信制高校を卒業した私・山本がお話させていただきました。

最初、僕が入学したのは普通の単位制高校でした。しかしそこは教師の圧力がものすごく、わずか2週間で不登校、しかも今度は家から一歩も出られなくなりました。俗に言う「引きこもり」というやつです。何度も何度も死にたいと思いました。この世の中に信頼できる大人なんていないと思いました。

それでも僕にとって通信制高校への転入は「最終手段」でもありました。

二の足を踏んでいたのには、2つ理由があります。

まず、行くならきちんとした学校でないと意味がないと思っていたから。ここでいう「きちんとした学校」とは、クラスがあり、部活があり、毎日学校があり・・・という、いわゆる全日制の学校のこと。このときはまだ、僕がこうした「学校らしい学校」が合わないことに、気がついていませんでした。

そして、周囲の大人がよく言っていた、「高校で出会える友達は一生モノだよ」という言葉。ここでドロップアウトしてしまえば「一生モノ」の友達に出会えるチャンスはない。今ならクラスに戻れば、まだ同級生がいるから間に合うはず。しかし、学校への一歩はとうとう踏み出せませんでした。

こうして、ついに「最終手段」を行使するときが来たのです。

僕は前の単位制高校で教師に「裏切られました」。学校において教師は、その場をコントロールし、かつ校内で出会える唯一の「大人」でもあります。そんな「大人」に裏切られることは、自分がこの世の中で生きる資格など無い、と言われているようなものでした。

だから、通信制高校に転入するからと言って、大人への恐怖心、教師への不信感は晴れたわけではありませんでした。転入にあたって面接がありましたが、面接官の2人の先生と場所の雰囲気こそ覚えていますが、聞かれたことや話した内容はまったく覚えていません。しかし合格だったのは確かです。

今思えば、この自分という存在を認めて「合格」を出してくださったことこそ、僕が大人に対する不信感を拭う最初のきっかけだったことは、間違いないと思います。現に、この2人の面接官だった先生は、今も大変お世話になっています。もう10年間、心の底から信頼をおける「大人」です。

別にずば抜けて勉強ができる生徒ではありませんでした。しかし自分という存在をあるがままに認めてくださった通信制高校の先生方は、前の単位制高校の教師とくらべても「仏様」のような存在でした。転入して数週間、あれだけ大人に不信感があった僕は、常に職員室に入り浸っていました。

常に温かく接してくださった先生方のおかげで僕は自分を取り戻し、学校内外にとどまらず様々な活動に取り組むようになりました。もっともタイムマネジメントが下手くそだったので、文化祭実行委員長にも関わらず文化祭2日前に別のイベントの下見へ行き、ほかの委員に顰蹙を買ったりしたのですが。

それでも先生方は僕のめちゃくちゃなタイムスケジュールに文句をいうことなく応援してくださいました。そして先生方は、卒業時に僕に最優秀表彰を授けてくださったのです。

最初、僕は固辞しました。そもそも伝えられたのは力不足を露呈した文化祭を終えた直後。生徒にも先生方にも多大な迷惑をかけたにも関わらず、こんな賞を受け取る訳にはいかない。しかし「先生方の総意なのだから」と説得され、数日後僕は壇上で賞状をいただきました。

そのころにはもう、大人に対して不信感を抱いていた僕の姿は、ありませんでした。

通信制高校には「チューター」と呼ばれるシステムがあります。

簡単に言えば「個人的につく担任」のことで、普通クラス担任は余程のことがない限り1年間同じ教員が担当しますが、チューターシステムでは対応に不信感を抱いたり、あの先生よりこの先生のほうが話聞いてくれそう・・・と思ったら、いつでも自由に担当の先生を変えることができます。

つまり、通信制高校は、安心できる「大人」に出会える場所なのです。

卒業後、何度か母校となった通信制高校の卒業式に参加しています。そのなかで毎年遭遇するのが、生徒が先生とツーショットを撮る様子。最近はいわゆる「自撮り」で写真を撮る生徒が増えてきました。そして写る先生は、決して若い先生だけではありません。

「○○先生ー!写真撮ろー!」と卒業生徒に呼び出されていそいそ向かうベテランの先生。自撮りで構える生徒の横で、それはそれは満面の笑みで先生は写真に写っていました。ダブルピースのポーズも見事に決まっています。こんな生徒と先生の距離の近さが、通信制高校の特色だと思います。

この近さは、先生はもちろん、生徒も先生を信頼していないとなかなかできないものです。

僕も、そんな「生徒と先生の距離の近さ」に救われた高校生活だったな、と、お話しながら思った日曜の午後でした。「不登校のおはなし会Vol.8.5」にご参加いただいた皆様、本当にありがとうございました!

お知らせ:3月の「不登校のおはなし会」は11日開催!残席もございます

次回の不登校のおはなし会は今週末、3月11日(日)開催です。

今回は、不登校のお子さんを持つお母さんをゲストにお招きし、我が子が不登校になってからのお母さん自身の心境の変化、気付いたこと、について掘り下げていく会になる予定です。保護者目線による話題提供となるので、共感できる話題が多く出てくると思います。

まだ若干ですが残席もございますので、お早めにお申し込みください。

■ イベント詳細

◎日時  3月11日(日) 14:00~16:30
◎参加費 1000円
プログラム
・自己紹介
・テーマについてゲストから話題提供
・参加者みんなで話す時間
・ふり返りやアンケートなど

◆ 話題提供
今回は滋賀県の保護者さんに話題提供していただきます。

◎定員 10名程度
◎会場 コワーキングスペースMaghouse
(JR瀬田駅最寄り)
滋賀県大津市大萱一丁目9-7 ワイエムビル202

◎お申し込み
件名を「3/11 不登校のおはなし会参加」とし、
本文に、お名前・ご住所・ご連絡先を明記のうえ、info@dlive.jp にメールをお送りください。
※ こちらからのお返事が届かないケースが増えております。迷惑メール対策をされている方は特に、info@dlive.jp のメールが届くよう設定をお願いいたします。
主催  NPO法人D.Live
お問い合わせ先 info@dlive.jp

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山本 駿

山本 駿

NPO法人D.Live スタッフ / 高校非常勤教員(社会科) 京都出身。中学3年間不登校。岐阜県内の大学を卒業後、不登校ボランティアを経て2014年よりD.Liveに参画。主にTRY部や不登校講演事業を担当しながら、今を生きる子どもたちの先生でも友達でもない「ナナメの関係」になることを目指しています。