マイプロジェクトを自己効力感の面から考えてみる
昨夜は今年初めての「マイプロジェクト」発表会。今回も思い思いの方法で発表をこなしてくれました。
おさらい:マイプロジェクトとは?
何かひとつのテーマに取り組んだ成果を発表します。「何かしらのチャレンジを含むもの」「誰かの役に立つもの」という2点以外は自由。発表も口頭、パソコン、どんな形式でも構いません。また、スタッフも一緒になって発表します。
今回は、過去2回紙芝居形式で発表していた小学5年生の生徒が、初めてPowerPointを使っての発表にチャレンジ!
彼は今「通知表で20個◎をもらう」ことを目標に日々努力しています。そこでまず20個どうすればもらえるかを考えた上で、今回は「机のまわりを片付ける」「ノートをきれいに取る」という2点に着目して実践しました。その記録の方法が、
毎日机のまわりとノートの写真を撮影するというもの。これなら確かにわかりやすい!しかも、机のまわり(画面左)の写真には、必要のない物に印をつけてわかりやすくする配慮まで。
ちなみに翌日の写真ではこの「必要のない物」はきれいさっぱり片付けられていました。
前回、「釣りを極める!」というテーマで発表してくれた彼ですが、実はこのテーマに行きつくまでにはかなりの苦悩がありました。毎回マイプロジェクトの時間を取る度に、一度テーマを決めても「なにしたらええかわからへんねん・・・」と弱気になる姿が。結局、みんなに釣りの楽しさを味わってもらいたい!ということで、実物を取り上げてのルアーの解説や滋賀のオススメ釣りスポットの紹介など、彼らしい発表を見せてくれました。
そして今回は、「通知表で20個◎を貰う!」という長期目標からテーマをさっと引き出して、早々とプロジェクトに取り組むことができました。しかもこのプロジェクトから「机を片付けるのは良いこと」「机をうまく使えてすぐに勉強に取り掛かることができる」など、新しい発見があったことも嬉しそうに発表してくれました。
彼の中でマイプロジェクトに対して自信と取り組む喜びが芽生えている、と発表を聴きながらぼくは確信しました。
自己効力感をはぐくむマイプロジェクト
彼に限らず、今回もまたグレードアップした発表をこなしてくれた生徒のみんな。このマイプロジェクトでは、自尊感情を構成する4つの要素のうち「自己効力感」をはぐくんでいます。
今回取り上げた整理整頓の発表も、「通知表で20個◎を貰うにはどうしたらいいか」という課題に直面したところで、「勉強はもちろんだけど普段の生活の中で改善できる点は無いか」を考え、「整理整頓とノートテイクがうまくできていない」ことに気付いて改善に踏み切りました。そして実際に両方とも手ごたえを感じた彼は、最後に「これからも続けていきたいです!」と自信たっぷりに宣言してくれました。
前回のマイプロジェクトで長野一人旅の様子を発表してくれた中学3年生の生徒も、旅の前後で見違えるように顔つきが変わり、毎回楽しそうに授業に参加してくれています。彼もマイプロジェクトを通して自己効力感をぐんと伸ばしたひとりです。
これから先、彼らにはたくさんの困難が待っているかもしれません。でも、マイプロジェクトで伸ばした自己効力感があれば、これまで壁にぶち当たるしかなかった困難でも少しの創意工夫でひょいっと乗り越えられる可能性を秘めています。ここでのチャレンジや発表がその後の人生の糧になる、と信じてやみません。
そして、生徒たちはまた、スタッフを含めた他の発表をとても心待ちにしています。あらゆる発表を見聞きして見せ方などを参考にしながら、マイプロジェクトを通して自己効力感をどんどん伸ばしていってほしい、と願っています。