『お母さん、「勉強しなさい!」って言わないで』(後編)

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(前編のつづき)

『勉強する理由を見つける』

これが、私に出された宿題だった。
もちろん、必ずやらないといけない義務的なものじゃない。
私の長期目標(主体的に勉強するようになる)を達成するために必要なことだから、自分で考えるしかない。

月曜日に授業行ってから気がついたら日曜日になった。

自分なりの理由…
う〜ん、むずかしい。
友達のため?
なんかちがう。
自分のため?
将来のためってのは少し遠すぎる。

そうだ!まずは、高校へ行くため。そうすることにしよう。

行きたいなと思う高校があった。
そこへ行くために勉強しよう。

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『見つかったよ!!』

スタッフに伝えると、笑顔で「おー、いいやん」と言ってもらえた。

ただ、私の中にはもう一つの課題が残っていた。
お母さんに「勉強しなさい」と言われる問題だ。
さぁ、これをどうするか?

スタッフと相談しながら考えていて、いっそのこと直接お母さんに言ってみるのもいいんじゃないかなって思った。

授業後、迎えにきてくれたお母さんと一緒に帰るときに思い切って言ってみた。
「私、がんばるから勉強しなさいって言わないで」
なにか言われるかと思ったけど、お母さんは「うん!がんばり!」と優しく言ってくれた。
嬉しかった。

翌日

勉強時間は長くなかったが、自分なりにガンバって勉強をした。

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ほっと一息ついているとお母さんに、「そんだけしかやらへんの?」と言われた。

まぢか。。。。
ううううう。
この一言は、ちょっと落ち込んだ。。。。
私、ガンバってやったんやけどなぁ。。

次の日は、少し落ち込んだ。
でも、気を取り直してまた勉強を頑張ろうと思って机に向かう。

その日も、次の日もお母さんはなにも言わなかった。
数日がたち、実力テストの前日になった。
おもむろにお母さんが、「明日実力テストやね。がんばりや!」と声をかけてくれた。

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ああ、そういうことか。
なんか、わかった気がした。

「勉強しなさい!って言わないで!」って言うよりも、私がお母さんに言われないようにがんばって勉強したらいいんだ。
そうしたら、お母さんは優しく見守ってくれる。
これからは、お母さんに「勉強しなさい!」って言わせないように、ちゃんと勉強をしよう。

高校という勉強する理由も出来た。
お母さんに言われるというモヤモヤも解消できたし、これからもっともっと勉強がんばれそうだな〜。

 

スタッフコメント

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お母さんも決して悪気があるわけではありません。
優しさ、彼女のことを思って「勉強しなさい」とおっしゃっています。
僕たちスタッフですら言いたくなるのだから、親だと当然ですよね。

彼女は、実際にお母さんに「言わないで!」という行為を通して、勉強することを自分の責任にしました。
伝えるのには、きっとすごく勇気が必要だったことでしょう。
しかし、行動したことによって彼女の行動も変わり、お母さんの接し方も変わりました。
ただ単純に「言わないで!」というだけではなく、言われなくても勉強するように変容した彼女はとても立派です。

やっと大きな壁を1つ越えた感じがしています。
これから、きっと大きく成長してくれるでしょう。
今後の成長がとても楽しみです。

 

※ この記事は、生徒の話を参考にスタッフが作成した物語です。

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田中 洋輔

田中 洋輔

1984年 大阪生まれ 立命館大学文学部卒 中学時代は、部活に打ち込み、勉強では学年で常にトップ10以内。 しかし、中学3年生のときから学校がしんどくなり、誰とも話さなくなる。 野球選手を目指し、大阪の野球強豪校へ行ったものの、自信を失い退部。そこから学校へ行かず、河川敷で過ごす毎日をおくる。 浪人して立命館大学へ入学したものの、なにをしたいかが分からなくなり、行く意味を失う。1回生の夏から1年ほど、京都の下宿で引きこもる。 友人の支えもあり、復活。政治家の秘書やテレビ制作などのインターンをおこない、期間限定のカフェも開く。「自分のようにつらい思いをさせたくない」と思い、D.Liveを立ち上げる。 フリースクールや自信を取り戻す教室を運営。不登校に関する講演や講座もおこなっている。 京都新聞にして子育てコラムを連載中。 詳しいプロフィールはコチラから