子どもがすすんで勉強するコツを美術館とポケモンから学ぼう

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「どうすれば、子どもが進んで勉強するようになるのだろうか?」

この問いにきっと多くの親御さんが頭を悩ましていることだろう。

僕自身も、TRY部で子どもの学力を高めていくことを考える中で壁にあたった課題だった。

しかし、答えは案外単純なものだった。
僕が学生のとき。
大学の授業で美術館へ行ってレポートを書く課題があった。

『好きな作品を見つけ、その作品について調べ、どこが良いかを書きなさい」

今まで美術館なんてほとんど行ったこともなかった僕は、足取り重く平安神宮のそばにある京都市美術館へ向かった。

印象派展で、モネやゴーギャンなどが展示されており、気乗りしないままに作品を見ていった。

「おもしろくないなぁ」と、うんざりするような気持ちで見ていた僕は、1枚の絵で目を奪われた。

うまいとか技法とか、そんなものは全然わからない。
しかし、「これ…、好きっ!」

そう思える絵だった。
忘れもしない。

カミーユ・ピサロの 『モンマルトル大通り』という絵。

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ピサロという名前もほとんど聞いたことがなかったのにも関わらず、一瞬でその絵が好きになり、しばらくの間その場から動かずに眺めていた。

一通り、全ての展示されている絵を見終わったあと、もう一度ピサロの絵に戻って眺めるほどだった。

僕はこの経験以降、頻繁に美術館へ足を運ぶようになった。

今でも絵についてはよくわからない。
なにが良くって、 どんなところが素晴らしいのか説明しろと言われても難しい。

けれど、僕にとってはガツンときた大きな経験が、絵を好きになるキッカケだった。

子どもは、ポケモンやゲーム、電車なんかにハマる。
大人が驚くほど、たくさんのことを記憶している。
好きや楽しい、興味が彼らを突き動かす。

勉強が嫌い、暗記が苦手な子でも、たくさんのポケモンを覚えている。
どのポケモンがどんな進化をするのか知っている。

僕の美術館での出来事、子どものポケモン。
どちらも共通するのは、興味や好きという気持ちだ。

僕は、絵を見て、「おお、すごい!」と思って、印象派の作品をたくさん見るようになり、ピサロの生き方にも興味を持った。

子どもにとっての勉強も、僕の美術館での気持ちと似ている。

「やりたくない」「気が向かない」「興味がない」

それでも、キッカケがあれば、勉強への意欲を変えることは出来る。

ただし、劇的なキッカケは期待出来ない。

小さな興味や楽しい、おもしろい。
そんな種のようなものがあれば、勉強に対する気持ちが「嫌い」「興味がない」から、「悪くない」に変わっていく。

大事なのは、「“わかる”から“おもしろい”」ということではない点だ。

僕は、絵なんて全然わからなかった。
けど、「好きっ!!」となった。

子どもの勉強も同じ。

はじめから勉強を理解させることから始めようと思うから失敗する。
絵に興味がないのに、印象派のレクチャーを受けたところで、僕は絶対に絵に興味を持つようにはなっていない。

「好き!」「楽しい!」「おもしろい!」
そう思えるからこそ、絵に興味を持てるようになったし、子どもたちは一心不乱にポケモンを覚える。

子どもがすすんで勉強するようになるためには、勉強が「楽しい」「おもしろい」と思えるようにならなくてはならない。

そのためには、「楽しい」と思えるキッカケを作ること。

TRY部では、10マス計算(100マス計算の縮小版)や漢字パズル、漢字しりとりなどを楽しみながらやっている。

まるで遊びの感覚で子どもたちは取り組む。
そうやっていくことで、計算や漢字へのアレルギーも薄れ、勉強することが「楽しい」に変わっていく。

すぐに「好き」になることは難しい。
けれど、少しずつやっていくことで、だんだんハマるようになっていく。

知育グッズでもいいし、いろんな体験も大事だ。

工場見学や旅行、体験活動を通して、子どもたちの好奇心が刺激され、学ぶことが楽しくなっていく。

そうすると、勉強というものが「苦痛を伴うもの」という認識から、「楽しいもの」「ワクワク」するものに変化する。

子どもは、「楽しい」と思えば、みずから勉強をするようになる。

どうすれば、子どもが勉強を「楽しい」と思えるように出来るか?
それが、大人の課題。

子どもにとって、勉強は、やらされるもの。
おもしろくなくて当たり前。

どうやって、「おもしろい」と思わせるか?

子どもが「勉強嫌い」というのは、当たり前と捉え、
どうやって「おもしろさ」を見せるのか?

それが、私たち大人に課された宿題なのではないかと僕は思っている。

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田中 洋輔

田中 洋輔

1984年 大阪生まれ 立命館大学文学部卒 好きなものは、Mac/ライフハック/ラーメン プロ野球選手を目指すも、強豪校へ入り挫折し不登校に。大学に進学するも、引きこもりになる。周りの支援で復活。「自分のようにしんどい思いを子どもたちにさせたくない」と思い、2009年、学生時代にD.Liveを立ち上げる。不登校のときの話しや自尊感情(自己肯定感)に関する講演や研修をおこなう。夢は、「能力や環境に関係なく、全ての子どもが自分の未来に期待出来る社会をつくる」こと。学生時代は、お笑い芸人として漫才をしていた過去をもつ。